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介護職員初任者研修とは?受講の条件や講義の内容など徹底解説

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介護職員初任者研修は、介護業界で働くためのスタートとなる資格です。介護職として働くうえで必要となる基本的な知識や技術を習得していることが客観的に証明されます。

介護職員初任者研修を取得すると身体介護が行えるようになり、介護現場での活躍が期待できます。介護職としての仕事の幅を広げられる資格といえます。

本記事では、介護職員初任者研修について、取得するメリットや給料、受講条件などをまとめました。これから資格取得を考えている方は是非参考にしてください。

介護職員初任者研修とは?

介護職員初任者研修は、介護職として働いていくうえでの入門的な資格です。介護の仕事に必要とされる、基本的な知識と技術を有することを証明する資格で、介護職が目指す資格のなかでも取得しやすい資格といえます。介護の仕事を始めたい人、介護の仕事でスキルアップしたい人は最初に目指したい資格です。

介護職員初任者研修は、年齢や学歴、実務経験など、取得するうえでの条件はなく、誰にでも門戸が開かれている資格といえます。介護職員初任者研修は、各都道府県が認定した養成校で受講することができ、カリキュラムは130時間です。介護の基礎知識を学ぶ講義と、技術を学ぶ実技演習により構成されます。全課程修了後に修了試験を受けて合格することが取得条件となります。

介護職員初任者研修の全課程130時間のうち、通信講座で学習できる時間は40.5時間までと決められており、介護実技や技術の習得のためにスクーリングが必要となっています。

介護職員初任者研修は、2013年に廃止されたホームヘルパー2級の代わりとなる資格です。ホームヘルパー2級は、主に訪問介護について学ぶ内容でしたが、介護職員初任者研修では、介護サービスの種類を問わずに対応できる介護の知識や技術の習得を目的としています。また、近年では認知症の高齢者が増加していることから、介護職員初任者研修では、認知症についての受講科目が追加されました。

介護職員初任者研修を取得するとできるようになる仕事内容は?

介護の仕事は資格がなくても従事できますが、介護職員初任者研修の資格を得ることで、仕事の幅を広げることができます。勤務する施設や事業所により異なりますが、ここでは代表的な仕事について解説します。

訪問介護

訪問介護は、利用者の自宅や介護施設の居室に訪問し、在宅で生活する高齢者を支える介護です。施設での介護職は無資格でも勤務が可能ですが、訪問介護は介護職員初任者研修以上の資格を取得していないとできません。

訪問介護では、一対一で介護ケアを行うことが多いため、介護の基本的な知識を持っていることが重要です。介護職員初任者研修の資格取得することで可能になる仕事の筆頭が、訪問介護といえるでしょう。

介護施設での身体介護

身体介護は、要介護者の身体に直接触れて行う介護ケアです。具体的には食事介助や入浴介助、清拭、排泄介助、移動介助、服薬介助などです。

施設によっては資格を持たない介護スタッフが身体介護を行うこともありますが、そうした場合は、介護職員初任者研修以上の有資格者のサポートを行うことが多い傾向があります。介護職員初任者研修を取得することで、より主体的な働き方が可能になるといっていいでしょう。

介護職員初任者研修を取得するメリットは?

仕事の幅が広がる

介護職員初任者研修を取得すると、先述の通り仕事の幅が広がります。具体的には、要介護者の身体に触れて介護を行う、入浴介助や排泄介助、移乗介助などの身体介護の仕事ができるようになります。特に、訪問介護では介護職員初任者研修以上の取得が必須です。身体介護を含む業務全般が一人で行えるようになり、活躍の場を広げることができます。

介護の上位資格を取得しやすい

介護職員初任者研修は介護職の入門資格といえます。介護職でキャリアアップを目指す場合、次の目標として介護福祉士実務者研修を取得し、将来的に介護福祉士を目標とするキャリアパスが一般的です。

介護福祉士実務者研修を取得するには全課程450時間の修了が必要ですが、介護職員初任者研修を取得している人は、130時間の課程が免除されます。働きながら介護の上位資格を目指す人にとっては大きなメリットといえるでしょう。

転職に有利な傾向がある

介護職員初任者研修を取得すると、利用者の身体に触れる身体介護ができるようになります。これにより、任せられる仕事が増え、介護現場での活躍の場が広がります。無資格の人に比べ、即戦力として歓迎されるでしょう。

介護の知識が深まり自信につながる

働きながら介護職員初任者研修を取得した人の中には、研修を通して、自分の介護ケアが正しかったことが実感でき、日々の仕事がやりやすくなったと言う人がいます。また、介護の知識や技術をしっかり学んだことで、介護の現場で働く心構えが強くなったと言う人もおり、介護職としての自信につながることも多いようです。

資格を持たない人に比べ給与が高い

介護職員初任者研修を取得した人は、資格を持たない人に比べて給料が高い傾向があります。また、事業所によっては資格手当が支給されることもあるため、給与アップが期待できます。詳しい給料については次項で解説いたします。

介護職員初任者研修の給料は?

事業所により異なりますが、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員初任者研修と無資格の平均給与は以下のようになっています。

保有資格 平均給与額
(月給・常勤)
介護職員初任者研修 300,240円
保有資格なし 268,680円

介護職員初任者研修取得者の平均月給は常勤で300,240円です。一方、保有資格なしの平均は268,680円で、介護職員初任者研修取得者の方が、およそ31,000円も上回っています。

介護職員としては働くのであれば、給与面においても持っていて損はない資格といえます。

介護職員初任者研修の取得方法は?

介護職員初任者研修は年齢や学歴、実務経験など、取得するうえでの条件はありません。

介護職員初任者研修を取得するには、都道府県が認定した養成校で、介護職員初任者研修取得のための講座を受講し、全課程修了後に1時間程度の修了試験を受けて合格することが取得条件となります。合格点は100点満点中70点以上と定められています。受験生をふるいにかけるための試験ではなく、研修の内容を理解しているかどうかを確認するために行われます。

介護職員初任者研修講座のカリキュラムは10項目、全課程130時間で、そのうち通信講座で学習できる時間は40.5時間までと決められています。

介護実技や技術の習得のためにスクーリングは必須となっており、約1か月〜4か月が受講期間の目安とされます。

介護職員初任者研修の試験の内容は?

介護職員初任者研修の試験は筆記試験で、試験時間は1時間です。合格基準は100 点満点中70点以上で、自分の得点は公表されません。

介護職員初任者研修の試験の出題範囲は、下記の介護職員初任者研修講座のカリキュラム表の項目2〜項目9から、各科目1問以上で、合計32問以上が出題されます。

介護職員初任者研修講座のカリキュラムの項目と時間数は以下の通りです。

項目 内容 時間数
1 職務の理解 6時間
2 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
3 介護の基本 6時間
4 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 9時間
5 介護におけるコミュニケーション技術 6時間
6 老化の理解 6時間
7 認知症の理解 6時間
8 障害の理解 3時間
9 こころとからだのしくみと生活支援 75時間
10 講義の振り返り 4時間
合計140時間

介護職員初任者研修に合格するには?

介護職員初任者研修に向けて学習する際のポイントを解説します。

授業内容を把握する

介護職員初任者研修の修了試験は決して難しいものではなく、授業内容を把握していれば、合格は難しくないといえるでしょう。そのため、授業中に講師から重要だと指摘された箇所をしっかり理解すること、テキストの強調部分を把握しておくことなどが合格のポイントといえます。万が一、不合格になったとしても、合格まで追試験を受けることができます。

無理のないスケジュールを組む

介護職員初任者研修の取得に必要となる期間は通う養成校によって異なりますが、平均して3か月程度と言われています。介護職員初任者研修講座に通う多くの人は、スクーリングと通信教育を組み合わせて受講します。

カリキュラム全130時間のうち、通信講座が約40時間、スクーリングが約90時間で構成されます。週に何回スクーリングに通うか、その頻度によって講座の修了期間は変わってきます。働きながら介護職員初任者研修を目指す人は、無理のない範囲で計画を立てましょう。

スクーリングの頻度と一般的な取得期間の例

スクーリングの頻度 一般的な受講期間
週1回 約4か月
週2回 約2か月
週3回 約1.5か月
週4回 約1か月

介護職員初任者研修に合格した後は?

介護職員初任者研修の修了試験に合格すると、養成校から介護職員初任者研修修了証が送られてきます。通った養成校によって異なりますが、修了証の到着は1〜4週間程度です。介護職員初任者研修修了証を受け取ると、履歴書に介護職員初任者研修修了と記載することができるようになります。

介護職員初任者研修に関するよくある質問

介護職員初任者研修について気になるこんなこと。よくある質問に対し、介護職員初任者研修を取得し、介護現場で働く人が回答します。

Q.介護職員初任者研修を取得するための勉強はどのように進めましたか?

・養成校へ通い、学校の教科書の重要部分を暗記し、出された課題を反復練習しました。実習では、病院へ研修に行きました。

・通信教育と週1回のスクーリングを受けに養成校へ通い、受講生同士で実習し、レポート等を提出しました。

・勤務しながら勉強しました。夜勤の休憩中などを勉強の時間に充てました。テキストの要点を抑えて、ノートに書き写して覚えました。

・勉強していくうちに、やはり実技が大事だと感じ、知り合いの介護を手伝い経験を積むようにしました。

Q.介護職員初任者研修を取得してから、仕事にどんな変化がありましたか?

・収入が上がりました。

・介護職員初任者研修を取得したので、訪問介護の仕事ができるようになりました。

・利用者様への接し方に悩まなくなり、自信を持って介助ができるようになりました。

・介護現場で信頼を得ることができ、単独で利用者の介護ケアを任せてもらえるようになりました。

・さまざまな施設での仕事をしながら自分に合う働きやすい職場を探していましたが、資格を取得したことによって今の職場へ入職することができました。

Q.働きながら介護職員初任者研修を取得することは可能ですか?

・介護職員初任者研修の修了に必要な期間は130時間で、うち90〜95時間(約15日前後)がスクーリングです。週1回程度、スクーリングに通うと4か月ほどで研修が終了できますから、働きながら取得しやすい資格といえるでしょう。

・介護職員初任者研修の講座は都道府県から指定された養成校で受講できます。講座を開催する養成校の数が多く、仕事と両立可能なコースやカリキュラムが用意されているため、働きながら取得することは可能です。

・介護職員初任者研修の修了試験は、講座の内容が理解できていれば回答できるレベルで難易度も高くないといわれます。そのため、仕事に差し障るほどの長時間の受験勉強は必要としなかったです。

まとめ

介護職員初任者研修は、介護職における入門的な資格です。取得することによって介護の基本的な知識と技術を有することが客観的に認められるため、介護現場でのニーズも高いといえます。

介護職員初任者研修を取得すると、介護が必要な人の体に触れる身体介護を提供することができます。一人で利用者に対応することが多い訪問介護では介護職員初任者研修以上の資格が必須となっており、介護職としての仕事の幅を広げてくれる資格といえるでしょう。

介護職員初任者研修は、年齢や学歴、実務経験など、取得するうえでの条件はありません。研修はスクーリングと通信講座を組み合わせて構成されることが多く、時間的にも、難易度的にも働きながら取得が可能な内容となっています。

介護職員初任者研修を取得すると、介護福祉士実務者研修を目指す際に、一部のカリキュラムが免除されるなどメリットの多い資格です。介護職に初めてチャレンジする人はもちろん、キャリアアップを目指す人も、取得しておきたい資格です。

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