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介護の一人夜勤は違法じゃない?安心して働ける夜勤に欠かせないもの

介護の仕事

夜間の施設廊下を歩く高齢女性と介助する女性介護士の後ろ姿

介護職の夜勤には、2交替制や3交替制、一人体制や複数体制などいくつか種類があります。そのなかでとくにスタッフの負担が大きいのが、2交替制の一人夜勤。2交替制では16時間の長時間勤務になるため、一人で乗り切るのはとても大変です。

今回のコラムでは、まず一人夜勤は違法ではないのか、また必要な休憩時間について詳しくご紹介していきます。さらに夜勤スタッフの負担を減らす方法や、少ないスタッフで利用者様の安全をどのように守るのかについても考えていきましょう。方法や介護で夜勤を行う人は、気持ちよく働くためにぜひ知っておいてくださいね。

介護の一人夜勤は違法ではない

結論からいうと、介護保険法に基づく人員配置基準を満たしていれば、一人夜勤は違法ではありません。利用者数が一定以下の介護施設では、介護または看護職員1名で夜勤を行うことが可能です。

《一人夜勤が可能な介護施設》※1
介護付き有料老人ホーム
特別養護老人ホーム(従来型)(入居者数25人以下)
特別養護老人ホーム(ユニット型)(2ユニット以下)
介護老人福祉施設(従来型)(利用者数40人以下で常時緊急時の連絡体制がある)
ショートステイ(利用者数25人以下)
グループホーム(1ユニット以下)

ただし人員配置基準を満たしていても、深夜割増賃金(22時~5時の深夜労働に対しては通常の25%増しの賃金となる)が支払われていない場合や、労働基準法で定められた休憩時間を確保できていない場合は違法になります。では休憩時間について、下記でさらに詳しくみていきましょう。

※1:「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」(厚生労働省)

法で定める休憩時間とは?

労働基準法第34条※2では、労働者の休憩時間は下記のように定められています。

  • 労働時間が6時間を超える場合・・・少なくとも45分の休憩を与えなくてはならない
  • 労働時間が8時間を超える場合・・・少なくとも1時間の休憩を与えなくてはならない
  • 休憩時間は、労働時間の途中に与えなければならず、業務の始めや終わりにつなげて与えることはできない
  • 休憩時間は、業務から離れて自由に過ごせる時間でなくてはならない。呼び出しがあればすぐ対応できるように義務づけている場合は、休憩時間とみなすことはできない

このほか、「休憩時間は一斉に与えなければならない」という規定もありますが、介護の場合は例外職種となるため適用されません。

雇用形態についてですが、正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなど、雇用形態における休憩時間の差はありません。どのような働き方であっても、労働時間に応じて45分or1時間以上の休憩時間を与える必要があります。

「労働時間が8時間を越えているのに休憩が1時間より少ない」「休憩中も仕事をしなくてはならない」といった場合は労働基準法違反となります。

※2「労働基準法」第34条

16時間夜勤は過重労働ではない?

2交替制夜勤の16時間勤務では「変形労働時間制※3」が適用され、1週間の労働時間は40時間以内に調整されます。この上限を守っていれば法律には違反せず、即過重労働になるわけではありません。ただ労働者の健康を守るため、16時間の夜勤では2時間以上の仮眠をとることが強く奨められています。

仮眠のためには業務から離れて静かにリラックスできる仮眠室があるかどうかも重要。仮眠場所の設置は、労働安全衛生規則第616条※4によって義務づけられており、勤務中の疲労回復に大きな効果が見込めます。

そのほか健康診断の適切な実施や相談窓口の設置、夜間緊急時の対応マニュアルの作成なども夜勤者の負担軽減に役立ちます。労働者が安全に働けるよう配慮することは企業の義務(安全配慮義務※5)であり、積極的にこれらの方策を取り入れていくことが求められます。

※3「労働基準法」第32条の2
※4「労働安全衛生規則」616条
※5「労働契約法のあらまし」P8(厚生労働省)

休憩できない一人夜勤は危険

一人夜勤では、休憩中であろうと呼び出しがあれば、他に頼める人がいないので自分が行くしかありません。体をしっかり休められないことが常態化している1人夜勤は違法です。

それだけでなく、休憩が足りない介護職員は腰痛などを発症したり、メンタルヘルスを害するリスクが増えたり、また集中力が途切れてミスや事故などトラブルの原因になることも考えられます。

さらに介護職員が一人の場合、利用者を介助中に別の利用者から緊急コールがあった場合、すぐに対応することができません。介護を受ける利用者側にもリスクをはらんでいるといえます。

すぐにとるべき対策は?

「対策」と書かれたボードを持つ手元

スタッフが自力でできることとしては、仕事が落ち着いている時間帯にずらして休憩をとったり、休めるときに分割して休憩をとったりすることが挙げられます。しかしそもそも業務量が多すぎるなど、自分の裁量で対応できる範囲を超えている場合、根本的な解決が必要。速やかに上司に報告・相談するようにしましょう。

その際にはどんな業務にどのくらい時間がかかっているか、休憩できなかった時間帯や、どのような状況で休憩できなかったかをメモしておくのがおすすめ。またけんか腰で訴えるのではなく、融和的な態度で相談するほうがスムーズな対応を引き出しやすいでしょう。

解決のための方法は?

【フリー夜勤者を配置】
休憩に入る時間帯にだけ応援に来てもらえるフリー夜勤者を配置すれば、休憩中のコール対応なども任せられるため、安心して休憩をとることができます。

【見守りセンサーなどのICT機器を導入】
夜間の巡回はそれだけで多くの時間を使い、夜勤者の負担となっています。センサーカメラやセンサーマットなどの機器を導入することで、訪室しなくても利用者の状態を把握できるので、大幅な負担軽減につなげることができます。

【夜勤の業務の見直し】
翌日の準備や前日の片付け、備品のチェックや整理など夜間でなくてもできる業務は、スタッフの多い日中に行うよう、業務分担を見直すのもひとつの方法。夜勤者の負担を減らし、休憩をとりやすくすることに役立ちます。

訴えても改善されないときは

上司や労務担当に相談をしても一向に改善されず、問題が放置されている場合は、労働基準監督署や労働局、法律事務所などに相談するのも選択肢。適切なアドバイスを受けられたり、事業所に対して指導が入ったりする可能性があります。

ただこうした方法は時間や労力がある程度かかるうえ、双方の主張が平行線となると根本的な解決に至らない可能性も。関わり合う時間がもったいないという人は、手っ取り早く転職してしまうのもひとつです。

一人夜勤であってもきちんと休憩がとれるよう、積極的に上記のような方法を取り入れている介護事業所や、3交替制・4交替制を採用している事業所、複数体制で夜勤を行う事業所もたくさんあるので、自分に合う職場を探してみると良いでしょう。

過酷な一人夜勤をガマンしない

介護職の一人夜勤は、介護保険法で定める人員配置基準を満たしていれば違法ではありません。しかし一人で多くの利用者様の命を預かる精神的・肉体的負担は相当なもの。

せめて休憩の間は応援スタッフが入るなど、安心して業務から離れて体を休められる配慮が必要です。それらが足りていない介護事業所は、早急に改善に向け具体的な行動を起こしていきましょう。

スタッフ側からも、改善のない職場で長く働くのは望ましいことではありません。体調に支障が出る前に、職場に要請したり転職活動を始めたりなど、前向きな行動を開始するのがおすすめ。

地域密着型の【かいごGarden】では、実際に介護施設に足を運んでリサーチしているため、夜勤の人員体制や導入機器、仮眠室などの職場環境も把握しています。「整った環境のもとで夜勤がしたい」という方は、ぜひ私達にご相談ください。あなたが安心して自分の力を発揮できる場所を、一緒に見つけていきましょう。

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