体位変換は介護の基本、コツを知れば負担は軽く

使えるハウツー

体位交換は2時間毎が目安体位変換は床ずれの予防策として有効で、2時間に1回を目安に行うのが良いとされています。無理のない介護を続けるために、体位変換の基本をしっかりおさえておきましょう。

体位変換は介護の基本

体位変換は介護を行う上でとても大切な動作です。体位変換の基本的な考え方を知ると知らないとでは、介護をする人・される人双方の体の負担が大きく異なってきます。腰痛になると、介護職を辞める原因ともなります。介護職を楽しく長く続けるために、体に無理のない体位変換を覚えましょう。是非、今一度基本をおさらいしてみてください。

体位を変えるときの準備

安全を確保する

周囲に邪魔な物がないか確認し、あれば片付けておきます。

利用者の体の状態を確認する

高齢者は、体のどこかに痛みがあったり、マヒがあったりする場合があります。事前に体の状態を確認しておきましょう。

体位変換の基本的な考え方

利用者の内力(自ら行う力)を利用する

体位変換の際は声をかけ、利用者にも可能な範囲で協力してもらいます。本人の力を活かした介護を行うことで、介護者にとっても利用者にとっても負担が少なくなります。また、利用者の方も、「自分はまだできるんだ!」と思っていただき、自分でできることは自分でやっていただくこと、これも大事な介護の基本です。

介助の基本は「押す」のではなく「引く」

たとえば、横向きにする場合は、利用者の肩を押して背中を向かせるのではなく、横向きにしたときに顔が向く方の側に回って、膝と肩に手をかけて引くようにします。後ほど詳しく説明します。

接地面積の縮小を意識する

寝たきりの場合、利用者の体か、敷布団やベッドマットについている面積が大きくなります。接地面積が多いほど、体と寝具の間で摩擦が生じるため、動かす際に大きな力が必要となります。体位変換の際は、動かす前の段階で接地面積をできるだけ小さくしておきましょう。

ボディメカニクスを意識する

力学的原理を利用し、小さな力で大きな力を生み出す介護技術です。介護者・利用者双方にとって負担が少ない介助が可能です。

介助する際は、両足を広げ、基底面積を広くとります。腰を落として重心を低く構え、利用者になるべく近付いて介助することを意識します。

体位変換や保持に役立つグッズを活用する

グッズを活用することで、体が重い利用者の方も介助しやすくなります。要介護2以上の場合、一部の体位交換器についてはレンタルも可能なので、一度ご家族やケアマネジャーと相談して試してみてはいかがでしょうか。

グッズのレンタルや使用方法はこちらのサイトが参考になります!「福祉用具貸与(レンタル)とは 特徴と活用方法

体位交換の基本動作

1108_cross仰向けに寝た状態の仰臥位(ぎょうがい)から、横向きに寝た状態の側臥位(そくがい)に体位を変える際の方法です。

  • 利用者に声をかけます。名前を呼び、挨拶をしてコミュニケーションをとるとともに、体の状態を確認します。また、これから体を動かすという心構えをしてもらいます。
  • 介護者の横に立ち、介護者の頭を、介護者の立っている側に向けます。
  • 腕を胸の上で交差させて組みます。
  • 足を片足ずつ立てます。その後、臀部(おしり)にかかとを近づけます。
  • 利用者のへその延長線上に、介護者のへそが来るように立ちます。
  • 奥側(自分が立っているのとは反対側)の膝の横と、奥の肩甲骨に手をかけます。最初に膝、次に肩の順でゆっくりと引き起こします。
  • 体が横向きになったら、頭を支えて少し浮かし、枕の位置を整えます。
  • このままでは膝が曲がったままなので、上側の足を前に出し、姿勢を安定させます。
  • 終わったら一言声をかけましょう。

体位変換は動画で見た方がわかりやすいので、動画サイトもご紹介します。

体位変換 (01) 全介助 「仰臥位から側臥位への体位変換(介護技術の動画)」をご参考ください。
YouTubeには、このほかにも様々な体位変換や介助に関する動画がありますので、いろいろ見て研究されることをおススメします。

まとめ

1108_taiken体位変換は、実際にやってみて慣れるのが一番です。介護の仕事が初めてで、自分にできるか不安な方は、「介護職員初任者研修」を受けてはいかがでしょう? これは初心者が対象の資格で、実技実習において、実際に体を動かしながら、体位変換をはじめとするさまざまな介護技術を習得できます。
「介護職員初任者研修」の資格については、かいごGarden noteでもご紹介しています。ご興味のある方はぜひこちらのページもご参考ください。

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