ボールで楽しく体力作り!高齢者レクリエーション6選

使えるハウツー

ボールを受け渡しする介護スタッフと高齢者
コロコロ転がる、ポーンと弾む・・・さまざまな動きをするボールは、ただ触っているだけでも楽しいもの。そんなボールを使ったレクリエーションは、老人ホームやデイサービスなどの介護施設でも最適。適度に体を動かすことで、気持ちがほぐれ、笑顔も出やすい点がメリットです。

今回は、競わず自分のペースでできるボール遊びと、チームで競い合うゲーム形式に分けて、6種類のレクリエーションをご紹介します。

また、ひとくちに「ボール」といってもいろいろな種類があります。後半では、それぞれの特徴と使い方についてもお伝えしますので、ぜひレクリエーションの計画に役立ててくださいね。

ボール遊び2選

ボールを使ってレクリエーションが行われている様子
対戦型ではないので勝ち負けがなく、和気あいあいと楽しめるのが良いところ。参加者同士の協調性を育むことにも役立ちます。

●みんなでボールつき
使うのは軽くて扱いやすいキャンディボール。参加者に円になって座ってもらい、円の中心でまずレクリーダーがボールをつきます。回数を決めておき、5回なら5回目についたときに、かけ声と共にワンバウンドで1番目の人にパスします。パスされた人はそのまま5回ボールをつき、ワンバウンドでリーダーに返します。

リーダーは1回目と同じ要領でまた5回ボールをつき、2番目の人にワンバウンドでパスします。パスされた人はそのまま5回ボールをついて、またリーダーに返します。この繰り返しで、全員とボールつきをします。

ボールをつくときは手のひらを内出血しないよう、手全体で押し出すようにしてください。慣れてきたら、リーダーに返球せず、参加者同士で直接パスを回していくやり方にも挑戦してみましょう。さらに慣れてきたら、椅子の間隔を開けたり、ボールをつく回数を増やしたりして難易度を調節してみてくださいね。

●ワンバウンド・キャッチボール
二人一組で向かい合って座り、ワンバウンドでキャッチボールをしてもらう遊びです。お互いの間は3~4メートルほど空けるとよいでしょう。中型のバランスボールやキャンディボールなど、軽くて柔らかいボールから始めるのがおすすめです。体力のある人同士なら、バレーボールやバスケットボールを使うと、重みがあっていい運動になります。

注意点は、必ずワンバウンドにすること。気がそれている人には、投げる前に名前を呼んで注意を引いてから投げてもらいましょう。相手が受け取りやすいようにボールを投げ、それを受け取るという単純な動作ですが、これが心と心のキャッチボールにつながり、参加者同士のコミュニケーションに役立ちます。

ボールを使った対戦型ゲーム4選

みんなで盛り上がりたいときにおすすめの、ボールを使った対戦型ゲームをご紹介します。力の弱い方、認知症の方など、うまくできない人は難易度を調整したり、スタッフがサポートしましょう。

●大玉転がしでリングを通せ!
使うのは中型バランスボール。これを転がして、3~5メートル先に設置したフラフープの輪の中を通します。フラフープは組み立て式のものを使うと、サイズ調整が簡単です。安定感のある椅子にゴムバンドなどで固定すると良いでしょう。

一人3回チャレンジして、うまく通った回数が自分のチームの得点に。立った状態でも座った状態でも、夢中になって楽しめるゲームです。

●パターゴルフ
長柄ちりとり(箱などでも可)をカップに見立てたバターゴルフで、カップインを狙うゲーム。床にビニールテープなどでスタートラインをひき、5~10メートルほど離してちりとりを設置します。一人5回チャレンジして、カップインした回数がチームの得点に。

パターとボールは本物を使用することで、ゴルフ経験者の方にも大好評!男女問わず人気の高いボールゲームです。

●足を使ってボール送り
新聞紙2枚をまるめたボールを、両足で挟んで隣の人に送っていくゲームです。まず参加者を2つのチームに分け、それぞれ円になって座ってもらいます。スタートの合図で新聞紙ボールを順に送っていきますが、一人目が送っているときに「いーち」、二人目は「にーい」、三人目は「さーん」という具合に、みんなで送った人数を数えながら回していきます。終了の合図のときに、より多くの人に回していたチームの勝ちです!

●ピンポン玉送り
参加者は2つのチームに分かれ、それぞれ円になって座ってもらいます。全員に紙コップを渡したら準備OK。スタートの合図で、紙コップから紙コップへと、ひとつのピンポン玉を送っていくゲームです。こちらも送った人数をみんなで数えながらおこないましょう。終了の合図までに、より多くの人に回していたチームが勝ち。紙コップをお玉やレンゲに変えると難易度がアップ!

ボールの種類と特性について

バランスボール
介護現場で使うには、軽くて柔らかいボールがおすすめです。よく使われるのは、バランスボールやキャンディボール、ビーチボールなど。そのほか、テニスボールやゴルフボール、ピンポン玉などを使うこともあります。

バランスボールは弾力性があってゆるやかに弾むのが特徴。強度もあるので、バランスボールに乗って、お尻でバウンドするような運動もできます(椅子などつかまることができるものを両脇に用意したり、サポートする人を確保し、転倒に十分注意しておこなってください)。小型から大型までありますが、中型(直径50~60センチ程度)サイズが使いやすくておすすめです。

キャンディボールはビニールなどでできていて、軽く滑りにくいのが特徴です。よく弾むので、キャッチボールやボールつきに最適。そのほかにもボールを持ってストレッチしたり、ぎゅっと押しつぶしたりすれば筋トレにも応用できます。価格も安めなので、いくつか色違いで用意しておくと良いでしょう。

ビーチボールも介護施設でのレクリエーションでよく使われるボールです。空気をパンパンに入れるとよく跳ね、少し抜いておくとあまり跳ねません。レクの内容に合わせて、調節して使いましょう。直径50センチ前後のサイズがあると、座っておこなうサッカーやドッジボールなどに活用しやすいですよ。

レクの前には、参加するメンバーの体格や状態に合わせて選べるように、いくつかボールを準備しておきましょう。たとえば片麻痺の人が使うなら、キャンディボールや、少し空気を抜いたビーチボールがおすすめ。どちらも滑りにくく、片手でつかむことができます。

このほか、新聞紙などを丸めてつくるお手製ボールも登場頻度が高いもの。費用がかからず、軽くて扱いやすいのがメリットです。ボールをつくる段階から、レクとして楽しんでしまうのもいいですね。

脳と体の両方を、楽しく鍛えるボール遊び

施設の利用者がレクリエーションをしている様子
レクの小道具にはいろいろなものがありますが、なかでもボールは飛んだり跳ねたり、ぎゅっと押せば形を変えるなど、さまざまな楽しい動きをします。自分の働きかけしだいで多様な動きをするボールは、高齢者の脳にとってすばらしい刺激。楽しく続けることで、認知症対策にも役立ちます。

また、ただボールをつく、キャッチするといった単純な動作であっても、全身の筋力、握力、動体視力や反射神経など、さまざまな運動・感覚が総動員されています。

楽しみながら、脳と体の両方をほどよく刺激できるボール遊びは、高齢者にとってメリットがいっぱい!ぜひ毎日のレクリエーションに取り入れてみてくださいね。

参考文献:「完全図解 遊びリテーション大全集」 監修者:三好春樹 編著者:土居新幸

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