介護の仕事に興味があってやってみたいと思っていても、なかなか一歩が踏み出せない・・・「入門的研修」は、そんな人達の背中を押すために考えられた研修です。
入門的研修では、介護に関する考え方や介護技術の基本などを3日~6日間程度でざっと学ぶことができ、「介護職ってこんなことをするんだな」というイメージがつかめるようになっています。
入門的研修のほかにも、介護分野にはいくつかの公的研修があります。それぞれの内容の違いやメリット・デメリットをご紹介していきますので、検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
入門的研修とは
入門的研修とは、介護未経験者に向けた基本知識を習得するための研修です。研修の目的は「介護業務に対する不安を払拭して、介護分野への参入を促進すること」。
対象として想定されているのは、定年退職した中高年齢の方や、子育てがひと段落した方、学生さんなど幅広い層となっており、介護についての知識がまったくない人も無理なく理解できる内容です。
カリキュラム内容は基礎講座(3時間)と入門講座(18時間)の二段階に分かれており、合計21時間。基礎講座と入門講座の研修を修了すると、修了証明書を受け取ることができます。
基礎講座
- 介護に関する基礎知識(1.5時間)
- 介護の基本(1.5時間)
入門講座
- 基本的な介護の方法(10時間)
- 認知症の理解(4時間)
- 障がいの理解(2時間)
- 介護における安全確保(2時間)
研修の実施主体は全国の都道府県および市町村で、自治体により研修の方式が異なります。かかる費用は自治体によって異なりますが、ほとんどの場合無料です。
厚生労働省が挙げている実施例は、基礎講座のみ1日で実施する場合(3時間)、3日で実施する場合(1日7時間×3日=21時間)、6日で実施する場合(1日3~4時間×6日=21時間)の3パターン。お住いの地域で行われている入門的研修がどの方式かなど、詳しくは問い合わせてみてください。
≫令和4年度の入門的研修実施予定(厚生労働省ホームページ)
≫入門的研修の概要(厚生労働省ホームページ)
入門的研修を修了するメリット
実は残念なことに、入門的研修を修了しても制度上のメリットは大きくありません。入門的研修を修了していても無資格であっても、働ける施設の範囲は同じ。
無資格でも入門的研修を修了していても、通所・居住・施設系サービスで働くことができます※し、またどちらもホームヘルパーとして生活援助サービスはできるが身体介護サービスはできません。
※ただし2024年4月からは、通所・居住・施設系サービスで介護職として働くには「認知症介護基礎研修」の修了、もしくはそれより上位の研修または資格が必要。入門的研修を修了していても、認知症介護基礎研修の修了が義務となります。
介護保険の制度上は無資格と同じ扱いなので、資格手当を用意している施設もほとんどないと考えられます。とすると入門的研修にはどんなメリットがあるのでしょうか?以下の4つを挙げることができます。
- 研修修了後、就職を希望する人は介護施設とのマッチング支援が受けられる
- 介護の知識をつけることで、仕事に対するハードルを下げられる
- 上位研修を受ける際、入門的研修ですでに学んだ科目は免除される
- 無資格・未経験の人と比較して就職で有利になることが考えられる
いかがでしょうか。ステップアップして次の研修を受ける際に科目免除があったり、公的な視点で就職先を紹介してもらえるといった点は魅力的ですね。
とはいえ、実質的なリターンの面ではやや物足りないと感じる人もいるかもしれません。そんな人におすすめの研修を以下でご紹介します。
先を見据えるなら初任者研修を
現在資格を持っていないのであれば、最初に取る資格としておすすめしたいのが「介護職員初任者研修」。これを修了していれば、2024年4月以降に義務となる「認知症介護基礎研修」を受ける必要がなくなるので安心です。
多くの介護施設で信頼・評価されているメジャーな資格で、この資格での求人数も多く、資格手当などで給与アップも期待できます。
カリキュラムの合計時間は130時間とボリューム感はありますが、その分学べることは多く、自信を持って介護の仕事を始められます。集中して講座に通えば最短1ヵ月、通信講座を使って働きながら学ぶ場合は3~4ヵ月程度で修了可能。
「かいごgarden」では、初任者研修にかかった費用を全額キャッシュバックするキャンペーンを行っていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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「いきなり130時間はちょっと負担が大きい」という方には、総時間数59時間の「生活援助従事者研修」もおすすめ。こちらも「認知症介護基礎研修」の受講義務が免除となる点が魅力です。
最短2週間ほどで修了可能ですし、その後に初任者研修を受講する場合は、重複する59時間のカリキュラムが免除になります。
こちらのコラムも参考に≫「介護の資格の最初の一歩におすすめ!「生活援助従事者研修」とは?」
無料で介護のことが学べる研修
入門的研修はほとんどの自治体で無料です。介護職に興味があるという人はもちろんですが、「家族に介護が必要になったときのために勉強しておきたい」「学生で福祉に興味がある」など、介護に関する知識をつけたい方はどなたでもぜひチャレンジしてみてください。
一方、介護の仕事を始めてみたい気持ちが固まっている方は、「介護職員初任者研修」からスタートされるのがおすすめ。この研修の修了者を求める求人は多いので、きっと納得いく職場選びに役立ちます。
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こちらのコラムも参考に≫「介護の転職エージェント、選び方のコツをプロがこっそり教えます!」