高齢者のレクリエーションお勧めネタ&アイデア「11月」

使えるハウツー


11月といえば、街路樹があざやかな赤や黄色に染まり、そろそろきらびやかなイルミネーションも始まる頃。すぐそこまで迫った冬の気配を感じながら冬じたくを始めれば、今年の冬はどう過ごそうかとワクワク感も高まってきますね。

それと同時に、11月は空気が冷たく乾燥し、風邪やインフルエンザなどのウイルス性感染症も流行しはじめます。

老人ホームやデイサービスなど、免疫力が衰えた高齢者が集まる施設では、ちょっとした油断から感染症が流行してしまうリスクも。感染を防ぐには、ウイルスに負けないよう、ふだんから体力を養っておくことが大事です。

季節感を取り入れたレクリエーションで、たくさん笑って体を動かし、免疫力を高めていきましょう。

11月ってどんな月?

11月は旧名「霜月(しもつき)」。「そうげつ」と読むこともあり、この場合は霜の降りた夜の、冷たく澄んだ月の光を表すのだとか。なんとも風情がありますね。

11月に入るとそろそろ街路樹も赤や黄色に染まりはじめ、私たちの目を楽しませてくれます。

11月の壁画や壁紙製作のモチーフには、色づいたもみじやドングリなどの木の実、菊の花やりんごなどをテーマにすると、季節感もありつつ美しい仕上がりに。いつも折り紙など決まった方法でなく、ちぎり絵やステンシル、コラージュなどいろいろな方法を試してみると、新鮮味を感じながら楽しく取り組めます。

食べ物ではキノコや大根、白菜などの鍋野菜が旬にさしかかる頃。寒ブリや秋鮭など、11月ならではの鍋具材はいろいろありますが、とくにキノコ類は、良い出汁も出て具材に欠かせません。

そこでキノコに関するおもしろ雑学をちょっとだけご紹介しましょう。利用者との会話のとっかかりや、休憩中の雑談のネタに利用してみてくださいね。

日本には昔から「雷が多い年はキノコが豊作」という言い伝えがありました。これをもとにキノコの原木に電圧をかける研究を行ったところ、なんと収穫量が2倍にアップ!実際に栽培に取り入れているしいたけ農家さんも多いのだとか。なぜ電気ショックでキノコが増えるのかはまだよくわかっていませんが、全滅の危険に反応して、繁殖力を高めるのではないかといわれています。

もう一つ、キノコの雑学を。「世界最大の生物」は何だと思いますか?クジラ?セコイア?違います、実はキノコなんです。私たちがふだんよく食べているカサや軸の部分は、植物で言うと花や実に当たる部分で、キノコの本体は地中にある菌糸のかたまりなのだそう。キノコ類のなかにはひとつの山全体に菌糸を広げているものもあり、DNA鑑定すると単一の生物であることがわかるのだそうです。

調べてみると他にもいろいろなトリビアがありますから、秋の食材トリビアをもとに、○×形式でクイズ大会をしてみるのも面白そうです。

レクや会話のネタに!11月の記念日

11月3日:文化の日


国民の祝日、文化の日。もともとは明治天皇の誕生日を記念する祝日でしたが、昭和21年のこの日に平和と文化を重んじた日本国憲法が公布されたことから、「文化の日」として定着しました。

関連するレクリエーションとしてオススメなのは「書道」。高齢者の方は、書道が得意な方が多いものです。得意なことは楽しんで取り組みやすいですし、周囲に「わあ!すごいですね」「達筆ですね〜」と褒められることは、自己肯定感や意欲のアップにつながります。

テーマを「好きなもの」にすると「あんこ」といった独創的な文字が並ぶことも(笑)。笑いも交えながら、文化の日を満喫してくださいね。

11月7日頃:立冬

立冬は冬が始まるとされる日で、2018年は11月7日です。まだまだ本格的な冬は先ですが、この日を境に朝晩の冷え込みが強くなり、ぐっと冬が近づいてくるのを実感します。

寒くなってくると心配なのがウイルス性の感染症ですが、予防にはやはり「手洗い」が有効です。

ちなみに、手洗いを1回長くするのと、短い手洗いを2回するのとでは、どちらがウイルスを洗い流すのに効果が高いと思いますか?実は、短い手洗いを2回なんです。

忙しい仕事のなかでは、「そんなに悠長に手洗いしてられない!」という場面も多々あるでしょう。でも、短い手洗いでも2回繰り返せば効果がアップするなら、少しハードルが下がりますね。ぜひ仕事にも、自身の生活習慣にも取り入れてみてください。

>風邪、ノロ、インフルエンザ…感染症を防ぐ介護のコツ

11月17日:将棋の日

将棋が好きという高齢男性は多いもの。11月17日は将棋の日なので、それにちなんだイベントとしてトーナメント戦を企画してみるのもオススメです。

ひとつの対局に、だいたい30分程度はかかると考えると、事前に参加者を募って決勝戦までの対局を済ませておくのがよいでしょう。

そして17日前後に「第◯回◯◯ホーム将棋名人戦」などと銘打って、決勝戦をおこなうようにすると、進行がスムーズになります。将棋に詳しくない人も楽しんで観戦できるように、詳しい人に解説を頼んでもいいですね。

勝負がついたら、優勝者、準優勝者に盛大な拍手と惜しみない賛辞を。人に認められ、褒められることは最高の脳トレになります。ちょっとした景品なども用意して、イベント感を演出しましょう。

11月23日:勤労感謝の日

勤労感謝の日に、みんなでワイワイ盛り上がる「お仕事行ってらっしゃい」ゲームはいかがでしょうか?必要なものは、ネクタイ、カバン、帽子など、いろいろな持ち物です。

4人チームになり、それぞれ帽子係、洋服係、カバン係、靴係と担当を決めます。進行係に「お父さん!」と言われたら、帽子係が男性ものの帽子を取ります。服係はネクタイを、カバン係はビジネスバッグを、靴係はビジネスシューズを探し出して取ります。全部揃ったら全員で「行ってらっしゃい!」と叫びます。

「お父さん!」から「行ってらっしゃい!」までのタイムを計って、早い方が勝ちになるチーム対抗戦です。慣れてきたらスタートの声かけを「お母さん!」や「お医者さん!」などに変えて、ぴったりのコーディネートを何秒で揃えられるか競うのも楽しそうです。

お題が「お父さん」なのに、帽子係が麦わら帽を持ってきたり、靴係がサンダルを持ってきたりすると、出来上がりのコーディネートはチグハグ。それがまた楽しくて、爆笑を誘うことも。

適度に体も動かしつつ、チームワークが試されるゲームなので、利用者同士のよいコミュニケーションになります。耳から入った情報をもとに、どれを選ぶか瞬時に判断するので、脳の活性化にも最適。いろいろアレンジして楽しんでみてくださいね。

クリスマス準備をレクにしてしまおう!その1:おもちゃ作り


一年に一度、子供から大人までみんなが楽しみにしているクリスマス。お楽しみのNO.1は、やはりプレゼントですよね。

そこで、クリスマス会で子供にプレゼントするおもちゃを、みんなで手作りするレクリエーションはいかがでしょうか?

たとえばホームセンターなどで安価に手に入る端材にヤスリをかけ、カラフルな色を塗って手作り積み木に。お裁縫が得意な方なら、布の端切れを使ってお手玉やぬいぐるみを。もっと手軽にしたいなら、折り紙2枚を組み合わせて作るコマや、牛乳パックと輪ゴムで作る跳ねるカエルなども、子供に人気のおもちゃです。

それぞれの得意や興味に合わせて、積み木チーム、お手玉チーム、工作チームなどに分かれてもらい、数回のレクリエーションに分けて、クリスマスまでにおもちゃを完成させます。

ポイントは、作業を細分化して分担し、できることや得意なことを担当してもらうこと。たとえば積み木作りなら、端材を切ることはできなくても、ヤスリがけならできる、色塗りならできる・・・少しでもできることがあれば、みんなで協力して仕上げることができます。

最後はみんなの作品をラッピングして、近所の保育園や幼稚園にプレゼント。もちろん「ひ孫にプレゼントして、喜ぶ顔が見たい」など、個人的な目的を持つことも大歓迎です。

カラフルな色にふれながら細かい作業をしたり、子供が遊ぶところを想像したりすることで脳が活性化。指先の運動能力や集中力の維持にも役立ちます。何より、自分で作る達成感や人に感謝される喜びは、高齢者のポジティブな気持ちを引き出して、「生きる自信」を持ってもらうことにつながります。

クリスマス準備をレクにしてしまおう!その2:ハンドベル演奏

ボランティアの人に音楽を演奏してもらうのもステキなレクリエーションですが、クリスマス会では、利用者自身が演奏する側に挑戦してみるのも良いものです。

たとえばハンドベル。ハンドベルは、一人が1つの音階を担当するので自分の役割ができ、「自分ががんばらないと!」という心理が働きます。また仲間と協力しないと曲が完成しないので、コミュニケーションの活性化にも最適。

音階ごとにハンドベルと楽譜を色分けしておけば、「次は赤の人!」「次は黄色の人です!」といった案内ができるので、認知症の方でも挑戦できます。

練習は、集中力が切れないよう、クリスマス会に向けて数回に分けておこなうのがおすすめ。「きらきら星」のような簡単な曲から始め、まずは拍手を浴びる快感を味わってもらいましょう。

仲間と力を合わせて美しいハーモニーを完成させる達成感は、一度味わえばきっとやみつきに。

ハンドベルはレンタルもありますが、8音セットならそれほど高価ではないので、備品として持っておくといろいろな場面で役立ちます。

11月のレクリエーション企画のポイント


12月のイベントに向けて、そろそろ準備を始めたい11月。ですがスタッフは忙しくて、なかなかそのための時間を取れない・・・それならば、11月のレクリエーションで準備を兼ねてしまうのも一案です。

クリスマスを盛り上げる飾り作りや、ツリーの飾りつけも立派なレクリエーション。「人手が足りないので、手伝っていただけませんか?」「子供たちがおもちゃを待っているんですが、おもちゃが足りなくて・・・」などと頼られれば、高齢者のやる気もグンとアップします。

こうした変わりダネレクリエーションを、毎日ルーティンでおこなう体操レクなどにポイントで加えていけば、マンネリがちなレクの時間も活性化します。

「クリスマス会を盛り上げたいので力を貸して欲しい」とお誘いすれば、ふだんあまり参加してくれない利用者も、意外に参加してくれるかもしれません。

苦労して準備すれば、そのぶんクリスマスを待つワクワクした気持ちもふくらむもの。また、仲間と協力しあうこともポイントです。交流が増えれば、会話や活動量も増えていいことづくめ。取り入れられそうなものがあれば、ぜひ検討してみてくださいね。

【高齢者のレクリエーションお勧めネタ&アイデア】

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