認知症の介護に役立つ資格は?代表的な7つをご紹介

資格・スキル

高齢者のお悩みを聞く介護士

認知症の介護には、症状に対する正しい知識と理解が必須です。それを身につけていることを表すには、口で「認知症ケアができます」と言うより、「○○の資格を持っています」「○○研修を修了しています」というほうが説得力があるもの。また、仕事ではなく家族や身近な人のために身につけたい場合であっても、資格を取ることは、合格というゴールに向けて体系立てて勉強できるという大きなメリットがあります。

とはいえ、いざ資格を取得しようと思うと、たくさんあるなかでどれを選ぶべきか迷ってしまいますね。今回は民間資格から公的研修まで、代表的なものを7つご紹介します。それぞれの資格の特徴をしっかり確認し、自分の目的に合うものを選んでくださいね。

認知症ケアに関する民間資格

お買い物に付き添う介護士

まずは民間資格から、認知症ケアに関する資格をご紹介していきます。知名度が高い資格は職場でも評価されやすいので、介護の仕事に活かしたい場合は、その点にも注目してみてくださいね。

●認知症ケア専門士

認知症介護のプロ向けに設けられており、認知症ケア関連ではもっともメジャーな民間資格。有資格者は全国に31,000人以上(2016年8月時点)となっています。例年合格率はおおよそ50%前後と、難易度はやや高めの資格です。

この資格は、5年ごとに更新する必要があり、この間にセミナーや学会に参加するなどして、必要な単位数を取得しなければなりません。資格を維持するのは大変ですが、その代わり最新の情報に触れていられるので、持っている知識が古くなってしまい、現場に活かせないといった心配がありません。介護業界では信頼性の高い資格となっています。

受験資格として3年以上の実務経験が必要ですが、実務経験がない人向けに「認知症ケア准専門士」、上位資格として「認知症ケア上級専門士」という資格も設けられています。「一般社団法人 日本認知症ケア学会」が認定しています。

●認知症ケア指導管理士

介護施設や医療現場などで働くプロに向けた資格ですが、実務経験がなくても受験が可能です。合格率はだいたい60%程度で、難易度はやや低め。有資格者の数を認知症ケア専門士と比較すると、現在のところ認知症ケア指導管理士の方が少なく、ややマイナーな資格となっています。

更新の頻度は2年に1回で、このとき再試験や講習などはありません。ただし、任意で参加できるキャリアアップセミナーが定期的に開催されているのは魅力です。「一般社団法人総合ケア推進協議会」が認定しています。

●認知症ライフパートナー

認知症の方とのコミュニケーション方法やアクティビティの知識などを身につけ、本人やご家族をサポートすることを目指す資格です。受験には実務経験が必要ないため、認知症ケアのプロだけでなく、コミュニケーション方法を学びたいサービス業の方や、認知症の方の家族なども受験しています。

試験はマークシート形式で、合格率は3級が55~80%、2級が60~70%となっています。難易度はそれほど高くなく、更新の必要もありません。

合格後は、合格者を対象にした実務者研修に参加でき、これを修了すると「認知症アクティビティ・ケア専門士」資格が取得できます。この研修には10万円以上の費用がかかりますが、音楽療法や園芸療法、運動療法など、さまざまなアクティビティを通じて認知症の方と関わるための実践が組み込まれています。こうした分野に興味のある方には魅力的な資格といえるかもしれませんね。主催は「一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会」という団体になります。

●認知症介助士

認知症の家族を持つ人や、サービス業の人など、認知症ケアに興味を持つ幅広い層に向けた資格です。受験資格はとくになく、誰でも受験可能。試験の合格率も90%以上と、かなり高めになっています。こちらは「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」が認定する民間資格です。

取得までのハードルが低く、気軽に受験・取得ができるので、近年知名度が上がってきている資格です。ただし、プロの介護士として専門スキルを証明するような場合には向いておらず、介護職の人がこれを取得しても、手当や給与アップに結びつくことは少ないでしょう。あくまで自分の学びや、自己研鑽のために取得すると考えておきましょう。

認知症ケアに関する公的資格 

実務研修を受けている新人介護士

公的資格というのは、国家資格と民間資格の中間的な資格で、官庁や大臣が認定する資格です。研修修了者を事業所に配置する義務があったり、認知症加算の要件になっているなど、介護制度に組み込まれている点は民間資格にはないメリット。とくに、以下で紹介する実践者研修以上を受けていれば、施設運営側としては貴重な人材となるので、転職などの際、履歴書に書いてアピールするのにも適しています。

●認知症介護基礎研修

受講資格は、該当する地域の介護保険施設や事業所などで、認知症介護に携わっている介護職員であること。経験が浅めの方向けの研修で、認知症に関する基礎知識や技術について講義と演習で学びます。カリキュラムは1日で修了でき、試験は特にありません。

●認知症介護実践者研修

受講資格は、該当する地域の介護保険施設や事業所などで、認知症介護に携わっている介護職員であること。また、介護の現場経験が2年以上など、ある程度現場で経験を積んだ中堅介護職の方向けの研修になっています。

研修は講義と演習だけでなく、自分が勤務している施設で2週間ほどの自施設実習(アセスメントとケアの実践)もあります。最後に発表とレポート提出があり、約1〜3ヵ月ほどでカリキュラムを修了できます。

●認知症介護実践リーダー研修

受講資格は、該当する地域の介護保険施設や事業所などで、認知症介護に携わっている介護職員であることのほか、認知症介護実践者研修を修了して1年以上経過していることが条件です。さらに現在、ケアチームのリーダーかリーダー候補であり、介護現場経験が5年以上あるなど、ベテラン介護職の方向けの研修になっています。
具体的な研修内容は、講義と演習に加え、自分が勤務している施設で4週間ほど、他の職員の指導を実習します。最後の結果報告と評価を合わせると、全カリキュラムの修了には長い場合で半年ほどかかります。

>認知症介護実践者研修とは?メリットや内容が知りたい

認知症ケアに関する資格は、目的と内容で選びましょう

やる気を見せる女性

認知症について理解し、正しいケア方法を学ぶことは、現場で活躍する介護士には欠かせないスキルとなります。せっかくスキルを身につけたのであれば、資格を取ったり研修を受けたりして、目に見える結果に残しておきたいですね。

現在介護職として活躍するなかで、認知症ケアについてもっと知識を深めたい方や、身につけたスキルを証明したい方には、民間資格なら「認知症ケア専門士」、公的資格なら「認知症介護実践者研修」などがおすすめです。

介護の仕事に携わっているわけではなく、家族のケアや、地域に貢献したい方、サービスの質を高めたいといった目的であれば「認知症介助士」や「認知症ライフパートナー検定」などもおすすめ。学びたい内容や目的に合わせて、ご自分に合ったものを選んでくださいね。

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