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障がい者・障がい児支援施設で働く介護職のお仕事内容とは?歓迎されるスキルや必要な資格、給料などを徹底解説

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障がい者・障がい児支援施設は、障がいのある人を支援し、社会的な自立を目指す社会福祉施設です。生活介護、自立訓練、就業支援などの福祉サポートを行います。

受け入れる利用者の障がいの状態に応じた、さまざまな種類があり、福祉サポートの内容も施設によって大きく異なります。生活サポートが中心となる施設もあるため、介護職が初めての人でも比較的働きやすい職場といえるでしょう。ただし、業務が幅広いため、障がい者・障がい児支援施設の仕事を検討する方は、希望の仕事内容を明確にして応募することが重要です。

本記事では、生活支援員の仕事内容や必要な資格、給料、働くメリットなどを徹底解説いたします。よくある質問や回答についてもまとめたので、是非転職の参考にしてください。

障がい者・障がい児支援施設とは?

障がい者・障がい児支援施設は、「身体障がい」「精神障がい」「知的障がい」のある人の社会的な自立を促し、生活介護、自立訓練、就業支援などを行います。また、医療的ケアが必要な人を受け入れる障がい者・障がい児支援施設もあります。

18歳以上で障がい支援区分4以上、または50歳以上で障がい支援区分3以上などの条件を満たしている人は、障がい者総合支援法による福祉サービスが適応され、障がい者支援施設への入所や障がい福祉サポートが受けられます。また、18歳未満の人は児童福祉法で定められた障がい福祉サービスが提供されます。

障がい者・障がい児支援施設には、自宅から通う通所型や、施設で生活する入所型などさまざまな種類があり、昼間は通所施設として生活介護、自立訓練、就業支援などを提供し、夜間は入所施設となる事業所もあります。年齢、障がいの種類、障がいの程度などによって利用できる施設が決まり、サポートの内容も施設によりさまざまです。以下に主な障がい者支援施設を紹介します。

障がい者更生施設

利用者のハンディキャップの程度に合わせてリハビリや治療を提供します。利用者が社会生活に適応できるよう、社会習慣や生活習慣を身につけるサポートを行います。

障がい者授産施設

就労が困難で、十分な収入を得ることが難しい障がい者に対して、就労や技能の習得をサポートします。

生活施設

障がいを持ち、介護が必要な方を受け入れ、生活介護や身体介助、リハビリなどを24時間体制で提供する入所施設です。また、自立して生活するための訓練を行う事業所もあります。

地域利用施設

施設がある地域に居住する障がいのある人にデイケアやレクリエーション、リハビリなどを提供する通所施設です。

上記の他に、18歳未満の障がいのある児童が利用する施設として、以下のものがあります。

放課後デイサービス

学校終了後や長期休みに障がいのある児童を受け入れ、生活サポートなどを提供します。

福祉型障がい児入所施設

障がいのある児童が入所し、保護、日常生活の指導、自立に必要な知識などの支援を提供します。

障がい者・障がい児支援施設の利用者は、施設の種類により、年齢や障がいの状態が大きく異なることが特徴です。生活介護をサービスの中心とする施設も多く、介護経験のない人でもチャレンジしやすい職場と言えるでしょう。

一方で、介護福祉士や社会福祉士などの資格を持つ人は転職に有利な傾向があり、給与アップも期待できます。障がい者・障がい児支援施設でスキルアップを目指すなら、資格取得を目指してみることをお勧めします。

障がい者・障がい児支援施設で働く介護職員の仕事内容は?

障がい者・障がい児支援施設にはさまざまな種類があり、施設により仕事内容も異なります。ここでは代表的な仕事についてご説明します。

自立訓練

自立訓練には、身体機能の回復・維持を目指す「機能型訓練」、日常生活に必要な身体機能の回復を目指す「生活訓練」、一人暮らしを目標にした「宿泊訓練」があります。介護スタッフは日常生活を送るためのサポートを中心に行い、機能訓練などのリハビリは専門スタッフが行うことが一般的です。

生活介護

日常生活を自立して送れるようサポートを行います。食事や入浴、着替え、居室の掃除など、利用者の障がいに対応したサポートを心がけます。買い物の同行や外出の同伴などを行うこともあり、利用者一人ひとりに合わせたケアで社会参加を目指します。

施設入所支援

施設入所支援は日中の生活介護と合わせ、夜間の食事介助や入浴介助、排泄介助や生活相談などを行います。障がい支援区分4以上、または50歳以上で障がい支援区分3以上などの認定を受けた人で、入所での訓練が必要とされた利用者が対象です。

就労支援

就労支援にはさまざまな種類があり、利用者の障がいに応じて就労のサポートを行います。就労のための訓練やスキルの向上を目指す「就労継続支援」、事業所が障がいのある人を直接雇用する「就労継続支援A型」、雇用契約を結ばずに、就労が困難な方に訓練の場を提供する「就労継続支援B型」などです。

介護スタッフは専門職員と連携し、就労について相談にのり、アドバイスすることも重要な役割です。

夜勤

入所型の障がい者・障がい児支援施設では、夜勤がある事業所もあります。就寝準備や夜間の見守り、トイレへの誘導などが一般的な仕事内容です。入所者の状態により、更衣介助、排泄介助などを行ないます。

障がい者・障がい児支援施設の仕事の1日のスケジュールは?

勤務時間やスケジュールは施設により異なりますが、ここでは入所施設での一般的な日勤・夜勤の例をご紹介します。

日勤のスケジュール

 8:30 出勤、引き継ぎ、1日の予定を確認
10:30 レクリエーション、利用者の活動支援
11:30 昼食準備
12:00 昼食、必要な利用者に食事介助を行う
12:30 服薬介助、口腔ケア、昼食の後片付けなど
13:00 利用者の活動支援、休憩
15:00 入浴介助など
17:00 1日の記録を記入、引き継ぎ
17:30 退勤

夜勤のスケジュール

17:00 出勤、引き継ぎ
17:30 服薬介助、口腔ケア、夕食の後片付けなど
20:00 就寝準備、着替えの介助、排泄介助など
21:00 消灯
22:00 夜間見守り、巡回、休憩
 6:00 起床、着替えの介助、排泄介助など
 7:00 朝食準備
 7:30 朝食、食事介助、服薬介助、口腔ケアなど
 8:30 夜勤の記録を記入、引き継ぎ
 9:00 退勤

障がい者・障がい児支援施設で働くために必要な資格やスキルは?

障がい者・障がい児支援施設で勤務するために必要な資格・スキルは以下の通りです

必要な資格

障がい者・障がい児支援施設では、資格がない人も働くことができます。さまざまな職種のスタッフがいる中で、障がいを持つ人の生活をサポートする生活支援員は、資格や経験を問いません。障がい者・障がい児支援施設で働きたいという方は、ぜひ挑戦してみましょう。

ただし、初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの介護関連の資格を持っていると、仕事に役立ったり、転職しやすいというメリットがありますので、生活支援員として勤務する方は取得することも検討しましょう。

歓迎される資格やスキル

歓迎される資格

・精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神的な障がいを持つ人や家族の相談に応じ、生活支援や社会参加のアドバイスやサポートを行う役割を担います。精神保健福祉士は、指定科目の履修や実務経験など、定められた要件を満たし、国家試験に合格した人が取得できる国家資格です。

・児童発達支援管理責任者
障がいを持つ児童の支援や療育が正しく行われているかを管理する専門職で、児童発達支援施設には一名以上の配置が義務付けられています。決められた年数の実務経験と研修を修了することで、児童発達支援管理責任者になることができます。

歓迎されるスキル

・障がいを理解する姿勢
重い障がいを持つ人の中には、意思疎通がスムーズでなく、介護スタッフとの信頼関係を築くことが難しいことがあります。そうした場面でも、相手を尊重しながら、根気強く時間をかけて、気持ちを通わせていくよう努力することが求められます。

障がい者・障がい児支援施設で働く介護職員のお給料は?

障がい者・障がい児支援施設で働く介護職員の平均給与を紹介します。

施設により異なりますが、厚生労働省の「令和4年度障がい福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要P12」によると、障がい者・障がい児支援施設事業所で勤務する介護職員の平均月給は以下の通りとなっています。

雇用形態 平均給与
常勤
(福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金取得事業所)
315,350円


また、職種別の平均給与は以下のようになっています。

職種 平均給与
福祉・介護職員 241,360円
サービス管理責任者 307,850円

介護職全体の平均給与は、常勤で317,540円ですので、障がい者・障がい児支援施設に勤務する介護職員の平均月給は、常勤で平均をやや下回っています。

また、他の介護施設形態(常勤)と比較すると、以下の通りです。

施設形態 平均給与
(常勤)
特別養護老人ホーム
(介護老人福祉施設)
348,040円
有料老人ホーム
(特定施設入居者生活介護事業所)
313,920円
グループホーム
(認知症対応型共同生活介護事業所)
291,080円
サービス付き高齢者向け住宅
(特定施設入居者生活介護事業所)
313,920円
デイサービス
(通所介護事業所)
275,620円

障がい者・障がい児支援施設で働くメリット

障がい者・障がい児支援施設で勤務するメリットは以下の通りです。

社会参加や自立のサポートができる

生活支援員は障がいを持つ人にさまざまなサポートをする中で、利用者が自立に向かっていく姿を見届けられることが大きな喜びであり、魅力であるといえます。

障がいへの理解が深まる

コミュニケーションが難しい利用者でも、介護スタッフが時間をかけて向き合うことで、心を開いてもらえることも少なくありません。利用者の性格や障がいの特徴を理解してサポートを続けることで、障がいのある人とのコミュニケーションが上達していきます。

身体介護や看取りケアが少ない

施設の種類によりますが、障がい者・障がい児支援施設は高齢者施設とは異なり、要介護度の低い方、または介護ケアの必要ない利用者が多い傾向があります。そのため、介護スタッフに負担の大きい移乗などの身体介護や、看取りケアを行うことは少ないでしょう。

障がい者・障がい児支援施設で働くデメリット

一方で、障がい者・障がい児支援施設で勤務することで考えられるデメリットは以下の通りです。

利用者との信頼関係の構築が難しい

障がいを持つ利用者の中には、感情表現が苦手で、コミュニケーションが難しい人もいます。利用者とスムーズなコミュニケーションが取れず、信頼関係の構築がうまくいかないストレスを感じる場面があるかもしれません。

障がい者・障がい児支援施設の仕事に向いている人の特徴

障がい者・障がい児支援施設の仕事に向いている人は以下のような方です。

障がいを持つ人をサポートしたい人

障がい者・障がい児支援施設は、利用者の社会的な自立を目指す施設です。利用者の苦手なことやできないことを手助けするだけでなく、利用者と同じ方向を向いて、成長を応援したいと思える人は歓迎されるでしょう。

前向きに相手に寄り添える人

障がいを持つ人の中には、辛い気持ちから、周囲に感情をぶつけてしまうことがあるかもしれません。そうした利用者に接した時、相手を尊重して話を聞ける人、前向きな言葉をかけて寄り添える人は障がい者・障がい児支援施設の仕事に向いています。

コミュニケーション力のある人

障がい者・障がい児支援施設の介護スタッフは利用者や家族とコミュニケーションを取り、さまざまな要望や相談に応えていくことが求められます。利用者や家族と積極的に会話ができ、相手の気持ちを察することが苦にならない人は歓迎されるでしょう。

障がい者・障がい児支援施設のお仕事に関するよくある質問

障がい者・障がい児支援施設のお仕事について気になるこんなこと。よくある質問に、介護専門のキャリアアドバイザーが回答します。

Q.介護職は未経験で、資格を持っていませんが、障がい者・障がい児支援施設で働くことはできますか?

経験や資格がない方も従事できます。スキルは働きながら身に着けることができますので、まずは、利用者との信頼関係を築けるよう、コミュニケーションを大切にしてください。最初は不安でも、障がいに対する理解が深まると、仕事が楽しくなる方が多いようです。

まとめ

障がい者・障がい児支援施設は、「身体障がい」「精神障がい」「知的障がい」のある人を支援し、社会的な自立を促す社会福祉施設で、生活介護、自立訓練、就業支援などのサポートが提供されます。

年齢、障がいの種類、障がいの程度などによって利用できる施設が決まり、サポートの内容も施設によりさまざまです。

仕事の内容が多岐にわたるため、障がい者・障がい児支援施設の仕事を検討する人は、ミスマッチを防ぐためにも、志望動機や希望の仕事内容を明確にして応募することが重要です。

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