介護職への転職。未経験者が感じる5つの不安とは?

介護の仕事

未経験者が介護職への転職。感じる不安とは
未経験で介護職への転職を考える人はたくさんいます。心機一転したいとか、ようやく子育てが終わったので仕事をはじめたいとか、その背景はさまざまです。子供の頃はおじいちゃんが大好きだった、親がお年寄りの世話をするのを手伝ったことがある、人の世話をするのが好きだからなど、自分にも介護職はできそうな気がする。でも、 介護はとてもきつい、給料が安いなどという声を聞いたこともあるし。知らない仕事だから不安を感じるのは当然です。

不安を感じているその内実がわかれば、それほど心配することでもないとわかってきますし、不安を緩和する方法も見えてきます。まずは未経験で介護職への転職を検討している人たちが感じている不安をご紹介します。

40代、未経験でも介護職に就けるだろうか

40代、未経験でも介護職に就ける?
業績不振で営業職を続けるのが辛くなってきた。いっそのこと、まったく違う仕事に転職したいが、40歳過ぎからでも介護職に就けるのかな・・・。

40歳を過ぎてからの転職は間口が狭いと言われますし、専門職ですので経験がないと厳しいのではないかと思ってしまいますね。厚生省が発表している資料「介護労働の現状」をみると、介護職で働いている人の年代は、介護職では30代が24%でもっとも多く、2番目に多いのは40代の職員です。半数近くの職員が30〜40代で占められています。しかも、新規学卒が6.8%に対して、中途採用者は84.7%。こうした数字を見ると、40歳過ぎての転職でも不安を持つ必要はありませんね。

もうひとつ、厚生労働省が公表している「職業別一般職業紹介状況」によると、2017年10月の産業全体の有効求人倍率は約1.13倍であるのに対し、介護業界は約2.83倍と非常に高い数字です。さらに平成25年には、介護業界は37万人以上の人材が不足するという予想もされています。このように、介護業界はこれからますます多くの人材を求めているということ。たとえ未経験であっても、介護職で働きたいという気持ちがあるなら臆することなく取り組みましょう。

介護人材の確保について – 厚生労働省

実際の介護って、どんなことをする仕事なの

子供たちに手がかからなくなったので働きたいと考えていたら、ママ友から介護職をすすめられた。介護職が求められているという話はよく耳にするけれど、どんな仕事なのかわからない・・・。

介護職とは、老人ホームや介護施設などで、お年寄りの日常生活を支援する仕事。高齢になってもいきいきと毎日を過ごせるように身の回りのお世話をするのです。

介護を行う場所は、大きく分けてふたつ。施設のなかで行う施設介護と高齢者の家で行う訪問介護です。施設勤務の場合は、周囲のサポートや指導を受けながら介護できるので資格がなくても勤務できますが、訪問介護は一人での対応が必要ですので、介護職員初任者研修以上の資格が求められます。

もっと具体的な仕事内容を、施設のなかで行う介護の場合でみていきましょう。

施設に入っている高齢者は、筋力の衰えや障害、病気などで自分ひとりでは日常生活ができなくなっています。朝の着替えや洗顔、排泄、食事、服薬の介助にはじまり、日中は歌やぬり絵などの趣味やレクリエーション、体操や運動の指導や見守り、入浴の介助などを行います。24時間体制の介護入所型施設の場合、夜は交代勤務で詰所に待機して、トイレの要望や眠れないお年寄りへの対応、おむつの交換なども行います。

24時間体制の介護入所型の施設には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設、民間法人が運営する有料老人ホーム、認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)などがあります。24時間体制の施設以外にも、高齢者が日中のみ利用するデイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリテーション)、日帰りや宿泊、訪問介護など要望に応じて利用できる小規模多機能施設(小規模多機能型居宅介護)などがあります。

このように、施設のタイプによって介護の仕事内容や領域が少しずつ違うので、就職先がどのタイプの施設であるかをよく調べておけば後で戸惑うことも少なくなるでしょう。

夜勤や早朝、介護は仕事がきつそうで心配

介護の仕事は「きつい、汚い、危険」の3Kだと聞いたのだけど・・・。

勤務が不規則になりがちな夜勤や、重度介護者を受け入れている施設などでは、介護はきつい仕事であると感じている職員が多いことは否めません。また、身体介護には体力が必要だと感じている人や、給与面、人間関係などにきつさを感じている人もいるようです。ただし、仕事がきついかどうかは職場によって異なると考えておいた方が良いと思います。

勤務時間を気にするのなら、夜勤がないデイサービスやデイケアのみを行なっている職場を探してみましょう。また身体介護が苦手だというなら、比較的介護度が低い高齢者を対象としている養護老人ホームやケアハウス、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの施設を職場として求めると、体力的な不安は軽減されますよ。

介護の資格がなくても仕事につけるのかな

介護の資格を取るために勉強中
介護の勉強もしたことがなく資格を持っていないが、応募していいものだろうか。就職後は資格を取るべきなのだろうか・・・。

介護施設では経験や資格がなくても問題なく働けます。施設のなかでの掃除や片付け、洗濯、食事や入浴の介助など、基本的な生活援助は資格の有無に関係なくできる仕事です。資格が必要なのは、訪問介護と医療行為です。

ただし、資格を持っている方が待遇面では優遇されますので、働きながら資格を取得することをおすすめします。もちろん、待遇面だけでなく、仕事の幅も広がり、今後のキャリアアップにもつながっていきます。「介護職員実務者研修」の資格を取得し、現場で3年以上のキャリアを積めば「介護福祉士」といった国家資格にもチャレンジできます。

できればパートで介護職をしたいのだけれど

まだ小学生の子供がいるので、フルタイムで働くのは難しい。でも、将来に向けてとりあえずパートタイムからでも介護を学んでいきたいのだけど・・・。

介護を必要とする高齢者のために、介護施設の多くは24時間休みなく稼働しています。そのためにはさまざまな人員を時間別や仕事別に配置して対応しています。施設によってその形態はさまざまですが、昼間のみの勤務、夜勤専属、入浴介助専属など、可能な時間帯や、得意分野で働いているパートタイマーもいます。逆に、雇用側も正社員を雇うよりもパートタイマーの方が雇いやすいという一面もあります。

将来に向けてのキャリアアップも視野にあるというのであれば、まずはパートで働いて自分に合っているか確かめたり、パートで経験を積んで、より条件の良い正社員への道を探したりができるのもパートならではの働き方かもしれませんね。

不安を乗り越えれば、やりがいが手に入る

高齢者を乗せた車椅子を押す介護者
日本はすでに4人に1人が65歳を超えているという超高齢社会。これから介護を必要とするお年寄りがますます増え、介護職が求められます。厚生省も将来を予測して介護福祉職養成に力をそそぎ、重要な仕事と位置付けています。介護の仕事を目指しているあなたは、世の中から求められ、国からは支援されているようなもの。

未体験な世界に一歩踏み出すのは不安を感じてしまうものですが、誰しも同じような不安を感じています。“案ずるより産むが易し”ということわざのとおり、前に進んでみれば不安を感じることなどなかったと思えるはず。むしろやりがいのある仕事を手にできたことが、誇りに思えるようになるに違いありません。

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