5類になった新型コロナ感染症。介護現場におけるマスクの重要性は?

介護の仕事

マスクをしているシニアと介護職員

新型コロナウイルス感染防止のため、介護現場では長らくマスク着用が必須となっていました。新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられた今も、医療や介護の現場においてはマスクが手放せないまま。

しかし世の中の警戒感が薄らぐことで、介護現場でのマスクの位置づけにも変化が出てきているようです。以下で詳しく見ていきましょう。

介護スタッフは継続してマスク着用を

マスクをして食事介助にあたる介護職員

2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類から5類に引き下げられました。これにより、政府から一律にマスク着用などの感染対策を求められることはなくなり、個人や事業主がそれぞれの状況に応じて判断することになります。

ただ厚生労働省の連絡によると、「高齢者施設等の従事者については勤務中のマスクの着用を推奨する」とのこと。重症化リスクの高い高齢者が集まるという介護施設の特性を考慮し、スタッフはマスクを着用することが望ましいとされています。

実際のところはどうかというと、実は新型コロナウイルス感染症が5類になったことで、逆にこれまで以上に警戒感を強めている介護関係者が多いのです。

もともと5類になっても新型コロナの感染力や重症化リスクが弱まるわけではなく高齢者にとって脅威であることは変わりありません。そのうえ新型コロナに対する世の中の警戒がゆるまり罹患する人が増えると、その分感染リスクが上がることが予想されます。

そうした理由から、一般の職場と違い、5類になったからと感染症対策をゆるめる方針の介護施設は少ないと考えられます。介護職員は勤務先の介護施設の方針に従い、感染症対策を継続するようにしましょう。
「マスク着用の考え方の見直し等(特に高齢者施設等における取扱い)について」令和5年2月15日(厚生労働省ホームページ)

状況に応じた判断を

マスク着用で会話する介護職員

ただし上記の事務連絡によれば、高齢者施設等で勤務中であっても、周囲に人がいなかったり、高齢者と接しない状況や、会話をしない状況であればマスクの着用は求めないことも考えられるとのこと。

高齢者施設だからどんな場合でもマスク着用というわけではなく、状況に応じて柔軟に判断していくことになります。たとえば一人で黙々と書類作業や消耗品のストック整理などをするような場面では、マスクを外しても良さそうです。

個人の判断に任せるとバラつきが生じるので、具体的にどのような場面でならマスクを外してもよいのか、職場で明確にルールを決めておきましょう。

罰則はなし

高齢者施設等においてはマスクの着用が推奨されていますが、もし着用しなくても国による罰則等は特にありません。とはいえ安易に感染症対策をゆるめて、その結果クラスターを発生させてしまえば取り返しがつかないことに。

マスクやアルコール消毒には一定の感染予防効果があることが分かっているので、高齢者施設では特別な理由がない限り、怠りなく継続していくことになるでしょう。

利用者様や訪問者もマスクを

マスク着用の介護職員と入居者

マスク推奨はスタッフだけではありません。利用者様や利用者様家族、出入りする業者など、介護施設を訪問する人もマスク着用が推奨されています。

5類になったことで懸念されている、一般社会と介護現場との間の意識のズレについては上でも少し触れました。普段マスクを着けなくなった利用者や訪問者が、いつもの感覚で介護現場に出入りすると大変なことになります。

介護施設を訪問する場合以外にも、利用者宅にホームヘルパーが訪問する際など、自宅内であってもヘルパーと接する人にはしっかりとマスクをしてもらう必要もあるでしょう。

職場や自宅でマスクをしなくなったとしても介護施設にはその感覚を持ち込まず、介護に関わるすべての人が高い意識を持って、感染症対策を継続していくことが必要とされています。

こちらのコラムも参考に≫「マスクをはずしてしまう高齢者への対応は?」

まだまだマスクは手放せない

感染症対策業務にあたる介護職員

最近は電車の中でも混んでいなければ、マスクをしていない人も増えてきました。少しずつ、街はコロナ以前の表情を取り戻しつつあります。

しかし重症化リスクのある高齢者が多く集まる介護施設では、引き続きスタッフはマスクを着用しての勤務となるでしょう。

マスクをしていると息苦しかったり、コミュニケーションしづらいという悩みはありますが、やはり感染症対策には欠かせない基本のアイテム。高齢者の命を守るため、油断することなく継続していきましょう。

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