介護職の腰痛を予防するツボ、ラクにするツボ厳選6

介護職の保健室


介護職のお悩みといえば、1、2を争うのが「腰痛」。

介護のお仕事は前屈みの姿勢で作業することが多く、どうしても腰に負担がかかりがちです。また、人の命を預かるお仕事のため、何かとストレスが多いのも特徴。

腰に溜まった疲労とストレスが、介護職員の腰痛の2大要因と言えるかもしれません。

そこで今回ご紹介したいのが、腰痛を簡単にセルフケアできる「ツボ押し」の力。もともと肩こりや身体のだるさといった、原因のはっきりしない不調をケアするのが得意なツボ押しは、疲労やストレスが溜まりがちな介護職員の強い味方です。

そのなかでも今回は、特に介護で起こりやすい腰痛の予防と緩和にぴったりのツボを厳選してご紹介。ツボ押しの知られざるパワーを、ぜひ介護の腰痛対策に取り入れてみてください。

まずは押したい腰痛のスタンダードツボ2つ

腰痛になったらまず初めに押したいツボが、おへその裏側あたりにある「腎兪(じんゆ)」と「志室(ししつ)」。

背中の中心から指2本分の位置にあるのが腎兪、指4本分の位置にあるのが志室です。これらは腰痛緩和には欠かせない定番のツボで、腰のつっぱりや重だるさ、痛みを解消すると言われています。

腰に手を当てて図の周辺を探り、押してみてコリやイタ気持ちよさを感じるところを探してください。見つけたら、親指で体の中心に向かって押しても良いですし、スペースがあればテニスボールなどを床に置き、その上に仰向けになってツボを刺激する方法もおすすめです。

これらのツボには腰痛改善のほかに、腎臓や副腎といった内蔵の血液循環を良くして、元気にしてくれる働きも。トイレが近い、体がだるい、疲れが抜けないといった悩みを抱えている介護職員の方には、特に試してほしいツボです。

「何となく腰に疲れがたまっているな」と感じたら、腎兪や志室あたりにカイロを貼ったり、腹巻きをしたりなどして温めるのも良いアイデア。ちょっとした気配りで、腰痛予防に効果が期待できます。

急性腰痛には足のツボが効く


足にも腰痛に効果的なツボがあります。

それが、膝裏にある「委中(いちゅう)」と、ふくらはぎにある「承筋(しょうきん)」。

どちらも腰から離れた位置にあるため、腰が炎症を起こしているときにもムリなく押せて、急性の痛みにも対応できるのがいいところ。

これらのツボは坐骨神経につながる神経に働きかけ、腰やお尻、膝や足にあらわれる痛みを和らげてくれます。足全体の血行を良くしてくれる効果もあるため、足のむくみやこむら返りなどにもおすすめです。

ストレス腰痛にもおすすめのツボ2つ

施設で忙しく働いていると、身体の疲労だけでなく精神的なストレスも発生しがち。でも実は、腰痛にはストレスも大敵なんです。

心がストレスフルになっていると、血管が縮こまり血のめぐりが悪くなるうえ、ふだんは何でもない痛みでも、強く感じてしまうことが分かっています。

腰痛だけでなく便秘や下痢など、お腹の不調も出ている場合には「大腸兪(だいちょうゆ)」がおすすめ。交感神経の緊張をゆるめ、大腸の血流を良くしてくれるので、ストレスからくる便秘や下痢に良いだけでなく、腰回りに溜まった疲れもラクにしてくれます。

もう一つおすすめのツボは足の甲にある「太衝(たいしょう)」。足の親指と人差し指の腱が接するV字のくぼみあたりにあります。
自律神経を整えて、心と体の緊張をときほぐしてくれる効果があるので、「ストレスが溜まっているな」「リラックスしたいな」と感じたら、いつでも気軽にもみほぐしてみましょう。

介護者の腰痛予防テクニック


介護をする人の腰痛は、ウエストライン付近に出ることが多いようです。

この場所にあらわれる腰痛は、中腰で同じ姿勢を続けたり、移乗介助やトイレ介助、入浴介助など、重いものを持ち上げたりすることで腰に疲労が溜まることが主な原因。

痛みの原因となっている疲労物質を取り除くには、筋肉をほぐして血流を良くすることが有効ですが、これはまさにツボ押しの得意技。仕事を始める前や後、休憩時など、手が空いたらこまめに押してみてください。腰まわりのコリがほぐれ、ラクになることを実感できるはず。

ただし、いくらツボ押しをして筋肉のコリをほぐし血流を良くしても、腰に負担をかけ続ければまた状況は元に戻ってしまいます。できる範囲で、腰痛の原因となっている行動や環境も見直していきましょう。

具体的には、重いものを持ち上げる場合は中腰でせずに膝を曲げて腰を落とす、作業面が低い場合は自分がかがむのではなく台やベッドの高さを上げる、上半身だけをひねらずに身体ごと利用者を向いて介助する、リフトやスライディングボードなど福祉機器の採用も検討するといった、細かいことが重要になってきます。

利用者になるべく近づいて介助するなど、ボディメカニクス(身体の動きのメカニズム)を活用することも忘れないように。急いでいるとつい省略しがちですが、力任せの介護は腰痛に直結してしまいます。

また、同じ姿勢を続けないことや腰を冷やさないこと、睡眠・休息をしっかりとることも欠かせません。

これらに気をつけたうえで、腰痛予防体操やストレッチも取り入れるとより効果的です。

介護業務で働く人のための腰痛予防のポイントとエクササイズ(出典:厚生労働省ホームページ)

ちなみに介護職員や在宅介護の介護者の腰痛対策には、マッスルスーツや抱え上げをアシストするベッドなど、介護支援型の介護ロボットの開発も急ピッチで進んでいます。

現状はまだ、使い勝手やコストなどの面で課題が残されていますが、今後の発展にぜひ期待したいところですね。

腰痛予防にも痛み緩和にも、ツボの力を活用しよう


ツボ押しは難しい技術も必要なく、いつでもどこでも、誰でも気軽にできるところが魅力です。腰に負担のかかりやすい介護職の人こそ、ぜひ活用してほしいテクニック。

休憩室にテニスボールを置いておき、「疲れたな」「なんだか腰がだるいなあ」と思ったら、気になるところをグイッともみほぐしてみましょう。ツボ押しで血流が良くなると、身体もポカポカ温まり、筋肉だけでなく気持ちもほぐれます。

上手に腰と気分をリフレッシュしたあなたは、利用者だけでなく自分の健康もキープできる介護のプロとして、周囲から頼もしく見られていることでしょう。

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