介護施設で行う高齢者向けレクリエーションは、ただ楽しむだけが目的ではありません。コミュニケーションの活性化、脳や使っていない筋肉の刺激、発声を促すことなど、たくさんの意図があります。
レクリエーションの企画はこれらを意識しながらネタを探し準備をするのですから、思いつきだけで進められるものではありません。そんな時に役立つのが企画書や計画書といった、決まったフォーマットです。
決めるべきことや考えるべきことがすでに項目になっているので、これを埋めていくことで誰でも企画を作りやすくなりますし、スタッフ間のノウハウの共有にも役立ちます。上司や先輩にチェックしてもらう際にも、フォーマットが揃っていると見てもらいやすくなりますね。
今回はレクリエーションの企画書(計画書)のフォーマットと、書き方のポイントをご紹介します。ぜひダウンロードして使ってみてくださいね。
企画書の書き方、ポイントは?
まず、高齢者向けレクリエーション企画書の書き方を、順を追って見てみましょう。
(1) レクリエーションの内容を決める
高齢者向けのレクリエーションは、脳トレ系、体を動かす系、コミュニケーションを深める系など、その目的からいくつかの系統に分かれます。参加予定者のケアプラン、アセスメントシート等も参考にしつつ、目的を決めて選んでいきましょう。
そのほか、所要時間や参加人数が決まっている場合は、そちらから選んでもOK。アイデア本の内容や、今までに行ってきたレクリエーションの前例などが参考になります。
(2) フォーマットを埋めていく
レクリエーションのタイトル、実施予定日時や所要時間、対象者、レクリエーションのねらい、準備物、注意事項は欠かせない項目です。できるだけ具体的に書き込むようにしましょう。
さらに、できれば参加予定者のからだの状態や趣味・経歴などがわかるリストを付けておくと安心。レクリエーションの進行の際に、「さすが、元卓球部はボール感覚がいいですね!」「○○さん!カラオケで鍛えたリズム感が生かされてますね」など、ちょっとした一言があると、場の雰囲気もぐっと盛り上がります。
レクリエーション企画書の記入例とテンプレート
必要項目を盛り込んだレクリエーション企画書の記入例を見てみましょう。会場の配置図を入れることもポイントになります。
文章が長くなりそうなときは、箇条書きで書くようにするのがおすすめですよ。
レクリエーション企画書の文例
フォーマットを埋めていく際に、一番迷いやすい項目が「目的・効果・ねらい」といった部分です。とくに、「お誕生日会」、「ひな祭り」や「七夕」など、行事系のレクリエーションではどのように書くべきか困ってしまうという声も多く聞かれます。下記に文例を紹介していきましょう。
【季節行事系レクリエーション:「目的」「効果」の文例】
- (一緒に作業する、スキンシップをとるなどで)参加者同士の絆を深める、一体感を得る
- (参加者同士が楽しい時間を共有することで)協調性を深める
- (仲間から祝ってもらう、頼りにされることで)自尊心を高める
- (季節を感じることで)脳を刺激し、昔の記憶を思い出してもらう
- (祭りの飾り付けをすることで)目的意識を持ち、ワクワク感を感じてもらう
「あの方に、こんな風にレクリエーションを楽しんでもらえたら」と、利用者さんの顔を思い浮かべながら書くと、筆が進みやすくなりますよ。
省力化で負担を減らし、レクリエーションを楽しもう
介護施設におけるレクリエーションは、アイデア探しから進行、振り返りまで、プロセスや注意すべきことも多くて大変です。けれどスタッフがいっぱいいっぱいになってしまっていては、レクリエーションも盛り上がりませんよね。
せめて省力化できるところは省力化して、少しでも負担を減らしていきましょう。必要項目を盛り込んだフォーマットがあれば、介護職初心者さんも作成のハードルが低くなります。
レクリエーションを提供するスタッフ側が率先して楽しむことができるよう、あなたの施設でもぜひ、活用してみてくださいね。