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介護施設で働く看護師とは?仕事内容や給料などを徹底解説

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介護施設で働く看護師は、入所者の健康管理を担い、必要に応じて医師の指導のもとで医療行為を行います。病院などの医療施設と異なり、介護施設は急患の対応や夜勤などがない事業所もあるため、仕事とプライベートを両立しやすい職場といえます。

介護施設における看護師とは?

介護施設で働く看護師は、介護スタッフと連携しながら入所者の健康管理を行います。介護スタッフは入所者の生活面をサポートするのに対し、看護師は医療面や看護面から入所者をサポートすることが主な役割です。

日常業務としては、投薬管理やバイタルチェックなど、入所者の健康状態を観察することが中心となります。病院などの施設と比べると医療行為を行う頻度はかなり少ないといえるでしょう。

ただし、医師が常駐しない介護施設もあるため日常の業務に加え必要に応じて医療処置を行うこともあります。入所者の急変時にはその対応や医師への連絡、救急車の手配なども重要な業務です。医師の指導のもと、医療的な判断を委ねられる場面もあり、大きな責任が伴うといえるでしょう。

介護施設では、体力的に負担の大きい身体介護は、主に介護スタッフが担当するため、看護師の負担は限定的です。そのため、病院勤務に比べ、体力的な負担は小さい傾向にあります。また、事業所によっては、夜勤のない勤務形態も選択できます。

年齢を経て、病院勤務が体力的に厳しいという人、子育てと両立したいという人には、介護施設における看護師は魅力的な勤務先といえるでしょう。

介護施設における看護師の仕事内容は?

介護施設で働く看護師は、主に入所者の健康管理を担い、必要に応じて医師の指導のもとで医療行為を行います。提携する医師や施設内の介護スタッフと密に連携をとり、入所者の健康状態の維持、回復をサポートする役割を果たします。

病院などの医療機関では幅広い年代の患者を扱うのに対し、介護施設の入所者は主に高齢者です。入所期間が長期に渡る人、コミュニケーションが難しい人など、さまざまな状態の入所者と信頼関係を築くスキルが必要とされています。

また、高齢の入所者が生活する介護施設では、看取りに立ち会うこともあります。ここ数年で介護施設での看取りは増加傾向にあります。特に、入所者の介護度が高く終身で利用可能な特別養護老人ホームでは、看取りケアを行うことは珍しくないといえるでしょう。

以下で看護師が働く主な介護施設と仕事内容について紹介します。

看護師が働く主な介護施設

特別養護老人ホーム

介護が必要な65歳以上の高齢者が居住する施設で、看護師の常駐が定められています。介護度が高い入所者が多く、介護度が進んでも退去する必要がないため、終身で利用する入所者もいます。そのため特別養護老人ホームでは、看取りケアが比較的多い傾向にあります。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、病院を退院後、自宅に戻ることが難しい高齢者に医療ケアやリハビリなどを重点的に提供する介護施設です。そのため、医師や看護師、作業療法士などの医療スタッフが常駐します。各分野の専門スタッフが連携しながら、利用者の機能回復を図り、自宅復帰を目指します。

有料老人ホーム

有料老人ホームは高齢者に居室と生活サポート、介護ケアを提供する民間が運営する福祉施設で、「介護付き」、「住宅型」、「健康型」があります。介護付き老人ホームには看護師の常駐が義務付けられており、介護ケアに加え医療ケアを提供しています。

デイサービス

デイサービスは自宅から通いながら生活援助やリハビリを受けるための施設です。介護度の高い人は少なく、自立した生活ができる人がほとんどです。看護師の配置は少ないことが多いため、担当する利用者が多くなる傾向があります。看護師の役割は通所者の服薬介助などの健康管理が主になります。

小規模多機能型居宅型介護

小規模多機能型居宅介護は、要支援・要介護認定を受けた高齢者に対して、通所、訪問、宿泊の介護サービスを提供します。利用者は要介護度が低く、自立可能な人が中心です。そのため、看護師を配置する事業所は比較的少ない傾向にあります。

介護施設で働く看護師の主な仕事内容

健康管理のための業務

  • ・バイタルチェック
  • ・口腔ケア
  • ・介護職員への指示
  • ・看護記録
  • ・感染症の蔓延予防など

療養のための業務

  • ・皮膚に薬を塗る、湿布を貼る
  • ・軽微なケガや創傷処置
  • ・服薬の管理
  • ・ストマ器具内の排泄物の廃棄作業
  • ・経管栄養の実施など

医師の指示や指導のもとで行う主な医療行為

  • ・投薬
  • ・点滴
  • ・採血
  • ・たん吸引
  • ・インスリン注射
  • ・胃ろう
  • ・床ずれ処置
  • ・尿道カテーテルの挿入など

看護師が介護施設で働くメリットは?

看護師が介護施設で働くメリットは以下の通りです。

育児やプライベートと両立しやすい

介護施設で働く看護師は、入所者の健康管理が主な仕事であり、基本的に急患の対応をすることはありません。そのため、病院などに比べると残業が少なく、決められた勤務時間通りに退社できる事業所も多くあります。育児やプライベートと仕事が両立しやすいことがメリットといえるでしょう。

身体的な負担が少ない

介護施設では、体力的に負担の大きい入所者の身体介護などのサポートは主に介護スタッフが担当します。介護スタッフと看護師が協力して身体介護を行うこともありますが、身体的な負担は少ない傾向にあります。体力に自信がない人や、年齢を重ねて病院勤務が難しいという人にも働きやすい職場といえるでしょう。

入所者に向き合う看護ができる

介護施設で働く看護師は、きめ細かく入所者の状態を観察し、身体機能の維持と回復のための医療的なサポートを提供することが求められます。入所期間が長い高齢者が多いことから、看護師は入所者とじっくりと向き合い、信頼関係を築きながら看護サポートにあたることができます。

看護師が介護施設で働くデメリットは?

一方で、介護施設の看護師として勤務することで考えられるデメリットは、以下の通りです。

入所者とのコミュニケーションが取りづらいことがある

介護施設の入所者は高齢者が中心のため、身体の状況によっては、意思疎通が難しい人や寝たきりの人もいます。こうした入所者とのコミュニケーションをうまく図ることができず、ストレスに感じることがあるかもしれません。

看護師としてのスキルアップが難しい

介護施設では、病院などの医療機関に比べて、医療ケアを行う機会はかなり少ないといえます。そのため、今まで培ってきた看護スキルを発揮する機会が減り、物足りなさを感じることもあるでしょう。

また、最新の医療技術や看護スキルに触れる機会も限られるため、看護師としてスキルアップが難しいと感じるかもしれません。

医療者としての責任が大きい

医師が常駐しない介護施設に勤務する看護師は、入所者の急変などが起こった場合、医師との連携のもとで医療的な判断を委ねられることもあります。

そうした場面では、施設に常駐する医療者として、状況を正しく判断しながら迅速に進める必要があります。介護施設における看護師の仕事には、大きな責任が伴うといえるでしょう。

介護施設の看護師の給料は?

事業所により異なりますが、厚生労働省の「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、施設別の看護師の平均給与は以下のようになっています。

施設名 常勤 非常勤
介護老人福祉施設 455,491円/月 374,513円/月
介護老人保険施設 469,573円/月 361,973円/月
特定施設入居者生活介護 438,206円/月 414,447円/月
デイサービス 375,327円/月 339,893円/月
小規模多機能型居宅介護 390,028円/月 321,922円/月
訪問看護 463,927円/月 393,566円/月

介護施設で働く看護師に向いている人は?

介護施設で働くことに向いている看護師の特徴を見てみましょう。

プライベートと仕事を両立させたい人

介護施設は、一般的に残業が少なく、急患の対応が必要な場面もほとんどありません。また、施設によっては夜勤のない勤務形態もあります。そのため、育児や介護と両立しやすい職場と言えるでしょう。プライベートを充実させ、ワークライフバランスを重視した生活を送りたいという人に向いています。

さまざまな人と関わり合いながら仕事をしたい人

介護施設では、医師などの医療スタッフや介護スタッフなど、多くの職種のスタッフが働いています。介護施設で働く看護師は、こうした専門職スタッフと密に連携ながら、体調の維持や回復に努める必要があります。さまざまな人と関わり、協力して仕事をすることが好きな人に向いていると言えるでしょう。

高齢者に向き合うことが苦にならない人

介護施設の入所者の中には、入所期間が長期にわたる人や、意志の疎通が難しい人もいます。介護施設で働く看護師には、こうした入所者と根気強くコミュニケーションをとりながら、信頼関係を築くことが求められます。高齢者特有の行動や言動を理解し、寄り添うことが苦にならない人が向いていると言えるでしょう。

介護施設での看護師に関するよくある質問

介護施設で働く看護師について気になるこんなこと。よくある質問に、介護現場で働く看護師が回答します。

Q.なぜ介護施設で看護師をしようと思ったのですか?

・利用者とゆっくり関わることができる高齢者看護の仕事が好きだからです。精神的には病院より楽だと感じます。自分の精神衛生のためにも良いと思います。

・60歳を超え、病院勤務は体力的に厳しくなったので、夜勤のない介護施設を選択しました。

・医師の指示に従う処置や介助だけでなく、看護師として本来あるべき姿である、手と目で相手を見る看護が実践できる環境だと感じているからです。

・定時で退社することができるため、充実した私生活を送ることができると思ったからです。

Q.介護施設で働く看護師に求められるスキルはなんですか?

・入所者の背景を理解して接することが大切です。また、状態の変化を見逃さない観察力も求められます。

・介護施設では、看護師が少ない分、広い知識が求められます。夜勤も通常は1人なので、病状を的確に判断する能力が必要です。

・入所者の状態を全体的に観察する力とアセスメント力が求められます。

・医師や介護スタッフなどと円滑なコミュニケーションを図り、他部署と協力体制を構築することが大切です。

・高齢者に対応するため、点滴やバルーン、栄養チューブ、ストマなどの身体管理のスキルや知識が必要だと思います。

Q.介護施設で働く看護師として向いているのはどのような人だと思いますか?

・忙しくても、高齢者のゆっくりとした生活スタイルに合わせられる人。例えば、同じことを何度尋ねられても、笑顔で優しく返答できる人は向いていると思います。

・施設での生活を快適に過ごしていただくためにどうしたら良いのかを考え、そのためのお手伝いをしたいという気持ちがあればいいと思います。

・視野を広く持ち、様々な職種のスタッフと、協調、連携して仕事ができる人が向いています。

・高齢者に対して優しさを持ちながら接することが大切ですが、時には的確な判断力と指示が必要な職場です。そのため、看護師としてある程度の経験を持った人が求められると感じます。

・入所者や介護スタッフとコミュニケーションが取れて、テキパキ仕事ができる人が向いています。

まとめ

介護施設で働く看護師は、看護と医療の両面から入所者を観察し、健康管理を担います。医師の指導のもとで医療行為を行い、入所者が急変した際には入院や救急車の手配を判断するなど、医療従事者として責任ある役割を果たします。

介護施設では、介護職など様々な職種のスタッフと連携して仕事を進めます。入浴や体位変換など、負担の大きい介護ケアは介護スタッフが担当することが一般的なため、看護師の体力的な負担は少ない傾向があります。

勤務する事業所によっては、残業や夜勤がない勤務体制もあり、育児やプライベートとの両立が図りやすいといえるでしょう。また、年齢を経て、体力に自信はないけれど、看護師として働きたいという人にもおすすめの職場です。

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