高齢者のレクリエーションお勧めネタ&アイデア「7月」

使えるハウツー


もうすぐ7月、いよいよ夏本番がやってきます。

7月といえば、七夕飾りを準備するのが恒例になっている高齢者施設も多いことでしょう。でも七夕以外のイベントとなると「?」となってしまいませんか?

そこで今回は、七夕以外にもいろいろある7月のイベントや風物詩、雑学などをご紹介。

レクのヒントや会話のネタに役立ててくださいね。

また、7月になるとぐんぐん気温が高くなり、施設内は冷房を効かせるようになります。ところが冷房の冷たい風を嫌がる高齢者が多いのも事実。

そこで今回は、7月らしい季節感を楽しめるおすすめのレクリエーションをご紹介しながら、高齢者が屋内でレクを涼しく快適に楽しむコツについてもお伝えしていきます!

7月ってどんな月?

7月は旧名文月(ふづき・ふみづき)。

七夕に和歌や文字を書いた短冊を飾り、書道の上達を願ったことからこの名がついたというのが有力な説のようです。

7月の風物詩といえば、蝉の鳴き声。

「シャーシャー」「ジー」「ミーンミーン」・・・いろいろな鳴き声がありますが、皆さんはどんな鳴き声を思い浮かべますか?

「シャーシャー」と鳴くのはクマゼミ。もともと西日本にしかいないと言われていたクマゼミは、温暖化の影響か、最近は関東でもよく見るようになってきました。

「ミーンミーン」と鳴くのはミンミンゼミで、「ジー」と鳴くのはアブラゼミ。この名は油を熱したときの音と鳴き声が似ているからなのだそうです。

地形や気候によって蝉の分布は異なるため、関東出身の方なら、「蝉はシャーシャーなんて鳴かないでしょ?」となりますし、「ミンミンゼミなんて近所にはいなかった」という人もいるかもしれません。

この季節は、利用者さんに蝉の鳴き声についてお話を伺ってみるのも良いですね。

「蝉といえばミンミンゼミでしょ!たくさん捕まえたなあ」「ツクツクボウシは捕まえるのが難しくて、コツはね・・・」など、誰もが何かしらの思い出を持っているもの。

これを糸口に、少年少女の頃の懐かしい思い出がよみがえってくるかもしれませんよ。

そのほかの風物詩としては、海水浴に花火、浴衣で夏祭り。食べ物では麦茶やそうめん、すいか、かき氷。よしずやうちわ、風鈴の音が涼を呼びます。

7月の花としては朝顔やひまわり、ハイビスカスなど。折り紙やちぎり絵などのモチーフにするのもおすすめです。色鮮やかで、見ていて元気が湧いてきます。

なかなか海水浴や花火大会には出かけられませんが、施設内の装飾だけでも夏らしさをいっぱいにして、夏を感じてもらいましょう。

レクリエーションのネタになる7月の記念日

7月3日:ソフトクリームの日


今から67年ほど前のこの日は、初めて一般の日本人がソフトクリームを口にした日。明治神宮外苑で行われたアメリカ独立記念カーニバルで販売されたのが最初なのだそうです。

瞬く間にブームとなり、3~4年後にはデパートなどで広く提供されるようになったソフトクリーム。当時は最先端の食べ物でした。

ソフトクリームは高齢者にも食べやすく、栄養価の高いおやつ。渦巻き状に絞り出した形がなんとも可愛らしく、食欲もそそります。

でも絞り出す機械なんてないし・・・と諦めてしまうのはちょっと待って。実は、カンタンにあの形を再現できる方法があるのです。

やり方は市販のアイスクリームを、大きめの星形の金口をつけた絞り袋に入れて冷凍しておきます。あとは食べるときにぐるぐると絞り出すだけ。

たくさん絞り出すときは、手の熱が伝わらないように手袋や布巾を使うと良いでしょう。

バニラや抹茶などいろいろな味のアイスをアレンジできるので、何種類か用意して選んでもらうと選ぶ楽しさも加わって盛り上がります。

冷やしておいたお皿に絞り出せばあせらず食べられますし、ウエハースやあんこなど、トッピングをいくつか用意しておき、めいめい自分好みのオリジナルソフトクリームを作るのも楽しいもの。

食欲が落ちがちな暑い日の暑気払いに、たまには少し趣向を変えたおやつタイムはいかがでしょうか?

7月7日:七夕の節句

七夕の節句に合わせ、七夕飾りを作る施設も多いことでしょう。折り紙で飾りを作ったり、短冊に願いごとを書いたりするのは定番ですね。

みんなで作る七夕飾りは、切る、折る、貼付けるといった作業が手指のよい運動になるだけでなく、利用者同士のコミュニケーションも活性化します。話し合って作業を分担するなどの行程も組み入れてみましょう。

さて、がんばって作った七夕飾りは、7日中に片付けると願い事が叶うと言われています。せっかくの笹をただ捨ててしまうのはもったいないですね。終わった後は笹を使って昔ながらの遊びを楽しんでみませんか?

誰でも子供の頃一度は作ったことのある笹舟はもちろん、工夫すれば、鶴やトンボといった生き物を作ることもできますよ。

笹の葉を割いたり、ねじったり、まるめたり、差し込んだりしていろいろ創意工夫をしてみましょう。ああでもない、こうでもないと試行錯誤することは、脳の活性化にとても効果的です。

{笹舟の作り方}

  1. 笹の葉の端を折り、折った部分に切れ込みを2ヵ所入れます
  2. 上側の部分を下側の輪に入れこみます
  3. 反対側も同様に折り、切れ込みを入れます
  4. 同じように上側を下側に入れこみ、できあがり

7月13日:ナイスの日

7(な)1(い)3(スリー)で「ナイス」の語呂合せ。この日はナイスなこと、素敵なことを見つける日なのだそうです。

これにちなんで、日常で見つけたナイスなことを5、7、5の調べに乗せて、川柳を楽しんでみるのはいかがでしょう?

突然「川柳を作りましょう!」と言われても、なかなかどう考えて良いのか分からないもの。そんなときは、シルバー川柳の入選作品をいくつか選び、お手本に紹介するのがおすすめです。

シルバー川柳は、高齢者の生活などをテーマにしたクスリと笑える川柳で、公益社団法人全国有料老人ホーム協会が主催し、毎年入選作品を発表しています。

これらをいくつか紹介すると、「なるほど、そう考えればいいのか!」ととっつきやすくなります。

できた句は短冊に書いてもらって発表し、作品について話し合ったり、仲間と笑い合ったりする時間をとりましょう。

句を考えるだけでなく、周囲の人とコミュニケーションをとることで、よりいっそう脳の活性化につながります。

夏野菜の収穫が始まります


トマトやきゅうり、ナスやさやいんげんなど、春に植えてお世話をしていた夏野菜が、そろそろ収穫時期に入ってきます。

レクリエーションとして時間をとるほどではないかもしれませんが、実が色づいていくのを見たり、収穫したりする作業は、高齢者にとってじゅうぶん楽しいレクリエーション。

生命力にあふれた植物は、見ているだけで心の癒しになります。

7月からタネを蒔いて育て始めるなら、野菜であればニンジンがおすすめです。

夏蒔きのニンジンは病虫害が少なく、育てやすいのだそう。深く根を張るため、プランターの場合は深型を選びましょう。

7月から花を育てるなら、コスモスがおすすめです。秋にたくさんの可憐な花をつけて、利用者の目も職員の目も喜ばせてくれます。

植物の水やりや収穫は、できる人にお願いしてやってもらうのも良いアイデア。自分の役割があり、自分が周囲の人の役に立っているという実感は、QOLの維持・向上には欠かせません。

農業の知識が豊富な利用者さんなら、植物の病気のことや害虫のことなど積極的に相談してみましょう。きっとイキイキと目を輝かせ、ネットには載っていないようなお役立ち情報を教えてくれますよ。

盛り上がる夏祭りのコツ


7月後半になってくると、毎年夏祭りを企画するという高齢者施設もあるのでは?

夏祭りは非日常を楽しむイベント。盛り上げるには、雰囲気作りが大切です。飾り付けは面倒がらず、思いきり凝ってみませんか?

でも職員が時間をかけていられない・・・そんなときは、夏祭りの準備自体をレクリエーションにしてしまうのがおすすめです。

先ほどもあったように、自分がみんなの役に立っているという感覚は、高齢者を元気にしてくれます。できる人にはどんどんやってもらうようにするといいですよ。

発泡スチロールトレイなどで作った金魚にクリップをつけ、マグネットの竿でつり上げる金魚すくいならぬ金魚釣りゲームや、輪投げもシンプルだけれどついつい白熱して盛り上がるゲームです。

シュレッダーの紙くずを入れた段ボール箱のなかにピンポン玉などを隠して、手探りで探し出す宝探しゲームもおすすめ。箱は夏祭りらしく飾り付けすると雰囲気が出ます。

ホワイトボードを的にして、矢の代わりにマグネットを投げるダーツゲームも人気です。3cmくらいの直径のマグネットをホログラム折り紙などで包み、後ろを輪ゴムで留めて矢の代わりに。ホワイトボードに的を描いて、中央にいくほど高得点にすると盛り上がります。

楽しみながら身体を動かすことができ、集中力も使うので脳の活性化にもつながります。

この他にも、のど自慢大会や盆踊りも準備しておくと、夏祭りらしい特別感が出ておすすめ。オヤツや食事の時間も取り込んで、屋台形式で食べ物を提供するのも楽しいアイデアですね。

老人ホームなど高齢者施設での生活は、変化が少なく刺激に乏しくなりがちです。夏祭りというイベントを最大限に活用して、脳や体をどんどん刺激し、非日常を楽しみましょう!

7月の高齢者向けレクリエーション企画のポイント


暑くなってくるとレクリエーションも冷房の効いた建物のなかで行うことが増えますが、高齢者のなかには冷房が苦手だという人も多いもの。

冷房の風が身体に直接当たらないよう、エアコンの吹き出し口には風よけを取り付けたり、ついたてを利用したりして風の向きを調整しましょう。

家族に協力してもらい、薄手で長袖の服を着てもらうようにするのもおすすめです。

冷房は熱中症予防には欠かせないものなので、いろいろ工夫して、冷房への苦手意識を育てないように気をつけたいところです。

水分補給も大切ですから、レクの間、いつでも飲みたいときに飲めるように、お茶などを入れたジャグやポットを紙コップと一緒に用意しておくのも良いアイデア。

7月も後半になると、子供たちは待ちに待った夏休み。お祭り、花火大会といったイベントも増え、街全体から「夏を楽しむぞ~!」とワクワクしている空気が感じられませんか?

暑い夏は高齢者にとって厳しい季節ではありますが、イベントを前にして心がウキウキするのは誰でも同じ。

この夏の体験が心に残るものになるように、みんなで準備していきましょう!

【高齢者のレクリエーションお勧めネタ&アイデア】

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