健康な高齢者の特徴は?介護現場に取り入れたい生活習慣

使えるハウツー

健康な毎日を過ごす様子の高齢女性

日本の高齢化は着実に進み、厚生労働省は2019年に100歳以上の高齢者が7万人を突破したと発表しました(※1)。要介護・要支援認定者数も増加し659万人に(※2)。しかし、その一方で健康を保ち、若々しく過ごされている高齢者もいらっしゃいますよね。元々の体質にもよりますが、日々の生活習慣の積み重ねで、肉体的、精神的に大きな差が出てくるとされています。健康的に過ごしている高齢者にはどのような特徴があるのでしょうか。

※1 厚生労働省統計(百歳高齢者表彰の対象者は37,005人)より
https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000547374.pdf

※2 厚生労働省統計(介護保険事業状況報告(平成31年4月暫定版))より
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m19/1904.html

高齢者に表れる身体的な特徴とは?

まずは、老化の進み方や高齢者に見られる身体的な特徴を理解しておきましょう。人間は、歳を重ねると体内の細胞数が減少し、その働きも鈍くなっていきます。新しい細胞が作られにくくなると新陳代謝が衰え、抜け毛や白髪が発生し、肌の弾力が失われたり、歯が抜けやすくなったりします。また、身体能力が衰え、筋肉量が減少するとまっすぐな姿勢を維持しにくくなります。多くの高齢者の腰が曲がっているのは、このためです。

高齢者に表れやすい内臓機能の変化

お腹を押さえて苦しそうな様子

細胞数が減少し、その働きが低下することで呼吸機能や循環機能、消化・吸収機能など、あらゆる内臓機能が衰えていきます。これらひとつひとつの機能の低下は密接に関係しあっているのです。たとえば、消化機能が低下するとおのずと食欲も減退するようになり、体力が減少。体を動かすのもおっくうになり、運動を避けるようになります。運動しなければ身体機能や筋肉量・筋力も低下し、さらに食欲が減退するでしょう。この悪循環にはまってしまうことで、さらに老化が進行するのです。

高齢者に表れやすい内臓機能の変化

高齢者の老化は体だけではなく、脳にも表れます。記憶力や集中力が低下し、痴呆になるのは最もわかりやすい症状。また、退職して社会的地位を失う、身内や友人をなくすなどで孤独感を覚えた高齢者は社会との距離を置き、人とのコミュニケーションにも消極的になります。近年増加している老人性うつは、精神の老化に起因することが多いとされています。精神が老化すると自分自身のことにも無頓着になり、健康づくりにも無関心に。つまり、精神の老化が、肉体の老化にもつながっていくのです。

健康を保っている高齢者の特徴と予防策

ハイキングを楽しむ高齢女性たち

高齢者の健康のカギは、十分な栄養と運動の確保。そこで、介護の現場で役立つ老化予防策をご紹介します。

食生活の見直し

『医者が教える食事術 最強の教科書』の著者であり、老化のメカニズムを長年研究し続けている牧田善二医師によると、食事によって老化のスピードは変わってくるようです。悪玉物質が大量に含まれ、老化の大敵とされているAGE(終末糖化産物)は体内を酸化・糖化させ、さびつかせてしまいます。特に唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物には多くのAGEが含まれていると言われています。しかし、揚げ物は定番かつ人気のメニューのひとつ。バランスがとれたメニューで楽しく食事をしていただく工夫も必要です。

揚げ物と反対に酸化・糖化をおさえてくれる食品としては鮭や鶏肉、納豆や豆腐などの大豆製品があげられます。揚げたり焼いたりするとAGEが増えてしまうので、ゆでる、煮るなどして調理方法にも工夫をしてみてください。体に良いとされる食物を中心に献立をつくることで、老化の進行速度を落とせるかもしれません。

また、たくさん食べてもらえないときには、柔らかめに煮たり、細かくきざんだりして、高齢者が食べやすいようにするとよいでしょう。

適度な運動習慣

筋力低下を防ぐためには高齢者に適度な運動を促し、一定量の筋力を維持してもらう必要があります。また、運動はリフレッシュやもの忘れ防止効果もあり、肉体だけではなく精神にも良い影響をもたらしてくれます。長時間のハードな運動スケジュールを組む必要はありません。1日30分程度のウォーキングやストレッチ、水泳などの運動習慣を定期的に取り入れることで、血行改善や食欲増進などの効果が期待できます。夜もぐっすり眠れるようになり、健康的な生活サイクルを作り出せるでしょう。

社会的参加を促す

内閣府が2017年度に行った「高齢者の健康に関する調査」によると、「健康状態が良い」と答えた人のほうが、「良くない」と答えた人よりも外出や会話頻度が高く、社会的活動に参加している人も多いことがわかりました(※)。
社会的参加にはボランティアや自治組織の活動、まちづくりなどさまざまな種類があり、人と接することで、脳が活性化されていきます。社会の第一線から退いた高齢者は、人と接する機会が少なくなりがち。高齢者を社交の場へ参加することをうながすのが現役世代の私たちのつとめなのかもしれません。
老人ホームやデイサービスセンターでは季節に応じたイベントを実施したり、レクリエーションを行ったりすることで高齢者同士のコミュニケーションの機会を提供することができるでしょう。

※厚生労働省統計(高齢者の健康に関する調査結果)より
https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h29/zentai/index.html

人生100年時代を健康で過ごすためには、周りのフォローも不可欠

高齢者の健康イメージ

高齢者の数が増えていく一方で、若者の数は減少の一途をたどっており、介護現場の人手不足は深刻化をつづけています。一人でも多くの高齢者に、介護いらずの健康な状態でいてもらうためには、私たちが率先して健康づくりをうながし、食生活や運動習慣、社会参加の大切さに気付いてもらう必要があります。介護の現場で利用者のみなさまにいきいきと過ごしていただくために、今からでも始められる食事や運動を取り入れてみてください。

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