介護職が年齢を問わず活躍できる3つの理由

介護の仕事

外を歩くミドル女性
「定年後も生きがいを持ち続けるため、第二の仕事を探したい」「今の仕事に限界を感じて」・・・様々な理由で、多くの方が年齢にとらわれることなく介護の仕事を始めています。

介護の仕事は前職が何であれ、社会経験が役立ち、重ねた年齢もプラスになることが多い職種。今回は、介護職の実際の年齢層や、年齢を問わず活躍しやすい理由、年齢を重ねていることのメリットをお伝えします。またトラブルを避けるために仕事上注意しておきたい点についてもふれています。

高齢化が進む現代において、介護職は高い将来性を約束されたお仕事。今からでもまったく遅くはありません。ぜひ手に職をつけ、自分自身の価値を高めていってくださいね。

介護職員の年齢構成

まずは介護職員の年齢構成について、現状をみていきましょう。厚生労働省の資料によると、男性では40代が最も多く、28.1%となっています。次いで60歳以上が27.7%、50代が19.4%と、50代以上が全体の半数近くを占めています。

女性介護職をみると、最も多い年代は50代で38.4%、60歳以上の方は27.0%となっています。こちらも全体の6割以上を50代以上が占めるという結果になり、男女ともに50代以上の方が、介護職として大いに活躍している現状がわかります。※1

さらに採用の状況をみると、中途採用が84.7%。8割以上の方が新卒ではなく、中途採用から介護職のキャリアを始めています。こうしたデータをみれば、50代や60代から介護職を始めるのも、決して珍しいことではないことがわかってきます。※2


資料出典:介護労働の現状(厚生労働省)
※1
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000482541.pdf
※2
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf

重ねた年齢がプラスに働く3つの理由

高齢者を支える介護職員

(1)仕事に人生経験が役立つ

老人ホームなどの介護施設で働く際には、あなたのこれまでの人生における人との関わり、その全てが役立ちます。それは、介護職が「人」を相手にする仕事だから。利用者様だけではなく、一緒に働くスタッフや看護職員などとの連携、利用者様のご家族とのやりとりなど、どんなときでも相手の気持ちを考えながら、冷静に行動することが欠かせません。

これには、社会経験の少ない若い方よりも、人生経験を積んできたシニアの方が有利な傾向にあります。たとえばずっと営業の仕事をしてきた方なら、相手の心を解きほぐして懐に入る話術が役立ちます。主婦の方なら、ご近所・親戚付き合いで培った気遣いや、子育て経験も活きるでしょう。相手の立場に合わせた柔軟な敬語の使い方などにも慣れているはずです。

人を不快にさせない接遇マナーが、苦労しなくてもすでに社会人として身についている点は大きなメリットとなります。

(2)利用者様と価値観が近く、気持ちが分かる

介護施設でサービスを利用されている方のボリュームゾーンは80代前後。働くシニアからすると、ご自身の親世代かもしれませんし、ときにはほぼ同年代だという方もいるかもしれません。

いずれにせよ利用者様の立場から見ると、孫やひ孫のような新卒の若い世代よりも、年齢は近いはず。趣味や幼い頃の思い出、家族のことや健康の悩みなど、様々な話題で共感しやすいのではないでしょうか。

介護の仕事では、利用者様との何気ない会話の積み重ねから信頼関係を築いていくので、共通の話題があることは大きなメリットといえるでしょう。

(3)若い世代と違う時間帯で働ける

20代、30代の働き手は、共働きをしていたり子育て中だったりすることが多いもの。小さな子どもを預けて働いている場合、働けるのは保育園が開いている朝から夕方までということがほとんどです。そんなときに活躍できるのが、時間に融通がきくシニア世代です。

たとえば介護施設の働き手が少なくなる早朝の時間帯、若い世代が出勤してくるまでの数時間、空いている時間を活かして働くことも可能です。体力的にフルタイムで働くことが難しくても、自分にできる範囲で働くことで、社会貢献をしながらしっかりお金も稼ぐことができたら嬉しいですよね。

シニアが介護職を始める際の注意点

シニア世代が介護職に挑戦する際の注意点は2つ。ひとつは体力的な問題です。頑張ればできるからと力に頼ったケアをしてしまうと、体に負担がかかります。するとあっという間に腰を痛めるなどの怪我につながってしまいます。せっかく楽しく介護の仕事ができていても、こうなると辞めざるをえなくなることも・・・。

急いでいるときも基本に忠実に、ボディメカニクスを使ったケアを心がけ、日頃から自分自身の体のメンテナンスを怠らないようにしましょう。

もうひとつは、自分より若い人に指導を受けることも多いため、その心づもりをしておくこと。介護はチームワークなので、スタッフ同士が互いに尊重し合いながら協力して仕事を進めることが欠かせません。年齢に関係なく誰からでも学ぼうという気持ちで、謙虚に耳を傾ける姿勢が必要です。

※ボディメカニクス:人間の筋肉や骨格に基づき、力学的関係を利用した介護技術。小さな力で体を支えたり、動かしたりできる

身につけた介護の知識は、人生で大いに役立つ

笑顔で触れ合う介護職員と高齢者
介護の仕事に携われば、介護全般についての幅広い基礎知識が身につきます。自分の親やパートナー、あるいは自分自身の身に何かが起こって介護が必要になったとき、その知識は非常に役立ちます。

とくに50代、60代の方にとっては、介護は近い将来必ず身近な問題になってくるはず。そのときに介護職の経験があれば、「こんなサービスがあるから利用しよう」「この悩みにはこのグッズが便利」と、解決策が頭に浮かびやすくなります。要介護者との関わり方も、プロとしての対応法を知っていることが大いに役立ちます。

介護の仕事はこの先、需要が増えることはあってもなくなることはありません。それは、AIやロボットでは代替できないことがあまりにも多いから。“高い将来性とやりがいがあり、身についた知識と技術が活用できる”それが介護の仕事です。自分自身が元気で健康なら、何歳からでもチャレンジできるので、何か手に職を付けたいと考えている方はぜひ検討してみてくださいね。

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