【最新】介護職の現状|夜勤・給与・メリットデメリットまで深掘り!

介護の仕事

時計とカレンダーの画像

介護職は、かねてより人手不足や低賃金などの問題が取りざたされています。それに加えて夜勤もあるため、「介護職は厳しい仕事」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、最新の調査である「2021年介護施設夜勤実態調査」「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」をもとに、介護職とその夜勤、給与などについて深掘りしてお伝えます。介護職の現状は、一体どうなっているのでしょうか。ぜひ、お仕事選びの参考にしていただければと思います。

介護職の勤務シフトは、ほぼ「夜勤16時間以上の2交替」。ワンオペも。

 

介護職の勤務シフトは、主に「2交替」と「3交替」の2パターンですが、現状では実に全体の87%が2交替シフトを採用しており、このうちの80.5%が勤務時間16時間以上の2交替夜勤です。

2交替制、3交替制のシフト時間表

特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、比較的規模が大きな施設では、夜勤時も複数人体制であるものの、その他の施設では主に1人体制ということが調査によりわかっています。

夜勤の回数は、3交替夜勤の施設の85.6%が「8日以内」、2交替夜勤の施設では、60%弱が「4回以内(8日以内に相当)」です。

一般的に、バランスをとりながら日勤と夜勤どちらも勤務する場合が多いですが、夜勤のみ働く「夜勤専従」という働き方もあります。

以下は、それぞれのシフト例です。

3交替のシフト例

2交替のシフト例

夜勤専従のシフト例

2交替・3交替・夜勤専従のメリット、デメリット

笑顔でガッツポーズの女性介護士
ここからは、それぞれの働き方のメリット、デメリットを紹介します。夜勤のある介護の仕事を検討している方は、ぜひご自身の体力やスキル、生活と照らし合わせて考えてみてください。

2交替のメリット、デメリット

【2交替のメリット】

  • 休みが多いと感じる
    夜勤の日は、夕方に出勤し翌日午前中に退勤、さらにその翌日が休みになる場合が多いため、休みが多いと感じやすいかもしれません。
  • 日勤のみのシフトよりも高い収入を得られる
    8時間以上働く場合に適応される「時間外割増賃金」と、22時~5時の深夜勤務に適応される「深夜帯割増賃金」が加算されるためです。これに加え、介護職は夜勤手当も支給されることが多くなっています。
    ※調査によると、手当の平均額は、正規職員の2交替夜勤で5,976円、3交替夜勤の準夜勤で3,630円、深夜勤で4,325円という結果となっています。

【2交替のデメリット】

  • 労働時間が長く、心身ともに負担が大きい
  • 家族の状況によっては、夜勤の勤務が難しい
    夜勤時は長時間勤務となるため、こどもや介護が必要な家族がいる場合は、誰かのサポートが必要でしょう。
  • 施設によっては、1人で夜勤する場合がある
    規模が大きい施設以外は、ワンオペ夜勤が常態化していると調査で明らかとなっています。そのような施設では、長時間にわたり1人で業務をこなせるスキルと体力が求められるでしょう。

3交替のメリット、デメリット

【3交替のメリット】

  • 2交替の夜勤と比べると勤務時間が短く、心身の負担は少ない
  • 夜勤と準夜勤の日は、日中の時間を自由に使える

【3交替のデメリット】

  • 深夜勤と準夜勤があるため、夜勤の回数が多くなる
  • 3パターンの勤務で、生活を安定させるのが難しい
  • 8時間勤務のため、夜勤の翌日も出勤することがある
  • シフト調整が難しい
    2交替と比較して、従業員の数が多いうえに3パターンの勤務のため、シフト調整が難しく希望通りの休みをとりにくい可能性があります。

夜勤専従のメリット、デメリット

【夜勤専従のメリット】

  • 時間外割増賃金と深夜帯割増賃金が適応され、収入が高くなりやすい(さらに夜勤手当が追加される場合が多い)
  • 1回の勤務時間が長いため、勤務回数が少ない
  • 日勤と夜勤が混在しておらず、生活リズムが安定しやすい
  • 日中の時間を自由に使える(休みが多く感じる)
  • 夜勤は人気が低いため、経験者は採用される確率があがる

【夜勤専従のデメリット】

  • 労働時間が長く、心身の負担が大きい
  • 昼夜逆転の生活となる
  • 施設によっては、1人で夜勤する場合がある
  • 長時間勤務となるため、世帯構造によっては勤務が難しい
  • 未経験者は採用されにくい

介護職の夜勤スケジュールと仕事内容

以下は、介護職の夜勤スケジュールの例です。

介護職の夜勤スケジュールと仕事内容表
施設によっては、このスケジュールをワンオペで対応するため、落ち着いて休憩や仮眠をとることは難しいといえます。調査によると、施設全体の約4割は仮眠室がなく、看護小規模多機能型居宅介護の施設に限っては、8割以上に仮眠室がないことがわかっています。

介護職員の給料は?特定処遇改善加算を取得(届出)している施設の方が高収入

介護職員の平均給与表(月給・常勤の者)

上記の表にある「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」とは、介護職員の給与アップを目的とした制度で、事業所や施設が取得(届出)するものです。

「介護職員処遇改善加算」がすべての介護職員を対象としているのに対し、「介護職員等特定処遇改善加算」は、経験も技能も豊富な介護職員を対象としています。

この「介護職員等特定処遇改善加算」を取得するためには、「介護職員処遇改善加算」の(Ⅰ)~(Ⅲ)を取得するなどの要件があります。

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)は、事業所全体の93.8%が取得(届出)しており、そのうちの72.8%が介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得(届出)しています。

取得(届出)率をみると、ほとんどの事業所や施設がこれらの制度を利用していますが、上記の表の通り、介護職員処遇改善加算に加え、介護職員等特定処遇改善加算も取得(届出)している事業所・施設のほうが、令和3年度の平均給与も前年比も高くなっています。

働く事業所や施設を選ぶときには、介護職員等特定処遇改善加算が取得(届出)されているかどうか確認し、検討材料のひとつにするとよいでしょう。

【参考】介護職員の平均給与(時給の者)について

介護職員の平均給与表(時給の者)

※介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)および介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得(届出)している事業所

※介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のみを取得(届出)している事業所の「時給の者」に関するデータが出典先にないため、表に記載しておりません。

【参考】介護職員の平均給与(施設別)について

介護職員の平均給与表(施設別)

※「月給・非常勤の者」と、「時給・非常勤の者」の「介護療養型医療施設」については、サンプル数が少ないため、除いております。数字をご覧になりたい場合は、出典先の資料をご確認ください(URLは本記事最下部にございます)。

介護職(夜勤)の働きやすい職場は?ここを要チェック!

スマホを見る女性介護士

介護職の未経験の方が夜勤で働く場合、まずは、2交替・3交替・夜勤専従それぞれのメリットとデメリットを比較し、自分に合う働き方を選びましょう。そして、働き先を選ぶときには、ワンオペ勤務がない施設や事業所を選ぶと安心です。加えて、夜勤手当や仮眠室の有無、介護職員処遇改善加算や介護職員等特定処遇改善加算が取得(届出)されている施設かどうかも、確認するとよいでしょう。

また、YouTubeで夜勤の様子を発信している施設もあります。介護夜勤の大変そうな印象が、ガラリと変わるかもしれませんし、夜勤のイメージをつかむためにも、ぜひチェックしてみることをおすすめします。

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