介護職の産休、いつからどう取る?両立支援の配慮とは?

介護職の保健室

赤ちゃんに笑顔で寄り添うママ

介護のニーズは365日、24時間途切れることがありません。そのような職場で妊娠した場合、ほかの職場に比べて疑問や不安を強く感じることもあるかと思います。「産休や育休って介護職でも取得できるのかな?」と心配になったり、「自分がいない間、職場のみんなに迷惑をかけるかも」と申し訳なく思ったり・・・。

もちろん介護職も産休は他の仕事と同様に取得可能です。ただ、介護職ならではの悩みがあることも事実。今回は、日々変わっていく妊娠中の体調変化とつきあいながら産休までの間どう働くか、2021年度から適用される両立支援の配慮についてのニュースもご紹介していきます。

せっかくがんばって資格を取り、キャリアを積んできた仕事。ライフステージが変化しても、柔軟に働き続けることが出来ればうれしいですよね。さあ、さっそくチェックしていきましょう。

介護職も産休を取得可能

妊娠中でお腹の大きくなった女性

「産休=産前・産後休業」は、働く女性ならすべての人が取得できる制度。介護職ももちろん産休は取得可能です。出産予定日がわかったら、会社で使用している申請書に記入して提出すれば取得できます。以下でくわしくみてみましょう。

【産前・産後休業】
パート・アルバイトを含め、すべての女性が産前・産後休業を取得できます。まず産前ですが、出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から取得可能。産後は出産日の翌日から8週間は働いてはいけないことになっています(産後6週間を過ぎて医師の許可があれば就業可能)。また、産休期間とその後30日間の解雇は禁止されています。

休業期間中は、パートであっても勤務先の健康保険に加入していれば、1日につきおおむね賃金の3分の2相当額の出産手当金が支給されます。また本人か家族が健康保険に加入していれば、出産育児一時金として1児につき42万円が支給されます。

制度では、多胎児でない場合は出産予定日の6週間前から休業できることになっています。しかし、介護職は基本的に立ち仕事で、走り回ることや力仕事も多いため、この時期まで妊娠前と同じように働き続けるのは現実的ではありませんし、危険もともないます。

実際に介護職の方が妊娠した場合は、自身の健康状態に合わせて、初期の段階から仕事内容を配慮してもらうことが一般的です。

どんな配慮をしてもらっている?

職場に妊娠報告をすると、移乗介助、入浴介助など、重量物を持つような体力を消耗する業務から外れ、見守りや片付け、事務や誘導といった軽作業を受け持つようになるでしょう。またスタッフの数が少なくなる夜勤は、アクシデントが起こった場合一人での対処を迫られることが多く、ムリをしてしまいがち。生活リズムも乱れ、体調への負担が大きいので外してもらうようにしましょう。

それ以外にも、つわりでニオイがつらい場合に、希望して口腔ケアや排泄介助から外れることもあります。「自分だけ楽をしているようで気が引ける」と感じる人もいるかもしれませんが、妊娠中の従業員が勤務上の配慮を求めた場合は、業務の軽減や勤務時間の変更など、適切に対応しなければならないことが法律で定められています。

妊娠中の体調は人それぞれ。初期がつらい人もいれば後期がつらい人、妊娠期間中ずっとつらい人などさまざまです。また、一人目と二人目でまったく体調が違うなど、赤ちゃんによっても異なり、本人もなってみるまで分からない部分もたくさんあります。自分に何ができて何がつらいのか、周囲によく相談して理解してもらうことが大切です。普段から職場の仲間とよくコミュニケーションをとっておくと、こういう時にとても役立ちます。

目の前の仕事をこなすことも大切ですが、もっと大切なのは自分自身と赤ちゃんの命です。「今自分が配慮してもらった分は、他の人が困ったときにしっかり返していく」という気持ちをもって、妊娠中でもできることで職場に貢献していきましょう。

新たに決定した家庭との両立支援策とは?

ヒトとチェックマークの積み木

いろいろな配慮をしてもらっても、やはり体がしんどく、思うように仕事ができないこともあります。なかには遠慮しながら休みをとるより、いっそ辞めてしまおうと考える人もいます。そんな状況に歯止めをかけるため、令和3年度の介護報酬改定で、全サービスの人員配置基準や報酬算定を見直すことが決まりました。

まず職員が育児や介護のため時短勤務をしている場合、週 30 時間以上勤務していれば「常勤」として扱えること。また、常勤配置が求められる職員が、産休・育休等を取得した場合に、同等の資質をもった複数の非常勤職員を常勤換算することで、人員配置基準を満たせるようにします。

介護事業所を開設するためには、施設の規模によって最低限必要な人員基準が定められており、必要な資格保有者を集めないと営業ができないようになっています。そのため常勤の有資格スタッフが急に辞めてしまうと、介護事業所としては運営に支障をきたすこともありえます。そこで、事業所がスタッフの産休・育休に対処しやすいよう、人員配置基準を緩和しようという配慮です。

時短勤務でも週30時間以上なら常勤扱いしてもらえたり、自分が休んでいる間も、資格を持ったパートさんやアルバイトさんで職場を回せるようになるのはうれしいですね。こうした取り組みがもっと進めば、「介護の仕事が好きだけれど、家庭の事情で辞めざるをえない」という人が今よりずっと減るのではないでしょうか。みんなが自分の家庭を大切にしながら、柔軟に働ける職場になっていけばいいですね。

>令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(40ページ)

時短勤務、有給消化、休職なども選択肢に

「なんとか産休までがんばりたい」と思う妊婦さんは多いと思いますが、妊娠中の過度な就労は出血や早産などトラブルのリスクを高めることが分かっています。体への負担が大きいと感じたら、職場とよく相談して体調を優先した行動をとりましょう。選択肢はいくつか考えられます。

まず正社員でフルタイム勤務していた場合は、決まった曜日に定期的に休ませてもらったり、1日の就労時間を短くする時短勤務に切り替える方法があります。前述のように、2021年度から週30時間以上働いていれば常勤として扱われるようになるので、職場への影響は比較的抑えられるのではないでしょうか。

その働き方で続けられるようであれば続ける、という考え方もありますし、どうしてもつらい場合はさらに勤務時間を短くしてパート勤務に切り替えたり、計画的に有給を消化したり、産休まで休職させてもらうのもひとつの手です。

職場に相談するときは、事前に主治医に相談して「母性健康管理指導事項連絡カード」を書いてもらっておくとスムーズ。このカードは、働く妊婦さんが医師から指導を受けたとき、その内容を的確に伝えられるようにするものです。事業主がカードの提出を受けたときは、記載内容に応じて適切な措置をとることになっています。勤務上の配慮は、パートやアルバイトなどの非正規雇用の方でも受けられるので、必要に応じて活用しましょう。

仕事も大切ですが、赤ちゃんの命はお母さんが主体となって守り育てなくてはなりません。「産休までなんとしてもがんばらなくてはならない」と思い込むのではなく、いろいろな選択肢のなかから、ベストなものを選んでくださいね。

こちらのコラムも参考に≫「介護職の人が妊娠したらとるべき、後悔しない対応法とは」

大好きな仕事に長く携わっていけるように

赤ちゃんを抱っこするママ

おなかの赤ちゃんは大切、でも仕事も完璧にしたい・・・そう思っても現実は難しいもの。「忙しい職場で休むと、みんなに迷惑をかけてしまう」「こんなに配慮してもらって心苦しい」など、働く女性の悩みと不安は尽きません。

大好きな仕事、大好きな職場だからこそ、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えながら、長く携わっていきたい。今回の厚生労働省の決定は、そんな気持ちに応えてくれるものだったのではないでしょうか。もちろんまだまだ十分とはいえませんが、少しずつ介護業界全体が、働きやすい環境に変わっていくといいですね。

参考:「働く女性の妊娠に関する調査」連合(日本労働組合総連合会)調べ

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