「資格を手にして介護職を目指したい」
「スキルアップをして、よりよいケアができるようになりたい」
と、考えている方におすすめなのが、介護技術研修の受講です。
介護技術研修では、現場で役立つ知識やスキルを学べるので、ご利用者様の健康や快適な生活につながる、質の高いケアを提供できるようになります。
また、資格を取ることにより、自身のキャリアアップにも役立つでしょう。
本記事では、介護技術研修の種類・費用・期間などの基本情報や、受講のメリット・デメリット、受講前のチェックポイント、研修の参加方法などを紹介します。
介護職への就職を考えている人やご利用者様に喜んでいただける質の高いサービスを提供したい人、スキルアップを目指して介護技術研修の受講を考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
介護技術研修とは?
介護技術研修は、介護の知識や技術を学ぶための研修プログラムです。
介護技術研修には、介護未経験の人が基礎的な内容を学ぶ研修や認知症ケアなどテーマ別の研修、専門性の高い資格を取るために必要な研修などさまざまな種類や内容があります。
例えば、介護施設や訪問介護事業所で働き、身体介護をおこなう場合は、介護の基礎的な知識や技術を習得する研修の資格が必要です。
また、国家試験の実技試験が免除になる研修などもあります。
介護技術研修の種類と基本情報
介護技術を学ぶ研修にはさまざまなものがありますが、ここでは、公的資格である介護技術研修について紹介します。
- 生活援助従事者研修
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 認知症介護実践者研修
- 同行援護従業者養成研修
- 行動援護従業者養成研修
それぞれの研修の内容・対象者・受講期間・受講料について表にまとめましたので、気になる研修について、チェックしてみてくださいね。
※受講期間や受講料は、すでに持っている資格や、各実施機関などによって異なる場合があります。
種類 | 内容 | 対象者 | 受講時間 | 受講料 |
生活援助従事者研修 | 高齢者の自宅を訪問して生活援助をおこなえるようになるための知識や方法を学ぶ | 介護の仕事に興味がある人 | 59時間 | 1万8,000円程度。補助金制度がある場合も。 |
介護職員初任者研修 | 介護の基礎知識や技術、法令や倫理などを学ぶ | 介護職に就く予定の人や現場で働く人 | 130時間 | 5万~10万円前後。補助制度がある場合も |
介護福祉士実務者研修 | 介護職員初任者研修の内容に加えて、高度な知識や技術、ケアプラン作成などを学ぶ | 介護福祉士資格取得を目指す人や現場で働く人 | 450時間(初任者研修の資格があれば一部免除) | 10万~20万円前後。補助制度がある場合も。 |
認知症介護実践者研修 | 認知症に関する知識や理解、認知症ケアの方法やコミュニケーションなどを学ぶ | 認知症ケアに関心がある人や現場で働く人 | 約40時間 | 5万~10万円前後。補助制度がある場合も |
同行援護従業者養成研修 | 障害者や高齢者が社会参加するために必要な支援や援助の方法を学ぶ | 同行援護サービスに従事する人や現場で働く人 | 約32時間 | 5万~10万円前後。補助制度がある場合も |
行動援護従業者養成研修 | 行動障害がある障害者に対する支援や援助の方法を学ぶ | 行動援護サービスに従事する人や現場で働く人 | 約40時間 | 5万~10万円前後。補助制度がある場合も |
介護技術研修を受講するメリット3つ
ここでは、介護技術研修を受講することで得られるメリット3つについて解説します。
- 知識やスキルが習得でき、介護の仕事に就くための準備ができる
- 介護現場での実践力向上につながる
- キャリアアップにつながる
ひとつずつ見ていきましょう。
メリット1.知識やスキルが習得でき、介護の仕事に就くための準備ができる
介護技術研修では、介護の現場で必要なケアの方法や対応、ご利用者様や家族とのコミュニケーションなどの知識と実践を学べます。
また、生活援助従事者研修では、さまざまな施設やサービスを紹介する講義や見学会もあるので、自分がどのような施設やサービスで働きたいか、などをイメージしやすくなります。
研修中、講師から介護の仕事の実態や求人情報などを聞いたり、相談できたりするのもメリットのひとつです。
メリット2.介護現場での実践力向上につながる
介護技術研修では、食事や入浴、排泄などの日常生活支援や移動や体位変換などの身体機能支援など、実践的な内容も学べます。これらは、ご利用者様の健康と快適な生活を支える大切なケアです。
また、実務の進め方やコミュニケーションなども学べる研修もあり、職場でスムーズに仕事を進めていくのに役立ちます。
メリット3.キャリアアップにつながる
介護技術研修のなかには、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格取得に必要なカリキュラムを履修できる研修もあります。
これらの資格を取得することにより、さらに専門性の高い職へのキャリアアップを目指せます。
介護技術研修を受講するデメリット3つ
介護技術研修を受講することによるデメリット3つについて、解説します。
以下について、事前に知って対策をしたうえで受講すると、スムーズに学べるでしょう。
- 受講料や交通費などの費用がかかる
- 受講時間や場所が限られている場合がある
- 修了証だけでは資格取得には不十分である場合がある
それでは、ひとつずつ見ていきます。
デメリット1.受講料や交通費などの費用がかかる
介護技術研修は、一般的に受講料が必要です。場合によっては交通費や教材費なども発生します。
受講料は、種類や内容によって異なり、約1万円から20万円程度かかる場合もあります。
ただし、条件を満たせば助成金などの制度を利用できる場合もあるので、まずは市町村や厚労省のサイトをチェックしてみましょう。
デメリット2.受講時間や場所が限られている場合がある
介護技術研修は、期間内に既定の時間以上の受講が必要であるものが多く、なかには時間帯や場所が固定されている場合もあります。
受講時間や場所は、研修を実施する機関や団体によって異なりますが、平日の昼間に開催されることが多いため、自分の勤務時間や通勤距離と合わない場合もあるでしょう。
自分のライフスタイルや都合に合うかどうか、事前に確認しておくことが大切です。
デメリット3.修了証だけでは資格取得には不十分である場合がある
研修を受講して終了証をもらうだけでは、資格取得できない場合もあります。
例えば、介護福祉士国家試験を受験するためには、実務経験2年以上や実務者研修の修了など、条件を満たす必要があるのです。
研修の内容や条件をしっかりと確認して、受講を申し込むようにしましょう。
介護技術研修を受講する前にチェックしておきたいポイント3つ
介護技術研修を受講する前に、自分の目的や目標、方法や条件などを確認しておくことが大切です。
以下の3つのポイントについて、受講前にしっかりと確認しておきましょう。
- 受講の目的や目標を明確にしているか
- 自分に合った方法での参加が可能か
- 学習時間が確保できるか
以下、ひとつずつ見ていきます。
ポイント1.受講の目的や目標を明確にしているか
受講の目的や目標を明確にしておくことで、自分に合った種類や内容の研修を選択できます。
介護技術研修を受講する目的や目標は、自分の学びたい内容やスキル、キャリアプランなどによってそれぞれ異なります。まずは自分がなぜこの研修を受けたいのかを明確にしておきましょう。
目的や目標が決まったら、紙に書いて目につくところに貼っておいたり、スマートフォンの待ち受けにしておいたりすると、モチベーションの維持に効果的です。
ポイント2.自分に合った方法での参加が可能か
受講時間や場所、費用や準備物など、自分に合っているかどうかを事前に調べておきましょう。
受講したい研修があっても、自宅から通うのが難しかったり、仕事や家の都合と合わなかったりする場合もあります。
研修によっては、受講期間が数ヵ月かかるものもあるため、無理なく学習を続けられるかどうかも確認しておきましょう。
ポイント3.学習時間が確保できるか
介護技術研修は、受講期間が数週間から数ヵ月になるものもあるため、学習時間を確保できるかを確認しておきましょう。
研修中は自分の仕事や家事などと両立しなければならない場合があります。自分のスケジュールや予定を見ながら、受講期間中は仕事や家事、子育ての負担を減らすなどの工夫も必要です。
実際にいつ学習できるか、毎日の生活や過ごし方を書き出して、取り組める時間を考えておくとよいでしょう。
介護技術研修の条件と申し込み方
介護技術研修の種類ごとに、参加条件と申し込み方法を紹介します。
生活援助従事者研修
生活援助従事者研修の受講条件は特に制限はなく、誰でも受講できます。
生活援助従事者研修は、各都道府県から指定を受けた事業者が開催しています。
事業者に直接申し込みをしましょう。
参考:「生活援助従事者研修の実施に関するガイドブック~介護人材の裾野の拡大と地域の 支え合い活動の推進に向けて~」(ガイドブック)
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の受講条件は特になく、誰でも受講できます。
都道府県知事の指定を受けた教育機関に直接申し込みましょう。
参考:日本ホームヘルパー協会「介護職員初任者研修 各県お問い合わせ先一覧」
参考記事:未経験から取得できる!介護の資格について 〜介護職員初任者研修 編〜
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修の受講条件は特になく、誰でも受講できます。
介護職員初任者研修を受けている人は、受講内容が一部共通しているため、受講科目や受講費が共通部分において免除されます。
都道府県知事の指定を受けた教育機関に直接申し込みましょう。
参考:実務者養成施設指定一覧
参考記事:【実務者研修資格】費用免除や無料受講する方法|取得メリットも紹介
認知症介護実践者研修
介護業務に5年以上の実務経験があり、認知症実践者研修を修了してから1年以上経っている人が受講できます。
市町村の担当部署に直接申し込みましょう。
参考:東京都福祉局「東京都認知症介護研修の概要」
参考記事:認知症介護実践者研修とは?メリットや内容が知りたい
同行援護従業者養成研修
条件については、お住まいの市町村のサイトや担当部署に確認してください。
実施している事業者に直接申し込みます。
参考:東京都福祉局
参考:厚生労働省「同行援護について」
参考:厚労省
行動援護従業者養成研修
条件については、お住まいの市町村のサイトや担当部署に確認してください。
実施している事業者に直接申し込みます。
自分の目的にあった研修を受けて、質の高いケアを提供しよう
介護技術研修について、基本情報・メリット・デメリット・受講前のチェックポイント・申し込み方法をお伝えしました。
研修を受講する前に目標を明確にし、自分に合った研修を受講していくことで、キャリアアップにもつながります。
介護技術研修で学んだ知識やスキル、資格を生かして、ご利用者様に喜んでいただけるような質の高いケアを提供していきましょう。
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