「介護事務管理士®」ってどんな資格?魅力と取得方法、難易度をチェック

資格・スキル

パソコンを入力する看護職員

「介護事務管理士®」は、介護報酬請求の知識とスキルを身につけられる民間資格のひとつ。介護報酬請求とは、提供した介護サービスの報酬を計算・請求する業務のことで、介護サービスを提供する施設では必須となるお仕事です。

介護事務職の求人ではとくに資格を求められないことがほとんどですが、応募者が多い場合はやはり有資格者が有利。そこで今回はこちらの資格の取り方、かかる費用や難易度についてご紹介していきましょう。

後半では介護事務に関するほかの人気資格についてもご紹介しますので、お仕事に役立つ資格を取りたいとお考えの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

介護事務管理士®とは

パソコンに数値を入力する介護職員

「介護事務管理士®」は、レセプト(介護給付費明細書)を作成するために必要なスキルと知識、また介護保険制度や介護用語などの専門知識を身につけていることを証明できる資格です。技能認定振興協会(JSMA)という団体が認定する民間資格となっています。

受験科目は実技試験と学科試験の2科目で、月に1回、年12回実施。申し込みをすると受験日の3日前頃に試験問題が自宅に届き、自宅で答案を作成して、提出期限までにポストに投函するという形で行われます。

実技試験では、全6問中2問を選択してレセプトを点検し、学科試験では10問の問題をマークシート形式で解答。答案作成時にはテキストやノート、計算機を使用してOKなので、丸暗記が必要ない点はうれしいですね。受験するための資格はとくになく、どなたでも受験することが可能です。

JSMA技能認定振興協会ホームページ

かかる費用は?難易度は?

過去問題を解く女性

講座に通わず独学で挑戦する場合は、問題集の費用+受験料5,500円程度と、それほど費用をかけずにチャレンジすることが可能。すでに介護職や請求業務の経験があるなど一定の予備知識がある人におすすめの方法です。ただ介護報酬は3年ごとに改正されるので、最新のテキストを使用するようにしましょう。

介護事務管理士®試験対策問題集(ソラスト教育サービスホームページ)

まったく介護事務についての知識や経験がない場合、専門用語が多く介護保険の仕組みも複雑ですので、テキストだけで理解するのは難しいことも。

通信講座を利用すると、動画での説明やwebテスト、講師への質問メールなどのサービスが利用でき、難しい内容も理解しやすくなります。その場合は講座費用として35,000円程度を見込んでおきましょう。

介護事務講座(ソラスト教育サービスホームページ)

直近1年間の合格率をみると、だいたい70%~85%程度と多くの人が合格できており、難易度はそれほど高いわけではありません。それでもポイントを自分なりにノートにまとめる、問題集をやりこむといった地道な努力は必要となるでしょう。

※参照:介護事務管理士®合格率(JSMA技能認定振興協会HP)

学習期間はどれくらい?

資格勉強を行う女性

独学の場合、毎日30分~1時間ほど時間をとって勉強できれば、3~4ヵ月程度で十分合格を目指せる力がつくでしょう。試験対策問題集をやりこんで問題に慣れておくことがポイントです。

通信講座を利用した場合、集中的に勉強すれば最短1ヵ月で学習可能。平均的な学習期間は4ヵ月程度となっています。効率的に勉強したい方はチェックしてみてくださいね。

活躍の場は?

この資格を取得すると、ケアプランの内容をきちんと理解し、正確に介護報酬を計算する知識とスキルが身につきます。これを活かして訪問介護・看護事業所などの訪問系サービス事業所、デイサービスやグループホーム、特別養護老人ホームや老人保健施設などの施設系サービス事業所など、介護サービスを提供している施設で活躍することができます。

居宅介護支援事業所でケアプランの入力業務をするなどケアマネジャーの業務をサポートすることもできますし、国保連合会や保険請求審査機関でレセプト内容の審査、確認といった業務で活躍することもできます。

そのほか介護ソフトの開発会社でシステム構築やメンテナンスといった仕事に活かすことも可能。幅広い業界から活躍の場を選ぶことができるのが魅力です。

ケアクラーク®との違いもチェック

少し悩みながらパソコンを扱う看護職員

「介護事務管理士®」以外でメジャーな介護事務の資格としては「ケアクラーク®」があります。介護事務職としての技能を備えていることを証明するもので、一般財団法人日本医療教育財団が認定する民間資格となっています。

ケアクラーク技能認定試験(ケアクラーク®)(一般財団法人日本医療教育財団HP)

受験資格はとくになく誰でも受験でき、受験料は6,900円となっています。合格率もだいたい70%程度で、介護事務管理士®と大きな差はありません。

介護事務管理士®と異なる点は、介護報酬請求業務以外にもコミュニケーション技術や福祉、医学、介護やリハビリの知識など、介護に関する幅広い知識が問われるところ。

介護請求事務に特化して、専門知識をしっかり身につけたい方は「介護事務管理士®」、介護請求事務以外にも受付業務や直接介護など、幅広い業務に役立てたい方は「ケアクラーク®」と、自分のやりたいことに合わせて目指してみてはいかがでしょうか。

自信と誇りを持って仕事に取り組める

介護事務の求人は資格を持っていなくても応募できるものがほとんどですが、もちろん資格があればそれに越したことはありません。

資格を持たないまま介護報酬請求の仕事をしている人も、きちんと系統立てて学ぶことで、「そうだったのか!」と新たに気付くことも多いでしょう。

ただ介護ソフトに従ってボタンを押すだけより、前後のつながりや数字の意味を知っている方が、仕事の質とやりがい、楽しさがグンとアップするはず。何より自信と誇りを持って仕事に取り組むことができます。興味を持たれた方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

この記事をシェア

  • Twitter
  • facebook
  • LINE

週間人気ランキング

かいごGarden noteとは?

かいごGarden noteは、介護の求人サービス「かいごGarden」が運営する介護の情報サイトです。
介護のお役立ち情報や、介護の仕事のお悩み情報などを掲載しています。