介護職のストレスチェック。もう限界!と感じる前に

介護職の保健室

ケース別ストレス対処法

自分にとってのストレッサーやストレスサインが分かったところで、具体的にどうやって対処していけばよいのでしょうか?介護職に多いケース別に、いくつかの方法をご紹介していきます。

スタッフ同士の人間関係の悩み

介護スタッフ同士の人間関係の悩みで、もっとも多いものの一つが「介護方針の違い」です。たとえば、下記の例について考えてみましょう。

最近状態が低下し、介護度が上がったFさんについて、定例カンファレンスで「排泄介助をやめてオムツにしましょう」という意見が出ました。

それを聞いて介護スタッフのKさんは、「スタッフが楽をしたいだけでは?Fさんのためには排泄介助を継続すべき」と思ったけれど言い出せず、発言力のあるベテラン介護士さんが賛成したため、Fさんはそのままオムツになりました。

それ以来イライラした気持ちを押し殺し、納得できないままケアをしているので、Kさんは大きなストレスを感じています。

この例は一見、「自分は正しいのに、間違った職場の方針に従うしかない」というストレスフルな図式に見えます。しかし一つひとつ丁寧に見ていくと、実はそうでもありません。

この場合はKさんが、カンファレンスのときに「自分はこう思います」と言えなかったのが大きな問題です。

「どうせ聞いてもらえない」「言い出せる雰囲気じゃない」などと考えてガマンしてしまうのがストレスの元。聞いてもらえるかどうかは、行動してみなければわかりません。

言いにくい意見を言う際は、「冷静に」「正直に」「平等な立場で」。誰かを悪者にするのではなく、建設的に話し合う意識がポイントです。感情的になってしまうのは逆効果。

「・・・という事情もあるとは思うのですが、私は・・・と感じます」「・・・も理解してもらえるとうれしいです」と、相手の立場を尊重しながら、きちんと自分の意見を伝えるようにしてみましょう。これを「アサーション(自己主張)」「アサーティブ」などと言います。

アサーションが上手にできるようになるには、練習が必要です。でも練習すれば少しずつ上手になりますし、どんな人間関係のトラブルにも役立つテクニックなので、ぜひ覚えておいてくださいね。

疲労や不眠の悩み

毎日忙しくて疲れがたまり、夜もよく眠れずストレスがピーク・・・そんなときに暴飲暴食したり、アルコールやタバコでストレスを解消しようとすると、体への負担が大きく、かえって疲労感が強くなります。

まずはストレッチや入浴などで全身の血行を促し、疲労物質を流すことを心がけてみてください。

仕事量が多すぎる、休みが少ないといった場合は、上司や同僚に相談し、自分の仕事量を見直すことも必要です。上で紹介したアサーションのやり方を意識しつつ、協力を願い出てみましょう。

不眠が長く続くときは、昼間の仕事への影響も大きくなるため、医療機関を受診することをおすすめします。病気ではないことがわかれば、眠る前のストレッチや、ツボ押しなどのリラクセーション法を試してみましょう。

>介護職の夜勤、悩ましい睡眠障害とかんたんな改善法5つ

>介護の夜勤明け、スッと眠れてさわやかに起きるツボ5つ

失敗で落ち込んでしまうとき

仕事で失敗し、「自分はダメだ」「うまくできない」と落ち込んでしまうことも、介護職にとってのストレスです。

仕事中にそんな気分に襲われてしまったら、まず深呼吸をして落ち着きましょう。自分が元気になれるフレーズを決めておいて、口に出してみるのもおすすめです。

誰かと話す、場所を変えてみる、目の前を片付けてみるなど、すぐできる簡単なことで体を動かすと、良い気分転換になるので試してみて。

余裕があれば、今の自分に適した資格を取得したり、研修を受けることで、自分に自信を取り戻す手助けになることもあります。

何にせよあまり深く考え込まず、今できることをやること、気分を変えることが役に立ちます。

>介護ストレスから少しずつ開放される、3つの考え方

>介護職のストレス原因と、メンタルケアのやさしい方法

家庭との両立がうまくいかない

忙しくて夫婦のコミュニケーションがとれない、子供のケアが十分にできていないのが気になる・・・そういった家庭に関する悩みも、介護職には多くあります。

介護職としての役割、家庭での役割に加えて、PTAや町内会など地域社会での役割もあったりと、私たちは一人でいくつもの役割を背負っているもの。

ただし忙しすぎてそれらがストレス源になっている場合には、負担を減らしていくことが必要です。

自分が減らしていきたい役割がわかったら、上で紹介したアサーティブな態度でパートナーや上司に事情を説明してみましょう。夫に少し家事分担をお願いしてみたり、上司に急なヘルプ要請には入れないことがあることを伝えてみたり。

ただ自分ばかりが我慢するだけでは、ストレスはたまる一方です。問題に建設的に取り組むことで、ストレスを軽減することができます。

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