介護の仕事にやりがいを感じてがんばっているものの、
「ボーナスの支給額が少ない」
「そもそもボーナスがない」
など、経済的な不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、介護職のボーナス平均額や支給時期、査定基準などをご紹介します。
また、ボーナスのあるなしや、勤務地、年齢、経験年数、施設の種別などジャンル別でも平均額をお伝えします。
介護職のボーナスを上げるための方法も解説しますので、収入アップを目指す方は、ぜひ参考にしてくださいね。
介護職のボーナス【平均】
介護職の平均ボーナス(年間賞与その他特別給与額) | |
平均 | 539.300円 |
男性 | 616.900円 |
女性 | 496.300円 |
介護職のボーナスは、令和4年賃金構造基本統計調査によると、平均約53万円です。
男女別に見ると、男性は約61万円、女性は約49万円になっています。
次の章から、介護職のボーナスについて、さらに詳しく見ていきましょう。
介護職ボーナス【支給時期】
介護職のボーナスは通常、夏(6~8月)と冬(12~1月)に年2回支給されます。
ボーナスの支給回数・支給日・支給時期のタイミングは企業によってさまざまなので、転職時には新しい施設のボーナス支給時期を確認しましょう。
介護職ボーナス【査定基準】
介護職のボーナス査定基準は施設によって異なります。
一般的には基本給をベースに、勤務実績、職務遂行、資格・研修、業績などの査定項目をもとに算出されます。
基本給3.5ヵ月分が平均的ですが、業績によって変動することもあるでしょう。
介護職のボーナスは基本給の昇給と連動していることが多く、欠勤や遅刻が多いとマイナス査定の可能性もあります。就業規則を守り、欠勤・遅刻を避けることが重要です。
ボーナスがない施設もある
「令和4年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書」によると、ボーナスの支給割合がいちばん高い施設は入所型施設です。
また、正職員とパートなどの勤務形態によっても違いが見られます。
正職員として働いている場合、7割がボーナスを受け取っていますが、1.5割はボーナスがない職場で働いています。
一方、パートとして働いている場合、4割以上がボーナスを受け取っていますが、1.5割がボーナスがない職場で働いています。
【ジャンル別に比較】介護職のボーナス平均額
介護職のボーナスは、地域や年齢、経験年数、資格などによって違いがあります。
以下、ジャンル別に、ボーナスの平均額を見ていきましょう。
【都道府県別】介護職のボーナス
介護職のボーナスは、都道府県によって差があります。
以下の表は、都道府県別のボーナスの平均額をまとめたものです。
【都道府県別】 平均ボーナス | ||
都道府県名 | 平均賞与(円/年) | |
全体 | 3,761,881 | |
北海道 | 北海道 | 3,457,537 |
東北 | 青森県 | 3,216,549 |
岩手県 | 3,280,406 | |
宮城県 | 3,578,827 | |
秋田県 | 3,221,642 | |
山形県 | 3,377,302 | |
福島県 | 3,430,849 | |
関東 | 茨城県 | 3,762,799 |
栃木県 | 3,716,584 | |
群馬県 | 3,802,913 | |
埼玉県 | 4,070,039 | |
千葉県 | 3,950,467 | |
東京都 | 4,203,494 | |
神奈川県 | 4,097,601 | |
中部 | 新潟県 | 3,616,490 |
富山県 | 3,813,588 | |
石川県 | 3,797,278 | |
福井県 | 3,632,597 | |
山梨県 | 3,764,417 | |
長野県 | 3,916,518 | |
岐阜県 | 3,894,685 | |
静岡県 | 4,004,469 | |
愛知県 | 4,108,352 | |
三重県 | 3,958,313 | |
近畿 | 滋賀県 | 3,982,575 |
京都府 | 4,065,921 | |
大阪府 | 3,957,806 | |
兵庫県 | 4,061,066 | |
奈良県 | 3,856,359 | |
和歌山県 | 3,832,569 | |
中国・四国 | 鳥取県 | 3,696,570 |
島根県 | 3,606,493 | |
岡山県 | 3,882,291 | |
広島県 | 3,672,116 | |
山口県 | 3,660,614 | |
徳島県 | 3,350,999 | |
香川県 | 3,941,847 | |
愛媛県 | 3,384,939 | |
高知県 | 3,674,229 | |
九州・沖縄 | 福岡県 | 3,522,814 |
佐賀県 | 3,383,457 | |
長崎県 | 3,356,213 | |
熊本県 | 3,370,129 | |
大分県 | 3,364,102 | |
宮崎県 | 3,272,166 | |
鹿児島県 | 3,489,514 | |
沖縄県 | 3,528,566 |
※(月給の者・勤続年数2年以上)
※「令和4年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書」の表をもとに作成
就職や転職を考えている場合は、地域のボーナス平均をチェックし、目安にしてみてくださいね。
【年齢別】介護職のボーナス
介護職のボーナスは年齢によって差があり、新入職者のボーナス平均支給額は約10万円です。
20~40代にかけて増加する傾向があり、特に45~49歳頃が平均支給額のピークです。
40代は責任ある役職に就くことが多いことが影響していると考えられます。
一方、50歳以降は減少傾向がありますが、役職の定年や、再雇用で契約職員になるケースが多くみられることが一因です。
介護職のボーナスは、年齢だけでなく役職や経験、職種によって支給額が異なることを押さえておきましょう。
【年齢別】介護職の平均ボーナス(円) | |||
訪問介護従事者 | 介護職員
(医療・福祉施設等) |
介護支援専門員(ケアマネージャー) | |
全体 | 402,300 | 539,300 | 643,900 |
~19歳 | – | 107,600 | – |
20~24歳 | 172,700 | 334,100 | 60,000 |
25~29歳 | 337,500 | 524,200 | 246,100 |
30~34歳 | 425,800 | 611,300 | 605,200 |
35~39歳 | 405,900 | 602,600 | 605,300 |
40~44歳 | 415,900 | 620,100 | 695,300 |
45~49歳 | 452,900 | 624,800 | 765,700 |
50~54歳 | 507,900 | 553,000 | 653,400 |
55~59歳 | 364,600 | 532,500 | 701,800 |
60~64歳 | 395,700 | 422,500 | 563,800 |
65~69歳 | 197,800 | 339,200 | 302,200 |
70歳~ | 325,300 | 188,000 | 183,100 |
※表は、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」における介護職員(医療・福祉施設)のデータをもとに作成
【経験年数別】介護職のボーナス
介護職のボーナスは経験年数によって異なります。平均的には10年以上が最も高く、1年未満が最も低い水準です。
1年目は1桁ですが、5年目以降には50万円超えに。勤続年数が長いほど賞与は増加します。
介護業界は転職が多いため、ボーナスの支給額は年齢だけでなく、経験年数、勤続年数にも影響される可能性があります。
【経験年数別】介護職の平均ボーナス(円) | ||||
0年 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年以上 |
64,100 | 403,700 | 544,200 | 625,300 | 699,500 |
※令和4年賃金構造基本統計調査「年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」をもとに表を作成
【職種別】介護職のボーナス
介護職のボーナスは、職種によって異なります。以下のグラフは、職種別のボーナスの平均額です。
例えば、ケアマネージャーや介護福祉士は、資格手当などでボーナスが高くなっています。
逆に、ヘルパーは入門レベルの職種であることからボーナスが低い傾向が見られますが、経験や勤務年数によっては増額される場合もあるでしょう。
介護職全体で見ると、職種によっては30万円程度の差があり、生活相談員や看護職員など、資格を活かせる職種はボーナス額が高い傾向です。
【資格別】介護職のボーナス
【保有資格別】介護職の平均ボーナス(円) | |
介護福祉士 | 629,134 |
介護職員初任者研修 | 473,650 |
実務者研修 | 486,322 |
社会福祉士 | 742,254 |
その他の資格 | 665,825 |
無資格 | 372,500 |
※令和4年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査をもとに表を作成
介護関連の資格を取得することで、資格手当や処遇改善加算が利用でき、ボーナス増額につながります。特に介護福祉士やケアマネージャーの有資格者は高い評価を受けます。
他にも、国家資格の社会福祉士は取得に労力と時間はかかりますが、その分ボーナスが期待できます。
資格を検討する際は、資格を取った場合の労働条件や補助制度の確認もしてみましょう。
【施設・サービス別】介護職のボーナス
介護職のボーナスは、施設やサービスの規模、経営状況、資格や役職、処遇改善加算の有無によっても変わります。
特別養護老人ホームでは、介護職員の有資格者率が高く、管理職や責任者の割合も多いため、ボーナスが高くなります。一方、訪問介護では、資格者率が低く、管理職の割合も少ないためボーナスが低くなることが多いようです。
他には、施設やサービスの経営母体や規模が大きい場合、ボーナスの支給が多くなる傾向があります。
また、大人数の利用者を24時間ケアする施設や医療従事者と連携する施設では、ボーナスの平均支給額が高くなっています。就職や転職をする際の参考にするとよいでしょう。
主とする介護サービスの種類 | 平均賞与(円) |
訪問介護 | 498,876 |
訪問入浴 | 425,929 |
訪問看護 | 727,780 |
通所介護 | 523,462 |
通所リハビリテーション | 666,732 |
小規模多機能型居宅介護 | 507,965 |
グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 441,964 |
介護老人保健施設 | 738,102 |
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) | 798,580 |
介護医療院(介護療養型医療施設) | 718,173 |
※令和4年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査をもとに表を作成
介護職のボーナスをアップさせる方法
介護職がボーナスアップさせる方法は、以下の3つです。
- 介護関連の資格を取得する
- 管理職や責任者のポジションに就く
- 基本給の高い職場に転職
以下、ひとつずつ見ていきましょう。
介護関連の資格を取得する
介護職がボーナスアップする方法のひとつめは、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)など、介護関連の資格を取得することです。
「【資格別】介護職のボーナス」の章でお伝えしたように、保有資格によって、ボーナスが変わります。
例えば、介護福祉士の資格を取得すると、資格手当や処遇改善が期待でき、待遇もよくなります。将来のキャリアや転職にも有利になり、自分の市場価値もアップするでしょう。
介護支援専門員も、実務経験や研修を経て資格を取得することから高い専門性が認められ、ボーナスアップが期待できます。
管理職や責任者のポジションに就く
介護職がボーナスアップを目指す方法のふたつめは、管理職や責任者に昇進することです。
令和4年度の調査によれば、サービス提供責任者のボーナス平均額は634,355円で、一般職員よりも高かったと報告されています。
責任ある立場としてのプレッシャーやストレスも増すかもしれませんが、役職手当も加算され、昇進によるボーナスアップが期待できます。
参考:令和4年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書
基本給の高い職場に転職する
介護職のボーナスアップを目指す方法の3つめは、基本給の高い職場に転職することです。
介護業界では、基本給がボーナスの計算基準となっているため、転職をして基本給が上がればボーナスも増額される可能性があります。
転職を検討する際には、スキルや経験、資格をアピールできる経歴書を作成し、介護市場の需要と供給のタイミングや、転職先の評判などを考慮しながら、基本給の高い職場を探すとよいでしょう。
転職サービスで相談すると、数多くの職場のなかから自分に合うところを紹介してもらえるので、上手に利用するのがおすすめです。
介護職のボーナスは今後どうなる?
介護職のボーナスは、「介護職員処遇改善加算」により、今後ボーナスが増える可能性があります。
データによれば、介護職員処遇改善加算を受けている事業所の3割~4割以上で、一時金の支給や基本給の引き上げなどがおこなわれています。
ただし、介護士の給与改善はまだ進んでいないところもあるため、転職する際は事前に施設の情報を確認するとよいでしょう。
資格取得や転職でボーナスアップ
介護職のボーナスについて、平均額や支給時期、査定基準、ジャンル別で紹介し、ボーナスアップの方法や今後についても解説しました。
ボーナスは勤続年数が長いほど賞与が増加し、40代でピークになる傾向があります。
資格取得や役職経験もボーナスアップの手段となるので、自分のキャリアパスも見据えながら、考えていくとよいでしょう。
転職の場合は、施設や職種によっても差があるため、自分に合った条件の職場を探すことが大切です。
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