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小規模多機能の仕事はしんどい?主な理由や向いている人、転職のポイントとは

介護の仕事

「小規模多機能型居宅介護」の説明切り抜きと文字を見下ろす男性の人形(イメージ)

地域密着型の介護サービスの一種に「小規模多機能型居宅介護」があります。

「住み慣れた地域で自分らしく暮らしたい」という高齢者のニーズに貢献できるやりがいのある仕事といえますが、現場で働く職員からは「しんどい」という声もあります。

小規模多機能型居宅介護での仕事に興味を持っている方は、「なぜしんどいと言われているのか」「自分にとって向いている仕事なのか」と気になるのではないでしょうか。

この記事では、小規模多機能型居宅介護の仕事内容や「しんどい」と言われる主な理由、職員としての働きがい、転職活動に取り組むポイントについて解説します。

小規模多機能型居宅介護(小多機)とは

小規模多機能型居宅介護(小多機)とは、通い・訪問・宿泊といった3つの機能を組み合わせた複合的な介護サービスを提供する、地域密着型の事業所のことです。

多様な介護ニーズに柔軟に対応できることから、住み慣れた地域での生活を継続するための「地域包括ケアシステム」の中核を担うサービスとして位置づけられています。

要介護度が軽度の方から中重度の方まで、幅広い利用者に対して個別のケアプランに基づいた介護サービスを提供することが特徴です。

小規模多機能型居宅介護の仕事内容

小多機では、利用者の要介護度やその日のニーズに応じて必要な介護サービスを提供する仕組みとなっており、職員の仕事内容は多岐にわたります。

ここからは、3つのサービスと具体的な仕事内容を紹介します。

通い(デイサービス)

通いのサービスでは、利用者が日中に事業所に通って必要な支援を行います。

一般的なデイサービスと異なり、利用時間や提供するサービスは利用者一人ひとりに合わせて調整が行われます。「食事や入浴の介助のみ」「レクリエーションのみ」など、柔軟な対応を行います。

▼主な仕事内容

  • 食事の提供
  • 食事の介助
  • 排せつの介助
  • 入浴の介助
  • レクリエーションの企画・実施
  • 健康状態の観察・チェック
  • 個別機能訓練
  • 送迎 など

訪問(ホームヘルプ)

訪問サービスでは、自宅で自立した生活を送れるように、日常生活動作の介助に加えて生活面のサポートを実施します。

介助のための設備が整った施設内とは異なり、利用者の自宅環境に合わせた介助方法を検討する必要があります。

▼主な仕事内容

  • 食事の介助
  • 排せつの介助
  • 入浴の介助
  • 服薬介助
  • 健康状態の観察・チェック
  • 食事の調理
  • 部屋の掃除・ゴミ出し
  • 洗濯
  • 買い物の同行・代行 など

宿泊(ショートステイ)

宿泊サービスでは、夜間や就寝中に利用者が安全に過ごせるようにサポートを行います。

入所型の介護施設とは異なり、一時的な宿泊を想定しており、家族による介護負担の軽減や、施設入居前または退院直後の生活支援などが目的となっています。

▼主な仕事内容

  • 夕食の提供
  • 食事の介助
  • 排せつの介助
  • 入浴の介助
  • 就寝前・起床後の口腔ケアや整容
  • 就寝中の見守り
  • 送迎 など

小規模多機能型居宅介護の仕事が「しんどい」と言われる理由

小多機は、利用者・家族の多様な介護ニーズに対応する利便性の高いサービスといえる一方で、現場で働く職員には施設特有の苦労があります。なぜ「しんどい」という声が上がってしまうのか、現場の視点から5つの理由を解説します。

幅広い業務を覚える必要がある

1つの事業所で通い・訪問・宿泊といった3つのサービスを提供する小多機では、特定のサービスを提供する事業所と比べて覚えなければならない業務の範囲が広くなります。

質の高いサービスを提供するには、幅広い業務の知識・技術が求められるため、未経験者はもちろん、介護経験者であっても仕事を覚えるのに苦労しやすくなります。

少人数体制のため業務負担が増えやすい

地域密着型サービスに当たる小多機は、利用者の登録定員が最大29名と小規模で運営されています。職員の配置人数も必然的に少なくなるため、一人ひとりが担う業務の負担が増えやすくなります。

また、利用者の体調変化や家族の都合などによって、急な訪問や宿泊サービスの提供にも対応しなければならず、業務負担の増加を招くことも少なくありません。現場の職員が欠勤した場合には、ほかの職員の長時間労働につながることもあります。

訪問や夜間対応は精神的な負担を感じやすい

少人数体制で運営する小多機では、訪問介護や夜間の見守り業務を一人の職員で担当することも珍しくありません。

チーム体制で運営する訪問介護ステーションや入所型の介護施設とは異なり、「緊急時の判断」や「不測の事態への措置」を自分一人の判断で対応しなければならないため、精神的なストレスを感じやすくなります。

勤務時間が変則的になりやすい

小多機は、24時間365日にわたってサービスを提供することが基本です。職員は早番・日勤・遅番・夜勤といった交代制のシフトで働くため、勤務時間が変則的になります。

また、急な訪問・宿泊対応が発生すると残業が必要になったり、休憩時間が十分に取れなかったりすることもあります。

このような不規則な勤務によって生活リズムが乱れることにより、身体的・精神的な疲労を招き、働くことが「しんどい」と感じてしまう職員も少なくありません。

記録・情報共有による事務の負担が大きい

利用者への介護サービスの提供に加えて、事務作業の負担が大きいことも小多機が「しんどい」と言われる理由の一つです。

1つの事業所で3つの介護サービスを切り替えて提供するため、通い・訪問・宿泊といったそれぞれの介護記録を作成する必要があります。また、サービスの切り替えに関する手続きや職員間の申し送りも必要になり、現場の負担を増加させる要因となっています。

小規模多機能型居宅介護の職員としての働きがい

小多機での仕事は大変といわれていますが、複合的なサービスを提供する事業所ならではのやりがいもあります。ここからは、職員の働きがいについて紹介します。

多様なスキルを身につけられる

小多機で働くことによって、通い・訪問・宿泊サービスの提供に必要な幅広い介護スキルを身につけられます。

利用者のニーズに柔軟に対応する必要があるため、さまざまな場面で経験を積むことで判断力やコミュニケーション力、問題解決力、アセスメント能力なども磨かれていきます。

小多機での仕事を通じて習得したマルチスキルは、サービス形態が異なる介護現場でも役立つ武器となるため、将来的にキャリアアップを目指すことも可能です。

利用者や家族と深い信頼関係を築ける

登録定員が少なく、同じ職員がすべてのサービスを担当する小多機では、利用者やそのご家族の生活に密接にかかわることができます。

自宅と施設の両方で生活を支援するシームレスな介護サービスを通じて、一人ひとりの利用者と深い信頼関係を築けることは、小多機ならではの魅力です。

また、「あなたがいるから安心」「ここまで見てくれてありがとう」という深い感謝の言葉をいただける機会も多く、大きな喜びと達成感につながります。

地域包括ケアに貢献できる

小多機は、高齢者が住み慣れた地域で生活できるようにサポートする「地域包括ケアシステム」の中核を担う事業所です。

利用者の要介護度や家庭の状況などが変わっても、ニーズに合わせて介護サービスを途切れることなく提供することにより、地域包括ケアを担う存在として社会に貢献できます。

地域で暮らす高齢者を支える役割を担うことは、介護職員としての誇りとなるはずです。

一体感のあるチーム・職場で働ける

少人数体制で運営する事業所だからこそ、職員間の密な連携や業務での協力が不可欠です。

お互いのスキルや知見を活用しながら業務に取り組むことにより、チームの一体感が生まれ、仕事のモチベーションややりがいにつながります。

また、アットホームな環境で働けることや、職員同士の距離が近く絆が深まりやすいことも小多機のやりがいにつながっています。

小規模多機能型居宅介護の職員に向いている人

どのような人が小多機での仕事に向いているのでしょうか。小多機の仕事にやりがいを感じ、いきいきと働ける人の特徴には、以下が挙げられます。

□利用者一人ひとりとじっくり向き合いたい

通い・訪問・宿泊といった包括的な介護サービスを通じて一人の生活を支える仕事のため、利用者と深い関係性を築きたい人に適しています。

□介護職の経験がある

介護現場での職業経験がある人は、マルチスキルが求められる環境でも即戦力として自信をもって働くことができ、仕事に早く慣れやすいといえます。

□状況に応じた臨機応変な対応ができる

想定外の出来事に対して的確な対応策を打ち出したり、優先順位を決めて対処したりすることが得意な人は、小多機での仕事にもその能力を活かすことができます。

□アットホームな施設で働きたい

大規模な介護事業所よりも、家庭的で和やかな雰囲気に居心地のよさを感じる人や、少人数体制で職員同士や利用者との距離が近い環境で働きたい人に向いています。

□働くうえでチームワークを重視する

小多機では少人数体制での密な連携が求められるため、一人で集中して作業するよりもチームで協力しながら物事を進めるのが好きな人に適しています。

□多様なスキルを身につけて将来的にキャリアアップしたい

3つの分野のサービスに関する業務を経験できるため、将来的に管理職に就きたい方や専門職へのキャリアチェンジを目指す方にとって適している事業所といえます。

小規模多機能型居宅介護への転職を成功させるポイント

小多機への転職を成功させるには、一定の知識・技術を身につけておくとともに、自分に合った事業所を見極めることが重要です。

押さえておきたいポイントには、以下の3つが挙げられます。

資格を取得する

小多機への転職に資格は必須ではありませんが、介護に関する資格を取得することで自分の介護スキルを客観的に証明することが可能です。

通い・訪問・宿泊といった幅広い介護の知識・技術が求められるため、資格を取得しておくほうが選考で有利に働きます。なかでも未経験の方が取得しておくとよい代表的な資格に「介護職員初任者研修」があります。

②ケア方針に共感できる施設を選ぶ

施設の規模が小さく、利用者・家族との距離が近い地域密着型の小多機では、施設長の考え方や運営理念が現場の雰囲気に強く反映されます。

介護に対する考えや大切にしていることが合わない場合には、入社後に施設に対する不満が生じたり、職員同士の対立を招いたりする可能性があります。

事業所が「どのような理念を持っているか」「どのようなことにこだわっているか」など、ケア方針を事前に確認して共感できる施設を選ぶようにしましょう。

③入社前に職場の業務体制や雰囲気を確認しておく

小多機は、事業所によって特色が異なります。入社後のミスマッチを防ぐためには、職場の業務体制や雰囲気などを事前に確認しておく必要があります。

▼確認しておくこと

  • 一日の業務の流れ
  • 業務や情報共有でのICTの活用状況
  • 残業の実態 など

また、少人数の職員で運営することから、職場の人間関係も働きやすさに直結します。面接の際に職場見学をお願いして、職員間の挨拶や利用者への言葉遣いなど、実際の雰囲気を見ておくと安心です。

小規模多機能型居宅介護でキャリアを磨こう

笑顔の女性介護士

小多機は、利用者の多様なニーズに対応して、住み慣れた地域での自立した生活を支え続けるやりがいのある仕事です。業務で覚えることも多く変則的な勤務もありますが、仕事を通じて培ったマルチスキルや多角的な視点は、介護職としての価値を大きく高めてくれます。

幅広い分野の介護知識・技術を身につけてスキルアップを図りたい方や、小多機での経験を積んで専門職や管理職でのキャリアアップを目指す方は、小多機での仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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