これからの介護業界に存在感!「スマート介護士」とは

資格・スキル

ロボットを手に持つ介護職員

「スマート介護士」とは、介護ロボットなどの先端機器を現場で効果的に運用できる介護職員のこと。高齢化が急激に進み、介護の人手が不足する日本では、今後介護ロボットやセンサー機器などのテクノロジーを活用していくことが欠かせません。しかし現在のところ、それらを現場で使いこなせる介護人材が不足していて、なかなか普及が進んでいないのが実情です。

「スマート介護士」資格は、介護業界で先端機器を使いこなせる人材の育成を目指し、2019年に創設された新しい資格です。これからの時代に存在感を増していくであろう「スマート介護士」について、詳しくみていきましょう。

スマート介護士資格の内容

スマート介護士資格には、「Basic(初級)」と「Expert(中級)」の2種類があり、前者は基礎的な知識を身につけたい人、後者は実務に携わる人向けの内容になっています。

「サンタフェ総合研究所」という、介護事業者や介護機器メーカーに向けたコンサルティング等を行う民間企業が運営しており、資格にはそこで集めたノウハウが活かされています。

●受験資格
受験資格はとくになく、誰でも受験が可能です。

●出題形式
マークシート方式で、正答率70%以上で合格となります。

●学習内容
公式テキストは6つの章に分かれ、それぞれ下記のような内容になっています。

第1章:介護ロボット概論(重点6分野13項目をはじめとする、介護ロボットの基本的な知識)
第2章:介護基礎論(介助技術や心構え、介助目的、注意点などの基礎について)
第3章:介護オペレーション基礎論(介護オペレーションの考え方と最適化の方法について)
第4章:介護ロボットの評価論(貢献度や費用対効果など、介護ロボット評価の考え方について)
第5章:介護ロボットの導入と運用の実践(実際の導入について、事例をもとに解説)
第6章:介護業務支援システムの導入(機器を連携して情報を一元化する介護業務支援システムについて)

Basic(初級)の難易度は低めになっており、テキストにきちんと目を通しておけば合格を目指せます。Expert(中級)資格に合格するためには、テキストを読み込んで内容をしっかり理解し、巻末の模擬試験で正答率7割以上取れるようにしておきましょう。

●受験費用(2020年6月現在)
スマート介護士Basic(初級)・・・6,600円(税込)
スマート介護士Expert(中級)・・・8,800円(税込)
Basic/Expert併願 ・・・13,860円(税込)

詳しくはこちら
>スマート介護士資格運営事務局ホームページ

スマート介護士資格は、将来性に期待大!

ガッツポーズする女性
スマート介護士資格は、まだ創設されたばかりでそれほど知名度は高くありません。また民間企業が運営する民間資格なので、この資格がすぐに手当金など給料アップにつながることは少ないでしょう。

しかしこれからの介護福祉士には、ICT(情報通信技術)の知識が当たり前に求められるようになっていきます。その証拠に、2020年度から新しく導入される介護福祉士の養成カリキュラムには、介護ロボットも含めた福祉用具についての学習が盛り込まれました。

現在の介護業界は、ICTを使いこなせる人材がまだまだ少なく貴重です。この資格が記された履歴書ならば、しっかりとあなたの強みをアピール出来ることでしょう。

また今後、スマート介護士資格には「Expert」のさらに上級資格として、「Professional」が展開される予定も。これからさらにニーズの高まりが予想される分野なので、将来を見通したうえでも持っておいて損はない資格といえそうです。

スマート介護士資格は、グループでの取得がおすすめ

どうすれば介護業界に先進テクノロジーを取り入れ、活用できるのか。そのノウハウを学ぶことができるのが、スマート介護士の資格です。現役介護職の方が学べば、必要な知識を体系的に身につけられるので、自施設の介護オペレーションの改善ポイントにも気付きやすくなります。

ただし、職場で一人だけが知識や必要性を身につけても、周囲の意識が低いままでは、施設全体に浸透させるのは難しいもの。職場のICT化は、そこで働く人みんなで進めていくことが欠かせません。

そこでおすすめなのが、担当者だけが受験するのではなく、できるだけ立場の違う複数のスタッフで受験するなど、職場全体で取り組むようにすること。スタッフ全体の意識やリテラシーが高まることで、効果が表れやすくなります。

スマート介護士の資格は、5名以上のグループ受験で割引価格が設定されていたり、15名以上で自施設の会議室を受験会場にできるといった対応が設けられているため、ぜひグループでの受験も検討してみてください。

周囲も巻き込み、スマート介護士を目指してみよう

集団で講義を受ける介護職員たち
人手不足が深刻化している介護業界。たとえスタッフの数が今までのように確保できなくても、介護の質を落とすことなく、施設を運営していかなくてはなりません。業務の効率を上げるためには、介護ロボットやAIなどのテクノロジーを活用していくことが必要不可欠です。

スマート介護士資格は、これから役立つ知識や考え方を身につけることができるうえ、資格取得へのハードルも比較的低いところが魅力です。「職場のICT化を考えているけれど、何から取りかかったらいいかわからない」「せっかく導入したのに、スタッフに浸透していない」といった問題を抱えている場合には、みんなでこの資格取得を目指して勉強するのも良いかもしれません。

一人ではできないことは、周囲を巻き込んで。みんなの気持ちがひとつになれば、業務の効率化もグンと力強く進んでいくことでしょう。

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