訪問介護事業所において、必ず必要な人材に「サービス提供責任者（サ責）」があります。
サービス提供責任者は、訪問介護サービスを受ける利用者側にも、サービスを提供するヘルパー側にも気を配り、両者の橋渡しをする仕事。
訪問介護をスムーズにそして効果的に行うために、なくてはならない重要な存在です。
今回の記事では、サービス提供責任者の仕事内容や、必要な資格についてご紹介。
あわせて、ケアマネジャーとの違いや給料のことについても詳しく解説していきます。
介護のサービス提供責任者の仕事内容
指定訪問介護事業所に必ず存在するサービス提供責任者は、主に訪問介護員(ヘルパー)の業務の管理を行います。
それぞれの仕事内容について、下記で詳しく見ていきましょう。
- 訪問介護員(ヘルパー)の管理
- 利用者の管理
- 訪問介護計画書の作成・管理
- サービス担当者会議の参加
- 事務的な仕事
- ケアマネジャーとの違い
訪問介護員（ヘルパー）の管理
サービス提供責任者は、訪問介護事業所に所属している訪問介護員(ヘルパー)の管理を行います。
まず訪問介護員に対し、利用者の状況について情報を伝えるとともに、訪問介護計画書をもとに、具体的な援助目標や援助内容をしっかりと説明します。
そのほか、訪問介護員が不安に思っていることの相談にのったり、技術指導や研修なども行います。
訪問介護員全員の仕事の状況を把握し、それぞれの能力や希望を踏まえて管理をしていくのがポイントです。
利用者の管理
利用者の身体状態の変化や、介護・介助サービスに関する希望、困っていることなども定期的に把握します。
利用者の生活の改善のために必要であれば、ケアマネジャーなど関係機関と連携をとり、利用者の家族ともしっかりと関わっていきます。
訪問介護計画書の作成・管理
利用者の暮らす環境や希望に沿って、具体的なサービス内容等を記載した訪問介護計画書を、居宅サービス計画に沿って作成します。
作成した訪問介護計画書は、利用者または家族にその内容を説明し、同意を得て利用者に渡します。
訪問介護計画作成後も、実際の介護サービスをよく把握しておき、必要があれば訪問介護計画書を変更します。
変更したら本人、ご家族、ケアマネジャーに報告します。実際に行う訪問介護サービスの内容は、きちんと明確にしておくことが大切です。
サービス担当者会議の参加
サービス担当者会議というのは、ケアマネジャーが作成したケアプランについて、利用者に関わるサービス機関の担当者が集まり、その内容を検討する会議のこと。
サービス提供責任者は、対象の利用者について現状や今後の希望などを報告できるよう、情報収集と準備をして参加します。
この会議では、他事業所の担当者や、介護サービス利用時の様子を知ることができますので、貴重な情報交換の場になります。
事務的な仕事
毎月サービス利用者の状況についてケアマネジャーに報告して情報共有をしたり、訪問介護員(ヘルパー)たちの都合を確認・把握してシフト作成なども行います。
ケアマネジャーとの違い
ここで、「ケアマネジャー（介護支援専門員）」と「サービス提供責任者」の違いについてもまとめておきましょう。
ケアマネジャーの仕事の範囲は、在宅介護（通所介護・訪問介護）と入居系介護の両方。幅広い知識、豊富な経験を生かしてケアプランを作り、介護を必要とする人と、介護を提供する側との橋渡し役をします。
そのためケアマネジャーは、サービス内容や料金の知識はもちろん、介護保険の知識や医学的知識など、あらゆる介護サービスの情報を網羅していることが求められます。
これに対してサービス提供責任者の仕事の範囲は、訪問介護に限られます。在宅での介護を必要とする人と、訪問介護員（ヘルパー）との橋渡し役ということで、ケアマネジャーよりは範囲が狭まります。
サービス提供責任者に必要なのは、訪問介護員をまとめていく管理能力。利用者、利用者のご家族、そして事業所内の他の介護職員から頼られる、特別な存在だといえます。
サービス提供責任者のシフト（労働時間）と給料
サービス提供責任者の仕事は、本来なら事務的な仕事が主になるのですが、実際には訪問介護員がお休みになってしまったときなど、介護の現場(利用者宅)に入ってサービスを行うこともあります。
介護職員がたくさんいれば事務的な仕事に集中できるところですが、他の介護職員から相談を受けたり、技術指導をしたりなどで時間をとられるため、比較的労働時間は長いといわれています。
そのぶん、訪問介護員（ヘルパー）と比べると平均給料はやや多め。平成27年度の調査では、ヘルパーに比べて月給では３万円弱のアップになっています。
訪問介護員の平均月給・・・191,751円
サービス提供責任者の平均月給・・・219,663円
