おいしくて元気になる!介護食スイーツのススメ

使えるハウツー

「食欲がわかないときでも甘いものなら食べられる」、「疲れたときはスイーツを食べると元気になる」そんな人は多いのではないでしょうか?

デイサービスや老人ホームでもおやつの時間はみんな大好き!甘いものは年齢性別を問わず、幸せな気分になります。今回は、スイーツを介護食に取り入れることのメリットや注意点、おすすめの介護食スイーツのレシピをご紹介します!
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介護食スイーツなら、おいしく栄養を補える

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人は何を食べているか分からないと、味もよく分からなくなるんだそうです。たとえばイチゴ味のかき氷。オレンジ色の照明を当てると緑色に見え、同時に味も本当にメロン味になったように感じるのだとか。見た目がどれほど味覚を左右しているかが分かる、おもしろい例ですね。

食べる機能が衰えた人には欠かせない介護食ですが、こまかく刻んであったり、ミキサーでドロドロにしてしまうと、もともと何のお料理だったかが分からなくなります。そうすると食欲がわかなかったり、味もおいしいと感じにくくなってしまうんですね。

それに比べてスイーツは、ケーキやプリン、アイスなど、見慣れた姿のまま食べられるものが多いので、目からも食欲を刺激して、食べる楽しみを味わえます。色とりどりのフルーツにたっぷりクリームなど、スイーツは見るだけでもテンションが上がるもの。これは女性に限らず男性だって同じです。いくつになっても気持ちがウキウキするような体験を、たくさんさせてあげたいですよね。

また栄養的にもスイーツは優等生。タンパク質、カルシウム、ビタミン類は、高齢者に不足しがちな栄養素の筆頭ですが、スイーツなら乳製品や卵などタンパク質やカルシウムの豊富な食材や、ビタミンたっぷりのフルーツなどもバランス良く取り入れることができるんです。

みんなで作れば、楽しいレクリエーションに

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「趣味はお菓子づくり」という人が多いことからも分かるように、お菓子づくりはそれ自体がとても楽しいもの。簡単に作れるものなら、レクリエーションとして取り入れるのもおすすめです。高齢者にとって、料理をすることは心身の健康維持にとても有効だと言われていますが、実際に包丁を持ったり火を使ったりするのはなかなか難しい場面もあります。その点お菓子づくりであれば、クッキーの型抜きなど工作のような要素もあるので、工程を選べばみんなで楽しんでできますね。

またバレンタインやひな祭りなど、イベントごとに季節のスイーツを楽しむのも、四季の移り変わりを感じることができ、日常生活にメリハリをつくることにも役立ちます。

介護をする人にとっても、お菓子づくりはストレス解消に最適。特に家庭で介護をしている人は、何かとストレスが溜まることもあると思います。そんなときおいしいスイーツを手作りすれば、介護されている人も喜んでくれ、自分もおいしく、いい気分転換になるのではないでしょうか。

介護食にスイーツを取り入れるとき、注意したいこと

介護食にお菓子がいいと言っても、もちろん基本は1日3回の食事です。おやつでお腹が一杯で食事が食べられないなんてことのないよう、食べる量には注意しましょう。

また、市販のお菓子は添加物も入っていますし、カロリーや塩分、糖分など、摂りすぎたくないものも入っています。高齢者の栄養源にと考えるなら、手作りのものがおすすめです。

食材の注意として、粉糖やきな粉、ココアパウダーなどの細かい粉は、「むせ」に注意しましょう。パイナップルや小豆など繊維が豊富な食材も、ひっかかってむせることがあるので、見守ることを忘れずに。

スポンジケーキなど焼菓子系のお菓子は、高齢者には飲み込みにくいので、必ず飲み物と一緒に食べるようにしましょう。生クリームを多めに添えたり、薄めにカットしてコーヒーや紅茶などに浸せば、のどの通りが良くなります。ただし、そのときもなるべく原形をとどめるようにして、スイーツを食べる幸せを目からも感じてもらいましょう。

介護食だからといって、特別なレシピや材料を使う必要はありません。これらのポイントさえ押えれば、いつものスイーツで大丈夫というのがうれしいですね。

おすすめレシピ 混ぜるだけでできあがり!
牛乳パックと市販の抹茶オレミックスで簡単抹茶プリン

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手作りがいいのは分かっていても、道具が必要だったり手間がかかったりするとなかなか難しいですよね。

そんなときにおすすめの、手軽にできておいしいレシピをご紹介!

お鍋1つでぐるぐる混ぜていくだけなのに、冷やしている間に自然に小豆が沈んで層ができ、手のこんだ印象に♪抹茶と粒あんが相性抜群で、高齢の方にも喜ばれる上品な和のデザートです。大勢で楽しむときは1Lのパックで、人数が少なければ500mlのパックで半分の量にしても。

材料(牛乳パック1本/約10人分)
牛乳 550cc
生クリーム 80cc
砂糖 55g
粉ゼラチン 15g
抹茶 小さじ1(大さじ1の水で溶いておく)
抹茶オレ調整ミックス 2本
粒あん 200g

(下準備)
牛乳パックの開いている口をホッチキスでとめ、三角の部分をたたんでテープで留めます。カッターで生地の流し込み口を開けておきます。

  1. (1)牛乳と生クリームを合わせて中火にかけて温め、砂糖と粉ゼラチンをよく混ぜて溶かします。
  2. (2)(1)を火からおろし、水で溶いた抹茶、抹茶オレミックスを混ぜます。
  3. (3)最後に粒あんを混ぜ、牛乳パックの型に流し込みます。
  4. (4)冷蔵庫で一晩冷やせばできあがり!

イチゴや生クリームなどを飾り付ければ豪華さも増して、お祝いごとにも良さそうですね!

介護の強い味方、スイーツを楽しもう!

おいしくて見た目も食欲をそそり、そのうえ栄養も満点なスイーツは、実は介護の強い味方。

「ストレス解消は話題のスイーツを食べ歩くこと」なんて人もいるように、スイーツは体の栄養だけでなく、心の栄養にもなってくれるんですね。上手に食生活に取り入れることで、介護する人にとってもされる人にとっても、いいリフレッシュになってくれたらいいなと思います。

参考文献:
誤嚥・低栄養対策 介護食スイーツ レシピと栄養
(著 代居 真知子/鈴木 理恵子 栄養部分監修 島崎 洋子)

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