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グループホームで働く介護職のお仕事内容とは?歓迎されるスキルや必要な資格、給料などを徹底解説します

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グループホームは認知症の高齢者が介護スタッフのサポートを受けながら共同生活を送る施設です。食事の用意や洗濯掃除など入居者の日常生活の支援が介護スタッフの主な仕事で、資格がなくても働くことができます。調理など家事スキルのある人、コミュニケーション力のある人に向いている職場です。

本記事では、グループホームの仕事内容や必要な資格、給料、働くメリットなどを徹底解説いたします。よくある質問や回答についてもまとめたので、是非転職の参考にしてください。

グループホームとは?

グループホームとは、認知症と診断された65歳以上の高齢者を対象とする施設です。正式な名称は「認知症対応型共同生活介護」で、その名称にあるように入居者が共同生活を送る施設です。入居要件は要支援2または要介護1以上とされています。

グループホームの特徴は入居者全員に目が届くような、比較的小規模な施設であることです。複数の居室と台所などで構成された生活空間をユニットと呼び、1ユニットの入居者は9人まで、一施設あたり3ユニットまでと規定されています。

なお、多くのグループホームで2ユニット制が採用されています。定員が18名程度という小規模な運営を行なっているのは、環境の変化に不安を感じやすいと言われる認知症の高齢者に、安心して生活を送ってもらえるよう配慮しているためです。入居施設というよりも自宅にいるような家庭的な環境で、介護スタッフはそれぞれの入居者に個別ケアを行い、自立した生活を送ってもらえるようサポートします。

グループホームで働く介護職員の仕事内容は?

グループホームは入居者が協力して生活する施設です。掃除や洗濯、身の回りのことなどは入居者自身ができる範囲で行っていただき、介護職員は必要に応じて援助します。具体的な仕事内容は以下の通りです。

生活支援

洗濯や片付け、買い物など日常生活に必要な動作をサポートします。料理や後片付けなど、介護スタッフと入居者が分担して行う作業もあります。グループホームでは基本的に「自分でできる動作は自分で行ってもらう」という考え方で運営されます。そのため、介護スタッフは入居者を見守り、支援が必要な場面において適切にサポートを提供することが求められます。

身体介助

入浴、排泄、移動、着替え、食事などが困難な入居者に対しては、日常的に支援を行うこともあります。グループホームは共同生活を送ることに支障のない介護レベルの入居者が主なため、身体介助が必要な方は比較的少ないと言えるでしょう。

健康管理

入居者の健康状態を把握し管理することは重要な業務です。体温・血圧・脈拍などを測定するバイタルチェックを行い、健康状態を数値化して客観的に把握し、施設内で共有します。また、入居者の表情や行動、食事の様子などから「いつもと違う」など、変化にいち早く気づくことができるよう見守ります。

レクリエーション

レクリエーションは入居者の認知症の進行緩和や運動不足の解消、気分転換などのために有効とされており、ほとんどのグループホームが取り入れています。豆まきなどの季節のイベントやクイズ大会、折り紙、風船バレーなど、内容は目的により様々です。こうしたレクリエーションの企画や準備、運営は介護スタッフが行います。

夜勤業務

グループホームでは、夜間はユニットごとに1人以上の介護職員を配置することになっています。施設により異なりますが、17時頃〜翌朝9時頃までが夜勤の勤務時間です。仕事内容は入居者がよく眠れているかを見守ることが中心となりますが、必要に応じて、おむつ交換や行動把握、体温や血圧などのチェックを行います。

グループホームの仕事の1日のスケジュールは?

勤務時間やスケジュールは各施設によって異なりますが、例として日勤・夜勤のスケジュールを以下にご紹介いたします。

日勤のスケジュール

 8:30出勤、夜勤スタッフからの申し送り、スケジュール確認
 9:00排泄介助、掃除・洗濯等の支援
10:00レクリエーション、利用者とのコミュニケーション
11:00昼食の準備
12:00昼食、食事介助、服薬介助
13:00食事の片付け、休憩
14:00入浴介助、散歩の同行など
16:00夕食準備
17:00夕食、食事介助、服薬介助
17:30夜勤スタッフへの引き継ぎ、退勤

夜勤のスケジュール

17:00出勤、日勤スタッフからの申し送り、食事介助、服薬介助
18:00食事の片付け、口腔ケア
19:00利用者さんとのコミュニケーション、翌日の入浴準備
20:00就寝準備(着替えの介助、排泄介助など)
21:00消灯
21:30夜間見守り、おむつ交換、呼び出しコール対応、休憩
 5:00朝食準備
 6:00起床、着替えの介助、排泄介助など
 7:00朝食、食事介助、服薬介助
 7:30口腔ケア、食事の片付け、介護記録記入
 8:30日勤スタッフへ申し送り
 9:00退勤

グループホームで働くために必要な資格やスキルは?

グループホームで勤務するために必要な資格・スキルは以下の通りです。

必要な資格

グループホームは、資格を持っていない人も介護職として働くことができます。介護の仕事が初めての人でもチャレンジしやすい施設といえます。ただし、初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの介護関連の資格を持っていると、仕事に役立ったり、転職しやすいというメリットがありますので、介護職として勤務する方は取得することも検討しましょう。

歓迎される資格やスキル

傾聴力

数分前のことを忘れて同じ発言を繰り返してしまったり、脈絡なく感じられるお話をされる入居者さんもいらっしゃいます。認知症特有の症状を理解し、根気強くお話に耳を傾け、親身な声がけをしながら寄り添うサポートを心がけることが必要です。

コミュニケーション力

グループホームは介護スタッフが入居者さんと親しく会話し、触れ合うことが多い施設です。認知症の症状により、昨日できたことが今日はできなかったり、意思の疎通が難しくなる場面もあるでしょう。どんな状態でも、それぞれの入居者さんに応じた臨機応変な声がけやサポートが求められます。

簡単な調理スキル

グループホームでは介護スタッフがサポートしながら入居者さんと一緒に食事の用意を行います。そのため簡単な調理ができることが求められます。ただし、毎日の献立や料理のレシピが決まっていることも多く、専門的な調理のスキルは必要とされない施設がほとんどです。

認知症介護実践者研修

認知症介護実践者研修は認知症についての実践的な知識やケア方法を学び、認知症介護の専門職を育成する研修です。試験はなくカリキュラムを修了し、報告書を提出することで認知症介護実践者研修の資格を取得できます。

グループホームで働く介護職員のお給料は?

それでは、気になるグループホームの給料を見てみましょう。

厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、グループホームで勤務する介護職員の平均月給は以下の通りとなっています。

※介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所

雇用形態 平均給与
常勤 291,080円
非常勤 200,410円

介護職全体の平均給与は、常勤で317,540円、非常勤で209,540円ですので、平均をやや下回っていることが分かります。

また、他の施設形態(常勤)と比較すると、以下の通りです。

施設形態 平均給与
(常勤)
特別養護老人ホーム
(介護老人福祉施設)
348,040円
介護老人保健施設 339,040円
有料老人ホーム
(特定施設入居者生活介護事業所)
313,920円
グループホーム
(認知症対応型共同生活介護事業所)
291,080円
デイサービス
(通所介護事業所)
275,620円

グループホームで働くメリット

グループホームで勤務するメリットは以下の通りです。

身体的負担が比較的少ない

介護度の高い入居者さんが少ないため、介護職員の身体的負担が比較的軽い環境です。そのため、経験が浅い人や未経験の方でもチャレンジしやすいといえるでしょう。

入居者に寄り添ったケアができる

入居者の定員は1ユニット9人。少人数であるため、大型施設のような慌ただしさがなく、家庭的な雰囲気の中でアットホームな介護ケアが提供できます。

また、一人当たりのケアにかける時間が比較的多く確保できます。そのためきめ細やかな個別ケアが可能になり、介護スキルを着実に積み重ねることが可能です。

調理のスキルが身に付く

グループホームの介護スタッフは毎日の食事作りを担当するため、調理の技術が身につきます。

グループホームで働くデメリット

一方で、グループホームで勤務することで考えられるデメリットは以下の通りです。

身体介助のスキルを磨きづらい

介護度の低い入居者さんが中心であることから、ある程度の日常動作はご自身でできる方も多くいらっしゃいます。そのため、重度利用者向けの介護スキルは学びにくい環境です。

また、小規模の施設であることから、大人数をスピーディにケアする介護スキルは身につかない可能性があります。

他の入居施設と比較すると給与が低め

先述した通り、他の入居施設と比較すると給与が低い傾向があります。しかし、介護職は資格の有無や経験年数、夜勤の回数などで給与は大きく変わります。

グループホームのお仕事をしながら給料を上げたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

グループホームの仕事が向いている人の特徴

グループホームが向いている人の特徴は、大きく以下のような方です。

じっくりと介護の仕事に向き合いたい方

グループホームは、少人数の定員で運営されます。そのため、入居者一人ひとりと向き合い、家庭的な雰囲気の中で丁寧にコミュニケーションをとりながら仕事をしたい方に向いています。

家事が得意・苦にならない方

グループホームは家庭的な環境で、入居者が共同生活を送る施設です。掃除や洗濯など身の回りのことは入居者自身ができる範囲で行い、介護職員は必要に応じてサポートします。サポートの内容は、調理や洗濯、清掃など家庭内の延長上にあることが中心となるため、家事が苦にならない方や、子育て経験のある方にも向いているといえるでしょう。

これまで培ってきた介護スキルを活かしたい方

グループホームは介護度が低い入居者が中心のため、身体介助など、介護職員の負担が大きいケアは比較的少ない職場です。しかし、認知症の入居者と向き合う姿勢や入浴介助、着替えの介助、おむつ交換など、長年培ってきた介護ケアの経験が活かせる場面は数多くあります。

年齢を重ね、「身体的に負担のかかる仕事は難しくなってきたけれど、これからも介護の現場で働きたい」という方には適した職場といえるでしょう。

根気強く入居者に寄り添える方

認知症と診断された方が入居するグループホームでは、認知症特有の症状を理解して入居者と向き合うことが必要とされます。昨日できたことや覚えていたことを、今日はできない、覚えていないという症状が起きることもあります。どんな場面でも臨機応変にサポートし、入居者の気持ちに根気強く寄り添うことが大切です。

グループホームのお仕事に関するよくある質問

グループホームのお仕事について気になるこんなこと。よくある質問に、介護専門のキャリアアドバイザーが回答します。

Q.調理業務は具体的にどのような作業を行うのですか?

レシピを参考にしながら料理する、または、ご飯とお味噌汁だけを調理しおかずは出来上がっているものを湯煎で対応するなど、やり方は施設によって様々ですが、料理が苦手な人でも対応できるよう工夫している施設が多いです。

Q.食事は利用者さんと一緒にとるのですか?

最近は一緒に食事を取る施設が少なくなっています。介護職員の食事は休憩時間中に取っていただくことが多いです。

まとめ

9人まで、1施設あたり最大3ユニットまでというアットホームな環境が特徴です。

グループホームは無資格・未経験の方でも働くことができ、入居者の介護度も比較的低いことから、介護の仕事が始めての方や経験が浅い方でも入職しやすい職場といえます。

少人数の施設なので、入居者お一人ひとりと向き合い丁寧な介護ケアを提供できます。じっくりと介護の仕事に取り組みたい人に向いている職場といえるでしょう。

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